デリーのインディラ・ガンジー国際空港は世界最悪の空港の一つと云われていることを後から知りました。
ネパールへの旅を急に決めたので、ネパール関連の情報収集に集中し、経由地のインド関連情報収集にまで手が回らなかったのです。
それでも今こうして、何とか事なきを得て、ネパールへ向かう飛行機のタラップを渡っています。
エアインディアのシートに身を収めると、席のシートポケットにあった新聞記事にクリケットの写真が掲載されていました。
インドとスリランカの試合が行われたようです。
私はネットで飛行機を予約する時に、左手前方窓側の席を予約しました。
デリーからカトマンドゥ( カトマンズ )へ向かう飛行機の左側にヒマラヤ山脈が見えるはずなのです。
飛行機の窓に広がる、雪を被った8千メートル級の山々を想像していました。
しかし、何と云うことでしょう。
デリーを離陸した飛行機は、インド上空を東へ飛び続け、ネパールにはなかなか近づきません。
しかも、ネパール上空へ続く空は厚い雲に覆われ、飛行機はその雲を避けるように、インド領空を飛行し続けました。
離陸後1時間半ほど経った頃、飛行機は突然機首を北へ向けると、厚い雲の中へと降下を始めました。
厚い雲を突き抜け、険しい尾根に人家が点在する光景を垣間見ながら、更に飛行機は雨雲の中へと降下を続けます。
灰色の雲を抜け、着陸直前になって、雨に濡れたカトマンドゥの街が姿を見せました。
ネパールの首都のカトマンドゥ・トリブヴァン国際空港は、日本で云えば、北陸の地方空港を想わせる質素な佇まいでした。
飛行機から降りた乗客達は、ショルダーバックを肩にする欧米人の姿が目立ちました。
私はインドでの失敗を教訓に、最初に1万円をネパールルピーに両替しました。
1万円が9400Rs(ルピー)程のレイトでした。
入国審査が超スローペースで進み、フロアに長い人の列ができていました。
「郷に入っては郷に従え」です。
私は長い列に並びながら、意識の中の日本時計をネパール時計に置き換えました。
観光目的でネパールに入国する場合、滞在期間が30日以内であれば申請料として5千円ないし40US$をキャッシュで支払います。
滞在期間が15日以内であれば3千円か25US$ですが、何れの場合もクレジットカードやトラベラーズチェクは使えません。
それと顔写真が必要ですが、空港のフロアに写真屋が店を構えていました。
写真は二枚セットで400 Rsだと言うので、500 Rsを渡すと、そのままポケットに入れて知らん顔です。
お釣りは?と催促すると平然と「ない」との返事が返ってきました。
入国審査を終えて外へ出ると、タクシーの客引きが英語で声を掛けてきました。
宿は決まっているかと言うので、カトマンドゥ市内のタミル地区と答えると、700 Rsだと言います。
事前情報よりも高いと思ったのですが、市内への交通手段は、タクシー以外は現実的ではないとガイドブックに記載されていました。
雨も降っていたので、言われるままに金を払い、黙ってタクシーに乗り込みました。
この時にレシートを渡されましたが、そこには「空港プリペイドタクシーサービス」と記載されていました。どうやらこれが空港でのオフィシャルなシステムのようです。
タクシーの窓から、雨に煙る街を眺めながらカトマンドゥ( カトマンズ )市内へ向かい、ネット予約したタメル地区のゲストハウス「ドルフィン」にチェックインすることができました。
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