エゾ中村のブログ

「藤圭子」から「現代医学の功罪」まで、思いの丈を綴ります。 ・・・ From 北海道 ・・・

追悼「白衣の天使」

2021-08-14 08:22:54 | 日記
私は 昔人間ですので、メルヘン風な文章は書けません。 かと言って、単なる情報として言葉を連ねても、事の真実は伝えられません。 何卒 無骨な書き込みと考慮の上、読んで頂けると幸いです。 
追悼「白衣の天使」と言うのは、1997年・27歳 で亡くなった看護師 の運命を綴った日記の事です。 他界後に見付かったノートやメモを参考に、R の弟が編集し『 姉の日記 』と題してウェブサイトで公開したものです。 筆者と多少交流があった私が、故人 R の名誉の為に ほんの一部ですが紹介したいと思います。

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静岡県の女子高生 は、下校時に小さな ハチ に刺され、帰宅後に具合が悪くなったそうです。 娘の異変に気付いた母親は、迷わず病院に連れて行って治療を申し出たのです。 担当した医者は、軽症と判断し簡単な治療で処理したのが、そもそもの間違いでした。 R は、元々 喘息の アレルギー疾患 があった。 その R が、ハチ による 毒物反応 を起こしたのです。 アナフェラキシー・ショック は、スズメバチだけに起きる事故ではありません。 小さなハチでも、早急に適切な治療をしなければ、治るどころか命の危機に晒されるのです。  
 
案の定 R は、日毎に症状が悪化し、健康が失われたのです。 体調不良で大学進学の夢を絶たれた彼女は、前向きに生きる方策として医療を学ぶ為、看護師を目指し専門学校に方向転換しました。 しかし、看護師は いばら道 だったと思います。 健康体でも厳しい仕事が、病弱の身で勤まるのか? 努力と気力には限界があります! 看護師になって大きな病院に勤めましたが、何度も体調不良で入院を余儀なくされた。 それでも、退院後には 復職 を願い出た様です。 なぜ看護師に執着したのかと言うと、いつか自分を親身に診てくれる医者(星の王子さま)の出現に、淡い期待があったと思います?



そんな 夢物語 は、数年後に叶ったのです! R の前に、優しく頼もしい医者が赴任して来ました。 事情を知った若い医者は、彼女の為に適切な投薬プログラムをつくり、それに従った彼女は驚く程の快復を見せたそうです。 短かった R の人生で、最初で最後の幸せな日々だったと思います。 しかし、現実は厳しいものです。 彼女の夢は、優しい医者の転勤(1年弱)で消え失せたのです。 後任の医者は 前任の投薬プログラムに反対し、危険なステロイド剤の大量投与にシフトしたのです。

その結果は、最悪なものでした。 10年続けて来た治療が、短期間で振り出しに逆戻りした様です。 ステロイド剤の副作用の為に「苦しい 意識も気力も遠ざかる」  が自ら勤める病院に入院し、体の自由が日々衰えるのを実感したそうです。 そこで書いた日記が、自分の 不運 を綴っています。 運命の日記 として!

父と母に「先立つ不孝をお許し下さい。・・・・・」と遺言を残し、身内の誰もが重篤である事実を知らされないまま、27歳の看護師は自分の勤める病院の一室で、ロウソクが燃え尽きる様に 息を引き取ったのです。 病名は、多臓器不全による 敗血症 でした。 

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病気 とは、運命なのでしょうか? 現代医学 が健全であれば、少なくとも何らかの解決策があった筈です!  今すぐ、治療薬 や ワクチン をつくれと言うものではありません。 一人一人の症状に応じた医療を、誠意を持ってお願いしたいのです。 「白衣の天使」儚い命 が、医療の本質を訴えていると思います。