先生から今の状況を説明され呆然としている私に渡された書面は、
延命処置をどこまでに行うかの選択を家族がしなければならないものでした。
心肺蘇生、電気ショック、気管挿管、人工呼吸器の装着を望むか、
効果があると思われる処置を先生の判断に任せるのか、
全く自然に任せるのか。
末期の癌であるならば、どこまで延命するのか、
答えはすぐに出ると思うのですが、
今回、それまで元気で、
かつ入院の診断時に想定できなかった菌による命の危機的状況に、
我々家族もどう選択すべきなのか、
いろんな管に繋がれ、酸素マスクで苦しんでいる父の姿を見ていると、
何が正しい選択なのか分からず
選択に苦しみました。
既に父の横には延命機器が設置されていましたし、
今何がおきてもおかしくなくて、かなり危険な状態であることは、
誰が見ても明白で、
夜間に危なくなった場合は、電話をしますと言われているので
自分の部屋のベッドでは寝られず、家の電話に出られるように一階で寝ていました。
と言っても寝られるわけもなく、睡眠が浅く嫌な寝汗はかくわ、
起きるたびにこれは夢じゃないのかと思ってはみるものの
目の下はクマが出来て、フラフラで状態でした。
極度の緊張状態が続いたせいか私も微熱が出てしまい
かかりつけの病院に行ってから、父の病院へ行き、
その一週間は半日だけ会社にでましたが、後は会社を休んで
病院に詰めていました。
夜になると42度近い熱が出る状態で5日ほど経ったころ、
採血の結果で炎症を表す数値が下がり始めていると看護師さんが
言いに来てくれました。
食事を全く取らず点滴だけで2週間が経っていたので、
身体は浮腫んでいますし、いろいろな管に繋がれてはいましたが、
身体の中の菌に父が勝ったと分かった時の気持ちは言葉では表せません。