聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

臨床研修目標の達成度評価について 

2010-04-23 20:31:50 | 指導医日記
今日は以前にも紹介した
厚労省のHPよりのご案内
臨床研修の到達目標(臨床医としての適性を除く)の達成度の評価についての意見とその解説です
まずはこんな意見
回具体的に触れられていない経験項目の必須条件について明確な修了要件の説明をお願いします
「~が望ましい」等の表現部分についての補足説明を含む)その具体例として、
1.経験すべき症例に関しては、88項目のうち70%以上となっているが、組合せ等は無条件で62項目以上を経験すればよいのか?
2.特定の症状・疾患に関して30件、外科で1件、CPCで1件の計32件のレポートが求められているが、これはすべて必須なのか?

それに関する解説がこれ
1については、経験が求められる疾患・病態88項目のうち、
(1)A疾患とされている10項目については、必ず入院患者を受け持ち、症例レポートを提出する必要があり、
(2)B疾患とされている38項目は、必ず外来診療又は受け持ち入院患者で自ら経験する必要があり、
(3)(1)(2)以外で14項目以上を経験する必要があります。
2については、お考えのとおりです。


ま~その通りデスヨね
聖マリアンナ医科大学では明確にそのことを最初のオリエンテーションで説明
もちろん本学で研修している研修医はそのことは十分に理解してます
だから研修途中でもちゃんと自分で計画的に研修してます
はい

さて次の意見は・・・・
(研修において)達成度は、研修医の能力だけによるものではないので、今後の後期研修で、確実に達成できれば、研修修了(予定)としてもよいものと考えるがいかがか?
これについてははっきりとこのように解説されてます
医師法に基づく臨床研修の修了基準であり、それに続くいわゆる後期研修をも考慮することは矛盾しています。臨床研修の目標は2年間の研修プログラムにより達成することが前提であり、達成できなければ期間を延長してでも修了させる必要があります。

つまりちゃんと計画的に臨床研修を修了させよ!
ということそりゃそうだ・・・・そう思うヨ

そしてこいつは非常に問題となる意見
研修病院はあくまで2年間の研修を修了認定できるかどうかの判断のみをするべきで、臨床医としての適性の有無を研修病院に判断させるのは無理があるのではと考える。指導・教育をしたにもかかわらず改善が無く「研修医が医療の安全を確保できない、患者に不安を与える」場合には、「到達目標を達成していない」の判断を下すのみにとどめ、未修了の理由の詳細として「研修医が医療の安全を確保できない、患者に不安を与える」と記入すべきと考える。その上で、当該研修医から研修継続の要望があった場合は、厚生労働省が再教育を行い、臨床医としての適性を判断するべきだと思いますが・・・・どうでしょう?
う~ん聖マリアンナ医科大学でもいろいろ考えています
それについてはこのような解説がされてました
現行制度においては、医師としての人格涵養を基本理念に掲げ、到達目標にも医療人として必要な基本姿勢や態度を行動目標に設定しており、研修プログラムにおいてこれらを身に付ける研修が当然含まれているはずです。すなわち、臨床医としての適性の評価とは、到達目標の達成度の評価に含まれるものであり、当然臨床研修病院が判断すべきものです。ただし、単独の臨床研修病院において判断することは非常に困難なので、原則として少なくとも複数の臨床研修病院における臨床研修を経た後に評価を行うことが望ましいとしています。
 医師臨床研修部会でも議論になりましたが、筆記試験とは異なり、研修医の到達度等を正確に把握・評価できるのは臨床研修病院しかないという結論でした。したがって、地方厚生局は行政としての立場から相談に対応し、適宜、助言・指導等を行うものであり、臨床医としての適性の判断を行うものではありません。


実はこのあとかなりこのことに関してやり取りがなされています

そこで
個人的な意見です
あくまで個人的な意見なので誤解しないで下さい
まず『臨床医としての適正』とは何を示すのか?
まだ研修始まったばかりの最初の2年間
ここでレッテルを貼られてしまう?どうなんでしょう

これは医師国家試験を受験させる前の
卒前医学教育そこからの継続した問題だと感じてます
現状では進級判定試験=評価により十分な正しいフィードバックがなされていない
そんな気がしてます
つまり一度もちゃんと成長を促していない誤解して成長してきた
だとしたら・・・・・・ネ
もちろんこれは決して特定の大学を示すものではありません
そのために医学教育現場ではいろんな議論がなされているのですから
今もなお課題だと思います

そうなると臨床研修病院側としては
ちょっと意地悪な言い方をすれば
マッチングの試験の段階受入れの段階で見抜くしかありません
でもこれも難しいでしょうネ

だって医学部受験においては
予備校が彼ら彼女たちの学力に見合った偏差値で医学部を受験させているのであり
その医学部の校風や建学の精神を本当に意識して受験しているかは
甚だ疑問を持たざるを得ない受験生がいますからネ
あらゆる手段で面接のテクニックや小論文の書きかたを伝授しているわけですから

聖マリアンナ医科大学では30分間ひたすら質問しまくりますデス

あなたの目差す医師像とは何ですか?
この2年間でどうなりたいですか?


面白いことに面接評価点=マッチングの評価点はその後のポートフォリオ作成に影響してきます
ポートフォリオを用いて振り返りができているのかそうでないのか
そこに大きく影響していることが判ってきています
そうなると・・・・そうでない研修医には
頻回に面接を行う
ポートフォリオの作成を促すなんて工夫ができる
振り返りは成長を促します
このことはいろんな分野で専門職養成で示されています
つまり個々に個別化の指導につながります
そんな対応をするしかないと思ってます

ある塾の先生が出来の悪い学生の両親にこんなことを言ってました
私たちは教育のプロです!
成績が上がらないのは私たちにも責任があります!
私たちにも教育のプロとしての意地があります!必ず彼にあった勉強法を見つけます
だからお任せ下さい!

これを格好いい~なんて思っちゃうボクは変わってますかネ


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