エゾ中村のブログ

「藤圭子」から「現代医学の功罪」まで、思いの丈を綴ります。 ・・・ From 北海道 ・・・

「墓泥棒 は 正当化できない」

2021-05-16 08:12:28 | “アイヌ文化”関連

“泥棒”は、犯罪です! 子供でも他人の物を盗む事は、いけない(悪い)と分かっています。 “墓泥棒” と名指しするのは、事もあろうに日本各地の ‟国立大学” です。 ‟アイヌ人の墓”(土葬)を無断で掘り起こし、無数(1,600体)の頭蓋骨を持ち去ったと言うのですから 呆れます。 犯人は大学の職員か、依頼を受けた一般人か、定かではありません。 ただし、その目的は明らかです。 ‟アイヌ人” と ‟日本人” の遺伝子を分析し、縄文時代からの ‟血脈” の有無を調べたかったのです。 要するに「北海道蝦夷地は、縄文時代から日本固有の領土」と、アイヌ人の血脈を DNA によって証明したかったからです。 しかし その思惑は、あらゆる大学で研究を重ねても解明できなかったのです!

問題は ‟北大”・‟東大”・‟京大” が、独自の判断でアイヌ民族の遺伝子を調べたのか、疑問が残ります。 果たして、“墓泥棒” に 何のメリットがあるのか? エジプト の ピラミッド 盗掘ならば、研究価値が有るかも知れませんが、一アイヌ人の骨に価値が有るとは思えません。 強いて言えば、国が ‟日本の歴史” を書き換える為の暴挙です。「蝦夷地は 日本の先祖が開拓した。それを、科学的に証明て欲しい」 命令に応じた各大学は 、‟墓泥棒” を苦渋の思いで 選択したと思います。 いくら研究の為でも、墓泥棒 は許されない行為です! 

◎ ‟蝦夷地”で生きて来た「アイヌ民族」
 

2018年12月、“NHK・ETV特集”「明治維新から150年、北の大地に生きてきたアイヌ民族の苦難の歴史」で、アイヌ人の遺骨を北大から返還する先住民族アイヌの儀式が放映されました。 それは、戦争で散った邦人の遺骨返還とは、様相が異なるものでした。 当然です。 盗掘された 遺骨の返還です。「ご先祖様の遺骨を返してくれて有難う」と、言う筈がありません。 明らかに、北大側は “針の筵”(弁解の余地なし)状態でした。 北大を代表して儀式に参加した副学長は、首を垂れる事なく立ち竦んでいました。 そんな中、アイヌ民族の代表者は「謝罪しろ!」と一括しました。 決して、厳しい言葉ではありません。「申し訳ありませんでした」 その一言で許すと言っていたのです。 それでも 頭を下げず、儀式から立ち去ったのです!(過去の不祥事とは言え、礼儀を知らない “子供の使い” の様でした)

現在、北海道在住のアイヌ人は 把握している数、おおよそ 13,000人(2017年調べ)です! 間違いなく、‟旧土人保護法” の同化政策で、アイヌ民族は ほぼ滅びてしまった。 いや 日本国籍を与えられ、 身を隠す様に 日本(道外)や 海外 で 生き続けているのです。 故郷を追われた ‟アイヌ民族” の悲しい現実です!

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新聞によると、日本各地(北大・東大・京大など)に保管されているアイヌ人の遺骨 “計1,600体” を、盗掘された地域のアイヌ人に返還する手順(ガイドライン)を政府が示した様です。 返還時のトラブルを考え、政府が一定のルールを設けたのです。 何故、明治時代から続けて来た “墓泥棒” の不祥事を、今になって清算しようとするのか? 勿論、“東京オリンピック”の為です! 

2007年、国連で採択された「先住民族の権利に関する宣言」の中に、‟遺骨の返還” が盛り込まれているからです。 何も、アイヌ民族に対する政府の “思いやり”(人道)では無いのです。 ‟蝦夷地侵略” の正当性?を、世界にアピールする姑息な ‟パフォーマンス” です! 「遺骨は返しますが、土地も資源も返しません」それでは、国連も 世界も 認めません。

果たして 「尊厳ある慰霊」(遺骨返還)が、短期間で成し遂げるられるのでしょうか? 事は、簡単に治まる筈がありません! アイヌ民族への “屈辱” を、アイヌ文化に基づく地方振興(ウポポイ建設)で、癒す事は出来ません!


◎ ヒグマが暮らす環境は無くなった。(アイヌ民族しかり)

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