文化審議会の漢字小委員会が常用漢字表の改訂をすすめている。
そこで、新たに加える字のしんにゅうの点をひとつにするか二つにするか、論が割れているとか。
文化庁が提示した 2 点という案は、現行の活字に合わせるという趣旨だそうだ。これに対して、一貫性が欠けて教育上も問題があるというのが、1 点派の主張らしい。二点派といっても、手書きをするときは一点でもよろしいという積りだそうである。
実際に本のカバーに現れた「謎」の文字を調べてみる。Amazon.co.jp で、「謎」で和書を検索して、頭から表紙に使われている字体を見てみた。(本文が表紙と統一されているかどうかは、わからないが、簡単に確認できるので、表紙を調べたのである)
<一点のもの>
「謎の彼女X3」(講談社)
「結婚の謎」(アチーブメント出版)
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(静山社)
「新・古代史謎解き紀行継体天皇の謎 信越東海編」(ポプラ社)
「科学の謎」未解決ファイル (PHP)
「鉄道地図の謎から歴史を読む方法」(河出書房新社)
「知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎」(実業之日本社)
「名探偵コナン推理ファイル 日本史の謎〈2〉 (小学館)
「巨大高層建築の謎 古代から現代まで技術の粋を集めた建造物のおもしろさ」(ソフトバンククリエイティブ)
「人工呼吸療法における30の謎」(克誠堂出版)
「えっ?本当?!地図に隠れた日本の謎」(実業之日本社)
「「9.11」の謎 続」(金曜日)
「韓国時代劇66の謎」(TOKIMEKIパブリッシング)
「謎を解く人びと - 数学への旅」(シュプリンガー・ジャパン株式会社)
<二点のもの>
「謎001」(講談社)
「謎手本忠臣蔵」(新潮社)
「謎の会社、世界を変える。―エニグモの挑戦」(ミシマ社)
「ビートルズの謎」 (講談社)
「哲学の謎」 (講談社)
「視覚世界の謎に迫る―脳と視覚の実験心理学」(講談社)
「法隆寺の謎を解く」 (筑摩書房)
「日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント」(清流出版)
「知能の謎 認知発達ロボティクスの挑戦」(講談社)
「謎の大王継体天皇」(文藝春秋)
「フランス7つの謎」(文藝春秋)
「謎とき日本近現代史」(講談社)
「謎解き 広重「江戸百」」 (集英社)
「童謡の謎―案外、知らずに歌ってた」(祥伝社)
「謎解き フェルメール」(新潮社)
必ずしも、二点ばかりが優勢というわけではないようだ。
面白いのは、講談社で、アフタヌーンKC(コッミク)の「謎の彼女」が一点なのに対し、他は二点である。小学館では、名探偵コナンの関連書籍が一点であるが、別途調べてみると、「逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎」などは二点である。小学館や講談社は、一点と二点を使い分けているのかもしれない。
書籍の場合、写植を使うと二点、DTP を使うと一点になりやすいなどという事情があるかもしれない。
それにしても、どうして漢字の字形・字体の話になるとすぐケンカになるのかなあ。
私の浅い認識によれば、活字の字形・字体というのは、
1 唐の時代までに漢字は手書きしやすいような形に整えられた(易しく) 「曽」がその例
2 活字は伝統的な手書き文字でなく、清の時代の「康煕字典」に範をとった。(難しく)「曾」
3 戦後の活字の簡易化の方向は、手書き文字を範として進められてきた。(易しく) 「曽」
4 最近、活字の簡易化が行き過ぎたと考える人たちが多くなってきた。(再び難しく) 「曾」
という順序で推移していた、これだけ見ると活字デザインの流行にすぎない。
ネクタイの幅が広くなったり狭くなったりするのと同じで、易しくなったり難しくなったりするだけだ。
真剣にケンカをするほどのこともない。
ところが、だんだん活字が権威を持ってきて、これをただのデザインの流行では済ませられぬと考える人が増えてきたのである。
その結果、伝統的手書き文字を範にすべきだという単純文字派と、康煕字典を範にすべきだという複雑文字派が、この権威の取りっくらをはじめた。これに、一般の人も愛着だのノスタルジーだのをかかえて参戦したものだから、もう手がつけられない。徳川家康と西郷隆盛のどちらが偉いかでケンカをはじめたみたいなものだ。
私としては、活字など読めれば良い。そもそも活字の権威なんぞ認めないから、どちらでもいいのである。そのかわり、自分が手書きする文字は勝手にやらせてもらおうと考えている。
そこで、新たに加える字のしんにゅうの点をひとつにするか二つにするか、論が割れているとか。
文化庁が提示した 2 点という案は、現行の活字に合わせるという趣旨だそうだ。これに対して、一貫性が欠けて教育上も問題があるというのが、1 点派の主張らしい。二点派といっても、手書きをするときは一点でもよろしいという積りだそうである。
実際に本のカバーに現れた「謎」の文字を調べてみる。Amazon.co.jp で、「謎」で和書を検索して、頭から表紙に使われている字体を見てみた。(本文が表紙と統一されているかどうかは、わからないが、簡単に確認できるので、表紙を調べたのである)
<一点のもの>
「謎の彼女X3」(講談社)
「結婚の謎」(アチーブメント出版)
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(静山社)
「新・古代史謎解き紀行継体天皇の謎 信越東海編」(ポプラ社)
「科学の謎」未解決ファイル (PHP)
「鉄道地図の謎から歴史を読む方法」(河出書房新社)
「知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎」(実業之日本社)
「名探偵コナン推理ファイル 日本史の謎〈2〉 (小学館)
「巨大高層建築の謎 古代から現代まで技術の粋を集めた建造物のおもしろさ」(ソフトバンククリエイティブ)
「人工呼吸療法における30の謎」(克誠堂出版)
「えっ?本当?!地図に隠れた日本の謎」(実業之日本社)
「「9.11」の謎 続」(金曜日)
「韓国時代劇66の謎」(TOKIMEKIパブリッシング)
「謎を解く人びと - 数学への旅」(シュプリンガー・ジャパン株式会社)
<二点のもの>
「謎001」(講談社)
「謎手本忠臣蔵」(新潮社)
「謎の会社、世界を変える。―エニグモの挑戦」(ミシマ社)
「ビートルズの謎」 (講談社)
「哲学の謎」 (講談社)
「視覚世界の謎に迫る―脳と視覚の実験心理学」(講談社)
「法隆寺の謎を解く」 (筑摩書房)
「日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント」(清流出版)
「知能の謎 認知発達ロボティクスの挑戦」(講談社)
「謎の大王継体天皇」(文藝春秋)
「フランス7つの謎」(文藝春秋)
「謎とき日本近現代史」(講談社)
「謎解き 広重「江戸百」」 (集英社)
「童謡の謎―案外、知らずに歌ってた」(祥伝社)
「謎解き フェルメール」(新潮社)
必ずしも、二点ばかりが優勢というわけではないようだ。
面白いのは、講談社で、アフタヌーンKC(コッミク)の「謎の彼女」が一点なのに対し、他は二点である。小学館では、名探偵コナンの関連書籍が一点であるが、別途調べてみると、「逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎」などは二点である。小学館や講談社は、一点と二点を使い分けているのかもしれない。
書籍の場合、写植を使うと二点、DTP を使うと一点になりやすいなどという事情があるかもしれない。
それにしても、どうして漢字の字形・字体の話になるとすぐケンカになるのかなあ。
私の浅い認識によれば、活字の字形・字体というのは、
1 唐の時代までに漢字は手書きしやすいような形に整えられた(易しく) 「曽」がその例
2 活字は伝統的な手書き文字でなく、清の時代の「康煕字典」に範をとった。(難しく)「曾」
3 戦後の活字の簡易化の方向は、手書き文字を範として進められてきた。(易しく) 「曽」
4 最近、活字の簡易化が行き過ぎたと考える人たちが多くなってきた。(再び難しく) 「曾」
という順序で推移していた、これだけ見ると活字デザインの流行にすぎない。
ネクタイの幅が広くなったり狭くなったりするのと同じで、易しくなったり難しくなったりするだけだ。
真剣にケンカをするほどのこともない。
ところが、だんだん活字が権威を持ってきて、これをただのデザインの流行では済ませられぬと考える人が増えてきたのである。
その結果、伝統的手書き文字を範にすべきだという単純文字派と、康煕字典を範にすべきだという複雑文字派が、この権威の取りっくらをはじめた。これに、一般の人も愛着だのノスタルジーだのをかかえて参戦したものだから、もう手がつけられない。徳川家康と西郷隆盛のどちらが偉いかでケンカをはじめたみたいなものだ。
私としては、活字など読めれば良い。そもそも活字の権威なんぞ認めないから、どちらでもいいのである。そのかわり、自分が手書きする文字は勝手にやらせてもらおうと考えている。