私が目を覚ますと、もう朝だった。『おはよう』って、彼の声が聞こえて、朝日が射しているベランダの方へ振り向くと、パジャマ姿の彼が立っていたわ。彼はゆっくりと、ベッドに横たわっている私の方に近づいてきて、私にキスしようとしたわ。
逆光で、輪郭しか見えなかった彼の顔が、約1mほどに近づいた時、私は、初めて、彼の目の下に、くっきりとくまができているのを見たの。どうしたのっ?って、思わず聞いたわ。だって、あんなにぐっすりと寝ていたのに・・・。彼は、こう言ったわ。
『そんなことよりも、良い夢を見たんだよ。昨日行った教会の、あのマリア様、あれが出てきてね。僕に向かって、こう言ったんだ。“あなたの願いを聞き入れましょう。あなたたちには、元気な赤ん坊を授けましょう。”ってね。ねぇ、これはきっと、正夢だよ!』
―――私、彼のうれしそうな顔を見て、昨日の夜起こった恐ろしい出来事を教えるのを止めたわ。彼の、その笑顔をずっと見つめていたかったの。そのためには、私の恐怖を消し去ることさえたやすいことだった。その証拠に、私はこれまで、誰にもこのことを話したことは無いわ。私は、私は、彼を、愛しているのよ・・・。」
(つづく)
逆光で、輪郭しか見えなかった彼の顔が、約1mほどに近づいた時、私は、初めて、彼の目の下に、くっきりとくまができているのを見たの。どうしたのっ?って、思わず聞いたわ。だって、あんなにぐっすりと寝ていたのに・・・。彼は、こう言ったわ。
『そんなことよりも、良い夢を見たんだよ。昨日行った教会の、あのマリア様、あれが出てきてね。僕に向かって、こう言ったんだ。“あなたの願いを聞き入れましょう。あなたたちには、元気な赤ん坊を授けましょう。”ってね。ねぇ、これはきっと、正夢だよ!』
―――私、彼のうれしそうな顔を見て、昨日の夜起こった恐ろしい出来事を教えるのを止めたわ。彼の、その笑顔をずっと見つめていたかったの。そのためには、私の恐怖を消し去ることさえたやすいことだった。その証拠に、私はこれまで、誰にもこのことを話したことは無いわ。私は、私は、彼を、愛しているのよ・・・。」
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