<ペット販売規制>ネット取引、対面義務化 午後8時以降の店頭展示禁止 環境省が方針
2011年7月21日(木)13:00
環境省は20日、ペットのインターネット販売について、業者と飼い主に現物確認や対面での説明を義務づけ、ネットのみの取引を禁止する方針を固めた。
また、ペットに与えるストレスを考慮し、午後8時以降に販売目的で店頭展示することも禁止する。
環境省は、来年の通常国会でこれらの項目を盛り込んだ動物愛護管理法改正案の成立を目指す。
改正案は、この日の中央環境審議会小委員会で議論された。
環境省の調査では、ペットの購入先としてネットを含む通信販売やネットオークションを挙げた人は近年、
5~7%に上る。委員会では「飼い主がペットと一度も対面せずに販売する方法は、ペットの特性が伝わらず問題」と指摘。感染症拡大などの問題を回避する視点からも、現物確認と対面説明を求めた。
またネットを含むオークション業者は同法に基づく動物取扱業と明確に位置付け、市場の透明性確保を図る。さらに遺伝性疾患などに対応するため、個体識別による追跡を可能にするよう求めた。高齢の犬や猫などを世話する「老犬・老猫ホーム」も動物取扱業者と位置づけ、規制対象とする。一方、大都市を中心に深夜にペットを売る店舗が増加。
「ペットへのストレスを考えると規制が必要」として、午後8時以降は展示を禁止すべきだと判断した。
このほか、成長後にほえたりかんだりする問題行動を防ぐため、生まれてから一定期間に達しないペットを親から離して販売することも禁止する。
禁止期間について、国内の業界は45日間を主張しているが、海外では56日間の事例もあるとして意見が分かれ、結論は先送りされた。
母体への影響を懸念し、出産回数に制限を設けることでも一致したが、具体的な回数は今後協議する。【江口一】
【
ジュルのしっぽ-猫日記-】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/36/dcecbde0009fcc650674ea76022a479e.png)
~ネコやイヌのために1万人以上の署名を集めて国の大臣に手渡すという、大きな成果を形にしました。
何の団体にも属さない、何のコネもない一般市民の夫妻が、ネコの気持ちを代弁するため、環境大臣室にまでたどり着いたのです。~
-ジュルのしっぽ-の山崎さんご夫妻の気持ちの一部が形になりそうです。
ペットショップで売られているワンコやニャンコの気持ちを思うと、8時以降も明るいライトで照らされている店内って
過酷な状況だと思っていました。そもそも命ってお金で取引できるものではないと思ってます。
加えて、NET販売&や一回も対面していない動物の譲渡など私の中ではありえない取引だと思ってました。
動物を譲渡する行為って、物じゃないし命あるものなのによく顔も知らない他人に命を託せるなと感じていました。
しかも、NET販売は全体の5-7%って書いてあるじゃないですか!? この数値、すっごく高くないですか!?
と私のように熱くなりすぎる人のかわりに(
動物好きな人ってそうゆう人が多いと思う。)山崎さん夫婦は意見をまとめてくれて
代弁してくれたのだと思います。
ペットショップの実情を知って可愛そうだーで終わってしまう人がほとんどですが、山崎さん夫婦はその壁を越えて前に進んでくれた方だと思います。
その勇気が、多くの犬・猫の置かれている市場主義の現状から法規制が出来たならば環境の改善によって多くのペットが救われることでしょう。
この一歩はかなり大きいと思います。
※もちろん健全なペットショップさんも多数存在します。
僕達ずっと一緒だよ・・・。
【
ペット業界の実情】 前にも転載しましたっけね。
ここまでの改正論議のまとめ 2010-12-03 / ネコの行政
日本で殺処分される犬猫は、年間276,212頭(平成20年度環境省調べ)。
あまりにも多いこの犠牲の原因は、大きく2つあります。「飼い主責任の欠如」と「生体販売のペット業界」です。
ここまでの環境省の動物愛護管理法改正に向けた会議では、2大原因のうちのひとつ、
「生体販売のペット業界」について、主に議論されてきたことになります。
殺処分ゼロにするためには、大変重要な議論だったということです。
議論の過程で明らかになった流れを、簡単にまとめると以下のようになります。
<生体販売のペット業界が殺処分の多い状態をつくる一因となる流れ>
・
ペットショップで販売されている犬猫の4~5割は、オークション(競り市)を経ている。
・
オークションは動物取扱事業者ではないので動物の輸送や伝染病予防などの規制がない。
・
犬猫の社会化期には適さない自主規制しか持たないペットショップで犬猫が販売されている。
・
オークションでは、ブリーダーとペットショップの直接交渉が禁止行為になっているため、
トレーサビリティー(犬猫の誕生環境追跡)の障壁となり悪徳業者にさえも販売機会を与え、生後週齢や血統証、病歴の有無などの確認ができない。
・
その結果、問題行動や感染症や障害をもつ犬猫が販売され、購入後に問題が発生し、保健所に持ち込まれるケース、また、ペットショップに到着後に病気が発症して
保健所へ持ち込まれるケースが発生し、殺処分数が多くなる一因になっている。
なんで、こんなずさんな状態がいつまでも続いているのか、不思議に思いませんか?
ただ、ペット業界のモラルが低いとか、行政が不真面目とかの単純な理由ではないのです。
前回の改正でも、「犬猫の社会化期を考慮して8週齢とすべき」という議論が新聞で報じられるほど高まったし、こうした流通の実態は概ねつかめていたし、業界側も何度も呼び出されて改善に着手してきたのに、なぜ、このようなずさんな状態がいつまでも続いてきたのか。
理由は、「
幼齢の子犬子猫への需要に応えうるだけの大量仕入れ」のためです。
業界の存続と繁栄には欠かせない条件が、崩壊してしまうきっかけになるからです。
オークションで規制を高めてしまえば、需要に応えられる数の子犬や子猫が集まりません。規制がほとんどないから、ブリーダーは一遍にたくさんの子犬子猫を出陳できるし、ペットショップもたくさんの子犬子猫を一括で仕入れることができるわけです。
だから、今回の議論でも、深夜営業や移動販売やインターネットの禁止を受け入れ姿勢のペット協会も、「8週齢の規制」と「オークションの各種規制」については、頑なに反対し、業界の自主規制に委ねることを求めているのです。
その必死さは続く小委員会第4回、第5回でも顕著です。動物愛護団体からの批判に対して、独自に調査したレポートを提出して、8週齢規制には科学的根拠はなく、法律で規制するのはあまりに粗暴だと訴えています。さらに、業界6団体が環境大臣に直接面会して改正への要望書を提出しています。
じつは前回の改正でも8週齢規制は、ほぼ間違いなく実施されると期待されていたのです。ところが、改正前のパブリックコメントに寄せられた意見は愕然とする結果でした。「科学的根拠がない」「45日以上でよい」という反対意見が約9,500通、賛成意見はたったの200通。
「業界の組織票じゃないか!」と憤っても空しいだけです。「パブリックコメントで意見を募集していたなんて知らなかった」は言い訳にもなりません。わたし達は、せっかく意見を聞かれたのに、たったの200人しか賛成しなかったのです。これでは環境省や動物愛護部会の委員がどんなにがんばっても、法規制はつくれません。
業界の必死の抵抗に対して、小委員会で何度も科学的根拠の少なさを指摘されていた動物愛護団体のみなさんは、科学的根拠の情報を追加提出していません。
もうそろそろ「心情的な動物愛護」から「理論的な動物愛護」に進化してもらわないと、守れるものも守れません。
今回は愛護団体の代わりに、環境省の動物愛護管理室がよく収集してフォローしてくれています。
「8週齢の規制」と「オークションの各種規制」の問題は、言ってみれば、ペット業界の死活問題に関わることだから変わらないのです。
逆に言えば、この問題を解決すれば、ペット業界の生体販売は崩壊するということです。
ここが正念場です。
安心していただきたいのですが、業界の提出したレポートは、すべての項目において大変作為的で、何ひとつ参考にならない内容です。環境省にも意見は伝達済みです。
また、ここまでの小委員会を受け、「8週齢の規制」と「オークションの各種規制」について、わたし達の見解書を、環境省に提出させていただく予定です。
※この投稿については転載自由です。(ジュルのしっぽより)