仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

読書録(2022年11月)

2022-12-01 07:11:00 | 読書録(備忘)
 
11月の読書録(備忘) 

 
11月2日
『死ぬことと見つけたり』隆慶一郎
再読だと思ってだけど、初読でした。
第15話までで未完。
第18話で完結するはずだったようだ。
「葉隠」を読んでみたくなった。
隆慶一郎の描く男たちの、何と清々しいことか!

11月8日
『源氏物語 あさきゆめみし』(全5巻)大和和紀 時海結以
初読。
漫画を買ったつもりだったのに…
「あさきゆめみし」のノベライズ?だった。
つまり、原作・紫式部、原案・大和和紀、文・時海結以、ってことらしい。
あとでちゃんと漫画を買わないと。
(『源氏物語』を買うんとちゃうんかーい)
ともあれ、光源氏の愛した女性たちがいとおしい。
六条御息所への見方が変わった。
大和和紀の挿絵がなんとも美しい。
少年少女向け、もしくは62歳國文出身のジジイ(おいら)向けの「源氏物語」入門だ😄

11月9日
『錨を上げよ 出航篇』百田尚樹
初読。
作田又三。
僕より5歳年上だけど、彼の時代は僕と重なる。
70年安保の学生運動華やかなりし頃に中学生。
左翼思想にいかがわしさを感じる。
群れないけれど、我慢ということが出来ずに暴れてしまう、一匹狼のはみ出しもん。
中学、高校時代の喧嘩や冒険旅行、初体験と恋愛。
一緒にいたくはないけれど、はたから見ているうちに引き込まれていく。

11月11日
『錨を上げよ 座礁篇』百田尚樹
初読。
作田又三、1年留年して高校を卒業し、就職するも3ヶ月で辞める。
1976年、同志社大学入学。
下鴨に下宿するも、左翼学生団体と一悶着、岩倉!に引っ越す。
なんと岩倉!
僕が学生時代の5年間を脳天気に過ごした土地だ😄
1978年、3回生になり、ちゃんと大学に通うために上京区に引っ越す。
偉い!
「地の果て」岩倉、「京都のチベット」岩倉、岩倉には学生を怠惰にする魔物が棲んでいるのだ😄
ところが、突然、出奔して東京へ。
この男、わけわからん。

11月15日
『錨を上げよ 漂流篇』百田尚樹
初読。
雀荘でバイトをしながらの浮浪者生活。
ホストと知り合い、居候生活。
雀荘をクビになって、ホストに転身。かと思いきや見習い初日にケツをまくる。
ダッカ空港の日航機ハイジャック事件は1977年。おかしいな。
又三は3回生になっていたので1978年のはずなんだけど…
右翼団体の運送会社で働くことになるが、他の右翼団体への襲撃がイヤさに逃亡。 
住み込みのパチンコ店員。
レコード店でのクラシックレコード輸入と失恋。
北海道に渡り、納沙布岬でのウニの密漁。
ウォークマン新発売の記載があるので、1979年らしい。僕の浪人時代だ。
1980年の年が明けて25歳になったという記述があったので、又三は早生まれだとわかった。
なるほど、それで学年が想像より一つ上だったのか。
3月、密漁グループは解散となったが、自ら新たに密漁グループを結成。
1982年。又三27歳。
当初は独立自尊の特攻船だったが、ソ連と海保の締め付けが厳しくなり、心ならずもヤクザ組織の傘下に入る。
組織から抜け出す時の、ソ連監視船に追われて流氷の間を縫う逃亡シーンの迫力!
喫茶店のママ、白武久子に恋するも、過去にトルコ嬢(死語)だった経歴にショックを受けて、言ってはならない言葉を叩きつけてしまう。
口に出した言葉はもう取り返しがつかない。

11月18日
『錨を上げよ 抜錨篇』百田尚樹
初読。
1982年。
すべて失った又三は北海道を後にする。
大阪に戻って遊び暮らしていた又三が、ビリヤード場で働いている宇野保子に恋をする。
保子は島根出身で田舎臭さの抜けない22歳。
2度目のデートでキスをし、2泊3日の信州旅行で初体験。
旅行から帰った翌週に電撃結婚!
恋愛すなわち結婚という信条の又三ならでは。
無職の又三を深い愛情と尊敬で包み込む保子。ほんまにええ子やなぁ。
就職活動中に、ばったり学生時代の友人・柿本と会い、放送作家への道に踏み入れる。
ああ…
保子の不倫…
そして離婚。
1985年、又三30歳。
タイ、バンコクでの8ヶ月間の自堕落な生活と活劇。
男による「女性の商品化」はなにも売春・買春だけではない、妻の過ちを許せないのもそうだという影山の言葉は含蓄がある。
そうか.「トルコ」が「ソープ」に変わったのはこの頃だったっけ。

11月20日
『慰安婦』小林よしのり
初読。
「帝国陸軍により強制連行された従軍慰安婦」という虚構を、資料に基づき完膚なきまでに論破している。
これを読むと、宮沢、河野、安倍がいかに真実から乖離した政治的な愚行をしたのかがよくわかる。
軍により強制連行されたことを示す資料が見つからないと、慰安所の運営に軍が関与したことをもって非難する左翼。ゴールポストを動かす論旨はまさに韓国のお家芸だが、その先鞭をつけたのは日本人の左翼たち。
そもそもこの問題は吉田清治のウソを朝日新聞が取り上げたことに始まる。
吉田清治がフィクションだと認めてからも朝日新聞は誤報だったことを認めず、やっと認めたのは2014年。
この20年でどれだけ日本の国益を損なったことか…

11月23日
『どくとるマンボウ青春記』北杜夫
これまで何度読んだかわからない、僕の愛読書。
初めて読んだのは1973年、中学1年生の時。
弊衣破帽に朴歯の高下駄、バンカラな旧制高校生に憧れた。
そのあまり、高校山岳部の夏山合宿のミーティングに朴歯の高下駄を履いて出かけたら、新京成電車の揺れに耐えきれず、盛大にこけたものだった。
旧制高校の寮生活への憧れ。
大学を選ぶときに、名高い寮のあるところに行きたかった。
北大恵迪寮、東北大日就寮、京大吉田寮…
晴れて京大に入学して、憧れの吉田寮を見に行ったが、その凄まじさに怯え、かつまた学生運動の巣窟でもあるらしいことにもビビり、岩倉の学生アパートに隠棲したのだった。
大学から遥かに遠いこの学生アパートの住人は産大と同志社の学生で、いつも麻雀をしていた。
お蔭で僕が1回生のときに取得した単位は9単位のみ。
保健理論と何かの教養の講座2つで、英語とドイツ語の単位はゼロ。
旧制高校の猛者もかくやといった惨状だった…

11月28日
『老いてこそ人生』石原慎太郎
初読。
最終章での三島由紀夫の自決に関する考察が興味深いが、肉体という一面のみからの視点なのが単純すぎて残念。
ただ、老いを見つめて味わい尽くすというのはいいかも。

11月28日
『孤高のメス』外科医当麻鉄彦 第1巻 大鐘稔彦
再読。

11月29日
『孤高のメス』外科医当麻鉄彦 第2巻 大鐘稔彦
再読。

11月30日
『孤高のメス』外科医当麻鉄彦 第3巻 大鐘稔彦
再読。 
 
 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コスタリカに敗けるとは… | トップ | スペインに勝って決勝トーナメント進出... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿