自分はマラソンのウィルソン・キプサング選手を尊敬している。
キプサング選手は2月の東京マラソンでも来日し、2時間3分台の好記録で優勝した。
彼はレース前に、「東京で世界記録を出す」と公言していた。
一時は世界記録を出したこともあるが、34歳という年齢を考えたら正直また2分台の
世界記録を出すことは難しいと思っていた。
結局タイムは3分台だったが、途中まで世界記録を期待させる立派なタイムだ。
キプサング選手は、急逝したサムエル・ワンジル以来最近のマラソン界ではとても
安定した成績を残していると思う。
パトリック・マカウ選手やデニス・キメット選手も一時世界記録を出したが、その後は
故障続きでレースでも途中棄権したり成績が振るわないでいる。
一体何が原因なのか?
キプサング選手がインタビューで「自分はレースの日に調子のピークを合わせることができる」
と言っていたのを見たことがある。
最近のマラソンは高速化が進み、選手は身体へのダメージが激しい。
レース後はしっかり休養し、トレーニング内容も体調によって変更する必要があると言っていた。
キプサング選手の練習メニューを見たことがあるが、ほぼ午前中がメインで夕方に軽く走るくらいで
終了している。これだと月間走行距離は1000キロにも達しないことになる。
日本の実業団選手なら月1000キロ以上走る選手は珍しくもないのに。
そういえば、前にワンジル選手が「日本人は走り過ぎだ」と言っていた。
公務員ランナーの川内優輝選手は、仕事のため午前中の練習のみで月間走行距離は600キロほどと、
これまた少ないがご存知のようにレースでは実業団選手に負けていない。
練習は量より質なのだろうか?
昔の瀬古さんや宋さんは1000キロ以上、あるいはそれ以上の距離を走っていたそうだ。
自分は誰にも負けないくらい練習で走った。だからレースでも勝てると。
自信を持つことにはつながるのだろう。
しかし今は昔とレース展開が違う。
昔なら集団で走っていて30キロ過ぎから駆け引きや勝負が始まったが、今は速いタイムを持つ選手が
序盤からペースを上げ下げしペースを乱しにかかる。10何キロくらいでスパートをかけたりもする。
日本人選手は序盤からついていけない。
逆にこれについていければ後半にチャンスがあることになる。
現在大迫傑選手がこのへんんことをよく知り練習している気がする。