仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「夏、19歳の肖像」 島田荘司

2006-09-03 20:52:05 | 讀書録(ミステリ)
「夏、19歳の肖像」 島田荘司

お薦め度:☆☆☆ /
2006年8月10日読了


昭和60年に刊行された作品に、全面的に手を入れて、新裝改訂版として刊行されたもの。
作者のあとがきによれば、「表現力が下手クソなくせに、全體の流れは妙にリアルで老獪でさへある」とのこと。

確かにその通りかもしれない。
しかし、私は主人公の少年に同情する。
表現そのものが拙くても、作者のこの少年へのまなざしは熱い。
從つて、多少のことには目を瞑つて、少年に感情移入することができる。

少年と女性。
これは、ミステリーといふ枠を越えて、ひとつの物語として味はふことができる。
いつの世においても、少年にとつて女性はミステリーそのものなのだ。



夏、19歳の肖像

文藝春秋

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