これまで設計した住宅の近くを通ることがあります。<o:p></o:p>
外観だけでもと思い、少し遠回りをしてみます。
外壁、汚れてないかな?とか、いろいろ考えながらですが
先日も、3年前に私たちが設計させていただいた住宅に立ち寄りました。
竣工以来、何度かよらせていただいているお宅ですが、
このお宅は見るたびに良くなっていきます。
どの住宅もそうですが、家に味わいが出てきます。
子供が親の顔に似てくるように、家もその家庭らしくなるんです。
設計の未熟な点も、お施主様の暮らし方で救われたりします。
こちらのお宅は、木部も丁寧にご自身で塗装されたり、メンテナンスもきちんとやられています。
大切に住んでいただいて、何よりです。
「竣工時より素敵な家」はやっぱり一番いいですね。
最近の写真
(周りに家が建ちました、木部の手入れも行き届いています。)
竣工時の写真
(両隣は空き地でした、出来立てで今に比べると落ち着かない感じです)
神田明神の前を通ったので、ちょっと参拝しました。
昭和9年に竣功の権現造り
日本初の本格的、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)です。<o:p></o:p>
権現造りは、江戸時代初期に発生した様式です。
拝殿と奥の本殿が一体的になっているところが特徴です。と言っても、参拝するだけだと分かりづらいのですが。<o:p></o:p>
神社の様式は大きく、
【平入り(神明造り;伊勢神宮など)】、
【妻入り(大社造り;出雲大社など)】、
【複合型】になり、権現造りは複合型となります。
この権現造りを、なぜSRC造なんかで作ったのでしょうか?
前社殿の関東大震災での焼失から10年後に再建した社殿ですから、どうにか不燃化・耐震化をしたかったに違いありません。
単にRC造りとせず、小屋組みに鉄骨をあえて使うところも、重量の軽減への工夫だったと思われます。
設計は和風建築の大御所の大江新太郎、早稲田大学大隈講堂で有名な佐藤功一が担当しています。
それにしても、軒裏や彫刻の数々が、コンクリートで作るのは、本当に大変だったというか・・・・<o:p></o:p>
「コンクリートで木造を表現する」というか、「コンクリートなのに木造に見せる」、
そもそもの考え方が時代性を感じさせます。
現代建築教育では「材料ならではの表現」が基本ですから。
全体のバランスや、朱塗りの華やかな美しさもこの建物の魅力ですが、細部もぜひ見てみてください、
これを型枠組んで、コンクリート流し込んで作るなんて、
想像を絶する、モノづくりへの執念を感じます。
当時でいえば「現代のスカイツリー並みの先端技術」で、
「桃山文化の華やかな権現造り社殿」を作り上げた先人はすごいですね。
ところで、ついでに隣の天野屋さんで、氷甘酒をいただきました。
最近の華やかな、かき氷とは違う、自然な麹の甘味のある素朴な味です。
都市型住宅だと、平屋なんかは滅多にありません。<o:p></o:p>
そうすると、住宅内では自然と階段が出てきます。
多くの方はマンションから戸建てへの移行が多く、その立体的な暮らし方に「期待」と「不安」をもっていらっしゃいます。<o:p></o:p>
土地をお買い求めのお客様がお持ちのチラシには、参考PLANなるものが小さく載っています。○LDKが入りますよというご案内です。<o:p></o:p>
でも、よく見ると入っているようで、入っていないものも多いのです。<o:p></o:p>
特に、移動空間をないがしろにしていることが多々あります。<o:p></o:p>
廊下はできるだけコンパクトに、居住空間に割り振って・・・・<o:p></o:p>
でも、階段はちょっと違います。<o:p></o:p>
階段の上り下りは、非日常の空間に演出したいものです。<o:p></o:p>
だから、ぱっと開ける「ピクチャーウインドウ」から、青空(夕日)の見える階段<o:p></o:p>
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空まで、続くような気持ちの良い階段、etc
「非日常」を上下に動く視線で演出しましょう。
また、ちょっと気分を切り替える、空間と考えてください。
寝室からリビングへ行くときなんかは、ステージに降り立つように
スキップフロアの階段は、パーティーベンチです。ちょっと腰かけてみてください。<o:p></o:p>
だから、階段は隅っこに追いやってはいけません。
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階段下が引き出しになっていて合理的?<o:p></o:p>
引き出しが確保できるよう、とっても急こう配?<o:p></o:p>
箱階段は可動できますが、実際、どこに動かくすの?<o:p></o:p>
よくよく考えると、不便・非合理的なもののように考えられます。
それは使いやすさを追求したものではないからです。
現代でいう「法規ぎりぎりの建築」、「法規とのすり合わせの折衷案」なのです。
私たちも、役所協議では、さまざまな事項の解釈で苦労しますが、昔の人もそうだったんですね。
江戸時代には本格的な2階建の商家は許可されていませんでした。
「武士を見下ろすことになる」というのが禁止の理由です。<o:p></o:p>
2階建てのできない商家に、階段があるはずありません!!!
そう、あくまで箱階段は、階段ではなく「箪笥」なんです。
現代でも、小屋裏収納(ロフト)の取り扱いなどは苦労します。<o:p></o:p>
小屋裏収納を書斎に使ったりしてはいけません、くれぐれも。
そんな、不心得のお施主様を減らすために、いろいろな行政では規制を強くします。<o:p></o:p>
(規制例)<o:p></o:p>
ロフトへの階段は、固定階段を設けてはいけない。はしごなどとする。<o:p></o:p>
まさに箱階段以来の考え方ですか??危ないのに・・・
ロフトにはTVやインターネットのジャックをつけてはいけない。
なるほど、無線LANの電波が届いちゃうのですが、どうしよう・・・<o:p></o:p>
ロフトにはエアコン等の空調設備をつけてはいけない<o:p></o:p>
収納整理で熱中症になりそう・・・・<o:p></o:p>
建築法規は、なかなか難しいと言われますが、「箱階段」を見ると、昔からみんな苦労しているんだなーと思います。
最後に、繰り返しますが、お施主の皆様ロフトで眠ったりしては、
決してしてはいけません。気持ち良くても、法的にダメですよ。くれぐれも
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FUJIFILMのカメラ使ってますが、先日レンズフードを装着!!
すると、純正のレンズキャップがつきません。
どうにか合うNIKONのものを購入。
でっかくNIKONのロゴ、どうもしっくりいかず、やすりで頑張って削りました。
意外と大変だったけど、どうにか問題ない範囲かな
私たち設計の賃貸ワンルームマンション完成しました。
大森と大森海岸の間あたりです。
6畳、2口ガスコンロ、魚焼きグリル付きキッチン、風呂トイレ別、バス乾付きです。
最上階はロフトもついてますよ。
賃貸されたい方ぜひどうぞ