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存在する音楽

ジャンルに関係なく良いと感じた曲は聴く
誰かの心に存在する音楽は
実際に音が鳴っていない時にも聴こえてくることがある

寺尾紗穂 / わたしの好きな労働歌

2025-06-28 07:34:38 | album t

2025,6,25発売

歌詞カードには解説もあり、別に付属する「歌の生まれた場所で考える」というエッセイ

ライブで全国を訪れる中で見つけた楽曲や、アートプロジェクトのリサーチで出会った楽曲であるとのこと。古い歌は様々な理由で消滅していく。伝承されなくなるということは、日本文化の一部が消えていくことでもある。社会のあり様が変わっていく中で労働歌も歌われなくなっていく。寺尾紗穂のこうしたライフワークは貴重なものとなっている。

寺尾紗穂コメント

月ぬかいしゃなど一部の知られた曲を除き、 収録した歌の多くはすでにその土地でも忘れられています。なんとか歌を残そうとした40~50年前の人たちののこした記録によって、 出会うことができた曲たちです。ふるさとにかつてこんな歌があったのか、 と思いを寄せてもらえたらうれしいです。

あだち麗三郎/伊賀航/歌島昌智/大熊ワタル/音無史哉/折坂悠太/小林うてな/近藤達郎/チェ・ジェチョル/やぶくみこ/Altangerel Undarmaa

01. 佐津目銅山鉱夫
コントラバスと歌

島根県の銅山
「かんどがわ神戸川」という河川があり
神戸(こうべ)行こうと騙されて連れて来られた労働者たち

歌で始まる


02. エンヤマッカゴエン
PIANO、ドラム、ベース、篠笛
軽快なリズム

最上川、酒田の土産は何が良かろう?桃買って、飴買って来い

03. ずくぼじょ
この曲も軽快なリズムでタイトルを歌う

福岡 筑紫のわらべうた

ピアノ、ドラム、ベース、コーラス、ホーミー(モンゴルの歌い方)

04. ひとつとせ
ピアノ、アコーディオン、篠笛

駿河の富士紡績に
お金を稼ぎに来たが金は残らない
辛い思いを抱えながら
女工が各地を転々としていた様子がわかる

05. あらぐれ
折坂悠太の歌も入る
勢いよく歌う

ピアノ、ドラム、コントラバス、篠笛、スチールパン、ピアニカ、チャング、グンデル

正月十五夜の晩の行事で一升瓶に豆の殻を入れて「あらぐれ」を叫びながら、雪原に巻く東北の行事や、
土地によって呼び名が違ったり、内容が違ったりする行事も説明されている。

06. 浜子歌
ゆったり
ピアノ、ドラム、コントラバス、アコーディオン、スチールパン、ハーモニカ、チャング、グンデル
チェ・ジェチョルの歌

大三島(瀬戸内海)の塩田作業の時の歌

07. 田うない
ピアノ
音無史哉の笙

フラットな感じ

東京板橋区徳丸北野神社に伝わる2月の田遊び行事の中で歌われる。

08. せっせ
ドラム、ベースで始まる
ピアノ、ゴング、チベタンボウル、スリン

長野~愛知に県境地域に跨って伝わる盆歌

「腹のややこをもみさげる」という歌詞は他の類歌でも一番の歌詞として歌われているらしい。
間引きのことか?

09. 籠の鳥より
ピアノ、ハーモニカ、アコーディオン

女工の労働歌
男尊女卑の社会で親のいない娘ほど悲惨な扱いされている様子に
日本社会の闇の一部が浮かぶ

10. 宍粟の守子歌
ピアノ、パーカッション、ベース、クラリネット
で軽快なリズムで

兵庫県の守子歌
奉公先での貧しい食事など辛い様子が浮かぶ


11. 宿毛田植え歌
ピアノ、篠笛、ブク、バウワウドラム、鈴、米

リフレイン

かごめかごめ っぽい呪術的なものを感じる

12. 月ぬかいしゃ
ピアノで始まる
沖縄の詠み人知らずの古い歌

月の美しい夜、遊びょうら と浜へ誘う

13. 板橋の棒うち歌
アコーディオン、ドラムス、ベース、ピアノ
7名の掛け声 歌詞(~)に合わせて ~にどしたい

板橋の伝わる麦打ち歌
即興的に作っていったらしい。
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高木正勝 / MarginaliaⅦ

2025-05-06 11:50:29 | album t

2025,4,30発売
Marginaliaも7作目
レコードは録音時間の関係だろうけど、CDより曲数は少ない。
帯には
「2人目の男の子が妻のお腹で すくすく育った穏やかな時間。 妻が久しぶりにあの曲を弾いてと リクエストしてくれて 懐かしい曲が並びました。
無事にかわいい息子が生まれたら、 長年一緒にいてくれた白猫が この世を去りました。
しっかりと息を吐いて、吸って、吐いて。 まるで妻が息子たちを産んだ時のように。 最期の息をふぅーと吐き切って、そのまま、何処かで、 また命が生まれたように感じました。」
ちなみに、高木正勝さんのHPにはMarginaliaの作品
#整数
に関するものが記載されており、
例えば 雨音、小鳥・・・、どのアルバムに入っているのか。などがわかる。
雨音や小鳥の囀り、声やピアノの音色
このシリーズは一枚目から聴いているけど
馴染む
自然の中で生活するのは音的な環境として、その場と、都会の部屋とではかなり異なると思う。
もう曲名も曖昧な認識の中で 音が揺れる

01 Marginalia #142

02 Marginalia #143

03 Marginalia #144

04 Marginalia #145

05 Marginalia #146

06 Marginalia #147

07 Marginalia #149

08 Marginalia #150

09 Marginalia #151

10 Marginalia #152

11 Marginalia #153

12 Marginalia #154

13 Marginalia #156

14 Marginalia #159

15 Marginalia #166

16 Marginalia #167
 
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高木正勝 / うたの時間

2025-05-04 07:44:02 | album t

2025,4,30発売 をフラゲ

高木正勝の曲に歌詞を付けて
ゲスト・ヴォーカリストが歌うアルバム
ビルボード大阪と東京でライヴも(全員参加ではないけれど)行われる。

歌として聴いてなかった曲をこうして聴くと変な感じもするし、あんまり歌詞を気にして聴いてないから
まあありかなとも。


01 きときと with Hana Hope
原曲が好きで時々聴く。
サントリーのCMにも使われているので知っている人も多いだろう。

Hana Holeは高橋幸宏絡みで知ったような記憶がある。

ピアノとストリングスで始まり
ヴォーカルと共に奏でられる
shviという縦笛(アルメニアの楽器?)の音色に
ベースのリズムとパーカッション

軽やかで穏やかで少し哀愁も感じる声

02 Tanana with クレモンティーヌ
1963年生まれのフランス パリ出身の歌手 クレモンティーヌ
ボサノヴァやジャズや様々な国の音楽も歌うが、日本関連も多いようだ。



03 たねめみ with 寺尾紗穂
寺尾さんの作詞

ピアノとフェンダーローズ、チェロ
寺尾紗穂の曲になっている

トランペットも入って

お腹が空いたよ 
今日のご飯は何だろうか

04 ほしぼしのはら with アン・サリー
1972年8月17日生まれ 名古屋出身のシンガーソングライター
高木正勝とは「おかえりモネ」でも。

優しい歌声にフルートとピアノが馴染んで



05 朝には星を辿って with 角銅真実
角銅真実さんは、青葉市子さんのライヴで直に演奏や歌声も少し聴けた。

6:28
ピアノとフェンダーローズと優しいヴォーカル

演奏が心地よく

日本語、英語、スペイン語の歌詞

タイトルの歌詞

06 まだ生まれてもいない大地から with 寺尾紗穂
アカペラで始まる
ピアノ

音階が上がって 

07 少年と獣 with クレモンティーヌ
フランス語の歌詞
ピアノ、ベース、アコースティック・ギター、パーカッション
ちょっとコミカルなタッチもあって
原曲とは違ったフランス語の柔らかいタッチが良い感じ♪

08 風は飛んだ with アン・サリー
リュートっぽいブズーキという楽器
ピアノ、ヴァイオリンは高木正勝の曲によく合う
ベースとパーカッションも入って

優しいアン・サリーの歌声に包まれて

あたらしい世界へ 君を誘うメロディ

09 おかあさんの唄 with Hana Hope
英語歌詞のヴォーカルとピアノ
ヴァイオリン
アンタラという葦の空洞に吹き込んで鳴らすペルーの楽器

OO OO OO

まだ見ぬ我が子へ

10 Rainy Steps with 寺尾紗穂

ピアノ
童謡っぽくも聞こえるヴォーカル
角銅さんのマリンバ
カリンバ

ロシア連邦内の中央アジアのトゥヴァ共和国での二胡のような弦楽器 イギル
伸びやかな長閑な感じ

11 コスモス with クレモンティーヌ
アコースティック・ギター
フランス語のヴォーカル
ピアノ

戦争と平和について考える

12 雨上がりの家 with アン・サリー
ストリングスとピアノに導かれる
優しいアン・サリーのヴォーカルに

雨上がり

子供たちが歌っている

13 祝祭 with 角銅真実
マリンバで始まる

アコースティック・ギターが入って来て
ドラムス
ベース
ピアノ

ミニマルな要素もある

口で風を表現
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高野寛 / Modern Vintage Future

2025-02-02 00:27:29 | album t

2024,11,27発売
高野寛の35周年アルバム
ずっとアップしていなかった。
諸事情でアルバムが届くのが遅れた。
YMOが好きな人には、グッとくるものを感じると思います。

自伝的な著作 『続く、イエローマジック』 も買って読んでいるが、
録音、演奏に興味を持った話やYMOに影響されただけではなく、高橋幸宏が深く高野寛のデビューするに至る経緯に関わっていたことなど。アルバムの話、ツアーの話
合わせて読まれると良いと思います。

以下は HPからコピペ


輝いていた「あの頃の未来」と「これから」を繋ぐ、モダンポップ。

高野寛デビュー35周年記念アルバム
5年ぶりのフルアルバム
作詞・作曲・編曲・録音:高野寛 ミックス:AOKI Takamasa マスタリング:砂原良徳/コロナ禍を経てなお混沌とした世界に向けて放つアルバム
35年目初の試み、YMOへのオマージュに溢れる全編エレクトロを基調にしたトラック
初の自作英語詞曲3曲と、インスト2曲を含む全11曲 (CDはボーナストラック含む全15曲収録)
CDのみボーナストラックとしてインスト4曲を収録
豪華フォトブックレット仕様

1. Loop~始まりと終わり (instrumental)
プログラミングの音
1小節ごとに転調
12小節で1周して最初に戻る

アルバム・ジャケットをイメージしながら聴いていた

2. 青い鳥飛んだ
Twitterは青い鳥だった Xになってしまった

高野寛らしい歌声
軽快だけでもなく

本当も嘘も混ざり合い
SNSを考える曲にもなるかな
「火星の果てまで」

3. 僕ら、バラバラ
坂本龍一の「Living In The Dark」が過る

散りばめられた音
グルーヴ

4. Isolation
コロナ禍で病と闘いながら生きている様々な人々を思い浮かべて書かれた曲

様々なリズム
反響するような音
低音の滲み

カラッとしたヴォーカル

気持ちと同調するグルーヴ

「火星より遠い未来」

5. The River
イントロから「浮気な僕ら」や2007年あたりのYMOも感じる

英語歌詞
エコーの掛かったヴォーカル

伸びやかなシンセの広がり

6. Moment & Eterrnity (instrumental) 1:05
Ars longa, vita brevis「芸術は長く人生は短し」
坂本龍一が最期の言葉として引用された言葉にインスパイアされたタイトルらしい

TBTRSという曲が原曲



7. Play ▶ 再生
「サウンド&レコーディング マガジン」40周年記念号のための書き下ろし曲

エレクトリック・ギターのサウンドと打ち込み

8. Head's Talking
エレクトロニカなリズムで始まる
シンセの音色がうねる

テクノデリックなタッチも楽しめる♪

ポップなんだけど、癖のある曲
英語歌詞

9. サナギの世界
コロナ禍でふさぎ込んでいる世界と重なるのかも。

ゆったりと歌う
エレクトロニカな曲
端々にYMOを感じる

10. STAY, STAY, STAY
STAY HOMEで会いたいけど会えない

このままSTAY STAY STAY

思わず口ずさむ♪

11. Windowpane
ロックダウンの世界でイタリアではオペラ歌手がアカペラを家並みの中で歌っていた
シーンを回想して、大人の世界は以前とは変わってしまっているけど動植物や子供は変わらない様子を散歩していて見ていたとのこと。

エレクトリック・ギターの一音一音を爪弾く音色
シンセの音色
リズム

やがて英語歌詞のヴォーカル


[Bonus Tracks]
12. #105remix (instrumental)
プログラミングで作ったエレクトロニカな感じだけど
リズムの感じや音が面白く飽きない

13. 20200102 (instrumental)
坂本龍一の「12」で表現された作品の完成した日付がタイトルになっているような感じ。
ミニマル・テクノ

坂本龍一の「Variety Show」っぽいんかなと思ったりしたイントロ リズム
言葉では表現しにくい音の説明だけど、澄んだ空気に鳴っているような音

14. Instant House (instrumental)
4つ打ち
レトロな感じのテクノの音色が心地よい

「NANGA DEF?」っぽさもあったり(再生YMO)

女声っぽい声でアウトロ

15. Breath (instrumental)
ベースピアニカの音にリズムを重ねた

ドローンっぽく鳴ってうねる音とリズム



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寺尾紗穂 / 北へ向かう

2025-01-11 14:47:54 | album t

2020,3,4発売 寺尾紗穂 8枚目のオリジナルアルバム

インタビューで
「歌はあちらとこちらを結ぶ橋なのだなと感じています。それは、生と死の間の橋であるとともに、過去と現在を結ぶ橋でもあります。文筆活動の方もそうなのですが、私の場合ばらばらのテーマを並べていくと、「見えないもの、見えにくいもの、ないことにされているもの」などに焦点をあてることが多いのだと気づきました。そして、歌もまた、いなくなったものや見過ごされている過去を現在に想起させる力があると感じています。世界は、今いる私たちで完結しているのではない、ということを人が思い出すような、そういう音楽や音楽の現場を作っていきたいです。」


参加ミュージシャン:
あだち麗三郎(ドラム、パーカッション)、伊賀航(ベース)、
池田若菜(フルート)、
歌島昌智(民族楽器)、
キセル(辻村豪文と辻村友晴による兄弟ユニット。編曲、ギター、ベース、コーラス)、
北山ゆうこ(ドラム、コーラス)、
ゴンドウトモヒコ(ユーフォニアム、フリューゲルホルン)、
千葉広樹(バイオリン)、
蓮沼執太(編曲)、
マヒトゥ・ザ・ピーポー(ギター)、
U-zhaan(タブラ)


1  夕刻
石牟礼道子の作詞、寺尾紗穂の作曲
アンビエントなノイズが1分間続く

ピアノが静かに流れ
エレクトリック・ギターはマヒトゥ・ザ・ピーポー
高音のヴォーカルが静かに始まり

飛び続けている鳥が………死ぬ


2  北へ向かう
寺尾の実父・翻訳家 寺尾次郎の逝去(2018年)に際し、その日に書き上げたとのこと。

はっぴいえんど っぽさを感じる
コーラスとベースとドラムス
エレクトリック・ギター、ピアノ

キセル(辻村豪文と辻村友晴)のコーラス

私は今日も歌を歌う
今北へ向かうところ

鳥がとんでいく

新しい愛の歌があなたにも聞こえますように


3  一羽が二羽に
ピアノとヴォーカル

寄り添うだけで

フルートが優しく空気を包む

4  やくらい行き


5  安里屋ユンタ


6  君は私の友達


7  選択


8  そらとうみ


9  記憶


10  心のままに


11  夕まぐれ (エレクトリックギターバージョン)
『愛の秘密』に収録されていた曲で、原曲はピアノの弾き語り
“エレクトリックギターバージョン”として、マヒトゥ・ザ・ピーポーが演奏

 

 

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