
以下の紹介はコピペ
影響を受けたターンテーブル奏者クリスチャン・マークレーへのオマージュ作品集
マークレーは80年代初頭、ヒップホップのDJの文脈とは全く異なる方法でターンテーブルの即興演奏を始めたパイオニアであると同時に、現代美術を代表する作家でもあります。彼の演奏や作品に出会った衝撃が大友の原点の一つであると言っても過言ではありません。
マークレーと大友は80年代に出会って以来、今日に至るまで様々な形でコラボレーションを行なってきました。本作での大友はマークレーのレコードのみを使い彼独自の方法によるターンテーブルの演奏を行なっています。
「2022 年東京都現代美術館でのクリスチャン・マークレーの展示「Translating」のカタログに、大友が彼との出会いについての文章を寄せているので、ごく一部を引用します。
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レコードをパッケージに入れないこと。たったそれだけのルールを課すだけで、レコードがただのメディアであることを、わたしたちは単にスピーカーの 振動を聴いているにすぎないということを気づかせてくれる。レコード盤に傷がつき、そのノイズがバグとなって原音が損なわれる。たったそれだけで、 透明だったメディアの存在が露わになる。その上、レコード盤に刻まれている音自体にもレコード盤の傷によって生まれた音が最初から録音されていると なると、わたしたちはいったい何をノイズと規定したらいいのかすらわからなくなってくる。単に音の上でのノイズだけではなく認識の中に生まれるノイズ。 ―中略― そこから見えてくるのは単に音楽の中身に対する美学的な価値や評価だけではなく、音楽が置かれている状況そのものへの強い批評性であるって ことに、当時のわたしは大きな衝撃を受けたんだと思う。
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大友が80年代にクリスチャンのファーストアルバム「Records Without a Cover」に出会ったときの衝撃を書いたものです。 ただ音楽だけをやることを目指していた彼が、その後、音楽だけではなく、音楽を起点とした様々な活動(その中には一般の人とやる音楽の活動や、 震災後の福島での活動も含まれる)をするようになった切っ掛けは、若き日に出会ったクリスチャンの影響と言って間違い無いでしょう。
以下、大友の言葉を引用します。
『彼の作品はわたしに「自分が立っている 場所を疑うこと」と「外側から考えること」を教えてくれた。そしてそれを作品や演奏で実践することを教えてくれました。同時に若き日の私は、マークレーの強い影響 から逃れるのにも必死でした。辿り着いたのがレコードを使わずに、ターンテーブルそのものの音にフォーカスする演奏方法です。 そこからかなりの時間がたって、今となってはレコードを使おうが使うまいがどっちでもいいと考えるようになっています。正直にマークレーに影響を受けた 演奏をしてもいいとも。でも本当に残念なことに、いくら影響を受けていても結局彼のようには演奏できないなと今回改めて思ってもいます。それでもこんな アルバムを作ったのは、かけがえのない友人でもあるクリスチャンへの敬意を表したいと思ったからです。と同時に、ここには彼との出会いの中で築いてきた30年以上にわたるわたし自身の歴史が込められてもいます。その意味では自叙伝的なアルバムなのかもしれません』
1 Translating Marclay 15:02
タータンテーブルを回して鳴っているような音
レコード盤を乗せて擦れる音
エレクトリック・ギターの音色
プチプチ ノイズ
歌が聞こえてきたり
途切れ 途切れ スクラッチ ゴリゴリ キューン
坂本龍一の「CORO」っぽい感じもあったり
変化していく音の面白さ
シンセが鳴りっぱなしのアウトロ
2 Play like him 2:23
宅録された音源
エレクトリック・ギターの音かスライドしてくるレコードに刻まれた音か
回転しながら音が流れるとしたら、回転数が手動で早くなって遅く落ちていく感じもあったり
レコードを前後に動かしてスクラッチ
3 Don’t Stop Now 10:32
レコードに針を落としたプチプチに
スクラッチっぽく鳴る音
ゴロゴロ転がっていく音
強弱が入り混じってうねる
短音で鳴る音
ノイジーな音を繰り返す
4 Record Without a Cover B side 1:08
レコードが埃と擦れて鳴ってるような音が続く
B面に針を落とした時の音ということか?
5 Records with Covers 19:35
エレクトリック・ギターのリフ
声のような音
途切れて
静寂の中に 小さく鳴る音 レコードが溝をなぞってる摩擦音 シンセ
ノイジーな音の魅力がいっぱい
突撃のラッパ
映画の音からサンプリングしてるのかな?
レコードが埃を擦っているような音
ドローンっぽく鳴っている低音
6 One More Encore 4:01
宅録された音源
レコードが埃を擦っているような音
再生される音やメロディーの一部 途切れて繋がって
一定のグルーヴを生む