調査会社の米国IDCは12月2日、今後のIT動向に関する予測レポートを発表した。それによると、2011年には企業におけるソーシャル・ネットワーキング・ツールの利用が拡大するが、その一方で利用を検討すべきソーシャル・プラットフォームの選択肢は減るという。
2011年に関するこれらの予測を含むIDCのレポートは、「IDC Predictions 2011: Welcome to the New Mainstream」と題されている。IDCの見通しのとおり企業利用が拡大すれば、ソーシャル/コラボレーション・プラットフォームは来年、大きな追い風を受けることになる。
活況が期待できるのはビジネス指向のプラットフォームだけではない。IDCは、多くの中小企業がFacebookのようなソーシャル・ネットワークを利用するようになるとも指摘している。「手間やコストをかけて従来型のWebサイトを立ち上げることなく、無料でオンラインでのプレゼンスを確立し、より効果的に顧客を獲得し、満足させ、維持するためだ」(IDC)。
IDCのチーフ・アナリスト、フランク・ジェンズ(Frank Gens)氏はレポートの中で、ソーシャル・ネットワーキングは来年、アーリー・アダプターが採用する段階を超えて、メインストリームのプラットフォームとして成熟段階を迎えるだろうと述べている。
“ソーシャル・ビジネス・ソフトウェア” JiveのWebサイト
またジェンズ氏は、来年には米国Jive Softwareが新規株式公開(IPO)を行うと予想している。Jiveは、Facebookのようなソーシャル・ネットワーキング・ツール(最新情報の公開機能、人物検索機能、通信チャンネルなどをユーザーに提供する)を企業向けに応用した“エンタープライズ2.0”サービスを提供している。
さらにジェンズ氏は、米国のOracle、Microsoft、Hewlett Packard(HP)、Cisco Systems、IBM、ドイツのSAPのような大手ITベンダーが、ソーシャル/コラボレーション分野に進出するため、あるいはこの分野の既存製品を強化するため、専門企業の買収に動くだろうとの見通しも示している。
ジェンズ氏は、こうした動きを背景に、2011年には、ソーシャル・ソフトウェア市場を手がけるベンダーの30%が他社の傘下に入ると予想している。
米国Gabriel Consulting Groupのアナリスト、ダン・オールズ(Dan Olds)氏も、来年は多くのソーシャル・ネットワーキング・ベンダーが買収されるだろうと語った。だが同氏は、ソーシャル・ネットワーキング市場は勢いが鈍るだろうとの予測も付け加えた。ソーシャル・ツールの活用を試みた企業が失敗し、このツールに見切りをつけることが一因だという。
「ソーシャル・ネットワーキングにとって、来年は大きな年にはならないだろうが、2010年よりも重要な年になるだろう。景気全般の影響を受けて、間違いなく市場は少し鈍化するが、もし景気が回復すれば、大きな年になるかもしれない」(オールズ氏)
(Sharon Gaudin/Computerworld米国版)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101207-00000003-cwj-sci
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2011年に関するこれらの予測を含むIDCのレポートは、「IDC Predictions 2011: Welcome to the New Mainstream」と題されている。IDCの見通しのとおり企業利用が拡大すれば、ソーシャル/コラボレーション・プラットフォームは来年、大きな追い風を受けることになる。
活況が期待できるのはビジネス指向のプラットフォームだけではない。IDCは、多くの中小企業がFacebookのようなソーシャル・ネットワークを利用するようになるとも指摘している。「手間やコストをかけて従来型のWebサイトを立ち上げることなく、無料でオンラインでのプレゼンスを確立し、より効果的に顧客を獲得し、満足させ、維持するためだ」(IDC)。
IDCのチーフ・アナリスト、フランク・ジェンズ(Frank Gens)氏はレポートの中で、ソーシャル・ネットワーキングは来年、アーリー・アダプターが採用する段階を超えて、メインストリームのプラットフォームとして成熟段階を迎えるだろうと述べている。
“ソーシャル・ビジネス・ソフトウェア” JiveのWebサイト
またジェンズ氏は、来年には米国Jive Softwareが新規株式公開(IPO)を行うと予想している。Jiveは、Facebookのようなソーシャル・ネットワーキング・ツール(最新情報の公開機能、人物検索機能、通信チャンネルなどをユーザーに提供する)を企業向けに応用した“エンタープライズ2.0”サービスを提供している。
さらにジェンズ氏は、米国のOracle、Microsoft、Hewlett Packard(HP)、Cisco Systems、IBM、ドイツのSAPのような大手ITベンダーが、ソーシャル/コラボレーション分野に進出するため、あるいはこの分野の既存製品を強化するため、専門企業の買収に動くだろうとの見通しも示している。
ジェンズ氏は、こうした動きを背景に、2011年には、ソーシャル・ソフトウェア市場を手がけるベンダーの30%が他社の傘下に入ると予想している。
米国Gabriel Consulting Groupのアナリスト、ダン・オールズ(Dan Olds)氏も、来年は多くのソーシャル・ネットワーキング・ベンダーが買収されるだろうと語った。だが同氏は、ソーシャル・ネットワーキング市場は勢いが鈍るだろうとの予測も付け加えた。ソーシャル・ツールの活用を試みた企業が失敗し、このツールに見切りをつけることが一因だという。
「ソーシャル・ネットワーキングにとって、来年は大きな年にはならないだろうが、2010年よりも重要な年になるだろう。景気全般の影響を受けて、間違いなく市場は少し鈍化するが、もし景気が回復すれば、大きな年になるかもしれない」(オールズ氏)
(Sharon Gaudin/Computerworld米国版)
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