彼女がなぜこの地に固執するか分からないでもない。
本来なら嫁と共に息子の転勤先にいけばいいものを、
嫁と姑は神代の時代から犬猿の仲だからと思っていた。
彼女にとって初めてのマンションは住みやすいらしい。
ON/OFFの切り替えがラクで他人に干渉されない環境で
ペットと気兼ねなく暮らしたいが本音のようだ。
それを息子から聞いたときに思った。
80過ぎの婆さんがペットと暮らすなんていかんだろ、
何かあった場合はどうなんの、
死んだはいいが密室に取り残されたペットはどうすんだよ!!!
まてまて、婆さんまだ生きてるわ...。
息子との暗黙の了解でそれなりに見守ることにした。
幸いなことに息子の嫁さんが気配りのできる人なので
さほど心配はいらないと思ってる。
何かあったら駆け付ければいいぐらいに思っていたら、
電球交換に電子レンジの使い方でもお呼びがかかる。
こちらも老々介護のリハーサルと思えばOK。
ただ、おれにキバ向くアメショのお玉が気にいらぬ。
もしかしたら命の恩人になるかも知れぬ俺様にフギャーとする。
そのたびに婆さんは
「ごめんなさいね、この子は箱入れり娘だから人見知りなの」
ぼくはすこし複雑な気持ちになった。
動物病院で暴れる玉ちゃんをおさえつけて注射をさせたとき、
立派なタマタマを見た。
箱入り娘じゃなくておぼっちゃまなんだよ。
息子の転勤先のマンションはペット不可だと聞いている。
もしかしたら本当の理由はここにあるのかもしれない...。
人使いの荒い婆さんは思ったよりいい人で、
そして淋しい人なんだ。
アナログ婆さんとバランタイン17年
https://blog.goo.ne.jp/suiren2009/e/0224bd1b77e0e068d63df2f582a57405
アナログ婆さんはデジタル不可の人
https://blog.goo.ne.jp/suiren2009/e/ea9d414ce6e97adb40d0315ae9ae6efb
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