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仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

【昔の手帳から】 4月8日 (80年:初「しあんくれーる」、81年:發熱)

2011-04-08 00:07:53 | 昔の手帳から
【1980年】(1囘生)

家庭教師センター登録
原付免許申込み(長岡京)
「しあんくれーる」 レモンティー¥300
モギ、スギモト(Big Mother)
モギの下宿に泊る


家庭教師センターといふのは、まるで覺えてゐない。
後日3ヵ月ほど家庭教師をすることになるが、それは別の組織からの紹介だつた。
これについては後日。

原付免許申込みとあるが、原付は申込みしたらその日のうちに受驗出來た筈。
私は原付の試驗に一度落ちてゐるが、それがこの日のことだらう。
周圍から學生で落ちるヤツはゐないと云はれてゐたし、私自身殆どの問題に自信を持つて答へられたので落ちる筈はないと思つてゐた。
しかし、どうしたわけか、結果は不合格。
ほんたうに不合格とは俄かには信じられなかつた。
合格發表の時、合格者の番號だけ明るくなるのだつたが、私の番號が明るくならなかつたので、不合格者の番號が明るくなるのかと思つたほど。
マークシート方式のテストで、私はHしか持つてゐなかつたのでそれを使つた。
たぶん薄過ぎて讀み取りエラーが出たのだらう。
次囘はBを持つていつたら、ちやんと合格したので、讀み取りエラー説の信憑性が高いと思ふ。

ああ、 「しあんくれーる」
浪人時代に『二十歳の原點』(高野悦子)を讀んで、もし京都で暮らすやうになつたらぜひ行きたいと思つてゐたジャズ喫茶。
河原町通り荒神口、立命館大學廣小路學舍の前にあつた。
2階は薄暗く、立派なオーディオでジャズが流れてゐた。
この空間で高野悦子も時を過したのだなあ・・・
憧れの店に來られた喜びと、死を選んだ二十歳の女子大生への感傷と。
ああ、思ひだした。
この本は浪人時代に月に1度だけ會つてゐた私の初戀の人Hから教へて貰つた本だつた。

二十歳の原点 (新潮文庫)
高野 悦子
新潮社


「Big Mother」といふ名前は何となく覺えてゐるのだが、どういふ店かまでは思ひだせない。
おそらくパブかなんかだと思ふ。
モギ、スギモトともC高3年E組の同級生で、スギモトは前年に現役で入學したので2囘生。
理系のクラスだつたので、2人とも工學部だつたが、私は文轉(文系に轉向する意)し文學部へ。
この頃、この2人とはよくつるんでゐた。

市内で飮むと、足のない私は歸れなくなることが多い。
あ、岩倉もいちおう市内(左京區)か。
この時もおそらくそんな理由でモギの下宿に泊めて貰つたのだらう。




【1981年】(2囘生)

12:00 京都駿台 サトシ
印旛敗れる
發熱再び(37度3分)


サトシはC高3年E組の同級生。
彼も私と同じく理系クラスの異端兒で、文轉してゐた。
彼は3浪し、京都駿台に通つてゐた。
手帳を見ていくと、彼としばしば會つてゐるのに驚く。
受驗生でも息拔きしたくなるよなあ。

どうやら選拔高校野球の千葉代表は印旛高校で、その印旛がこの日負けたらしい。
この頃は千葉代表を應援してゐたやうだ。
私は、東京~千葉~京都~兵庫~大阪~兵庫と住ひが遷つてゐるので、いまは應援するところが多い。
そのなかで一番弱つちいところを應援してゐるかな?

5日に熱を出し、それがいまだに尾を曳いてゐる。
せつかく前日に6度5分まで下つたのだから、もう一日おとなしくしてればよかつたものを。
5日:7度5分、6日:8度3分、7日:7度3分→6度5分




【1982年】(3囘生)

ベートーヴェン PfソナタNo.17 「テンペスト」 (リヒテル)


リヒテルのレコードを買つたらしい。
リヒテルは私のお氣に入りのピアニスト。
私が彼の演奏を初めて聽いたのは、グリーグとシューマンのピアノ協奏曲が收録された、EMIのレコードだつた。
そのグリーグを聽いて、私は彼の虜になつた。
この日に買つた「テンペスト」も素晴らしい演奏。
冒頭の分散和音が特に素晴らしく、いきなり魂を掴まれる思ひがした。
B面はシューマンの「幻想曲」で、これもまた素晴らしい。
その後アルゲリッチやポリーニなどの素晴らしい演奏が登場したが、私にとつてはいまだにリヒテルのこの演奏がベストである。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
リヒテル(スヴィアトスラフ)
EMIミュージックジャパン







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Unknown (115siro8826)
2020-05-27 12:27:34
読ませて頂きました。
あの絶筆の文章は初めて読んだときの心象風景が……まんま甦りました。
真剣に真摯に生きなきゃとその気にさせられました。コメント有り難うございます。
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115siro8826さん (仙丈)
2020-05-27 22:28:10
ぼくは高校時代に山岳部でしたので、ワンゲルにいた高野悦子さんの最後の詩がこころに沁みました。

ああいう、みづうみの心象風景がよみがえります。

しあんくれーるが無くなってしまったのが残念でなりません・・・
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