3月11日読了
『剣客商売 八 狂乱』 池波正太郎
1977年刊行
3読?4読目?
「毒婦」
小兵衛のやることなすこと総てかっこいい。酸いも甘いも噛み分けた年寄りならでは。
「狐雨」
このシリーズでは珍しいファンタジー。白狐の恩返し。又太郎、強くなれよ!
「仁三郎の顔」
ああ、仁三郎よ、かわいそうに…
3月15日読了
『剣客商売 九 待ち伏せ』 池波正太郎
1978年刊行
「秘密」
主君を討って出奔した滝口友之助。討手となったかつての同僚たちを何人も返り討ちにしてきた三年間はいかに辛かったことだろうか。
「討たれ庄三郎」
父の仇として討たれてやろうとする庄三郎。その背後には意外な事実があった。何とも遣る瀬ない物語。
「剣の命脈」
二台のカメラ。一つは志村又四郎を追い、一つは大治郎を追う。リアルタイムで二つの視点が交錯する、そんな映像的な手法が面白い。
3月17日読了
『剣客商売 十 春の嵐』 池波正太郎
1978年刊行
シリーズ初の長篇。
天明元年(1781年)師走。
あきやまだいじろうを名告る男が辻斬りをする。
さらに大晦日、老中・田沼意次邸の門番が、あきやまだいじろうに斬り殺される。
明くる天明二年(1782年)正月。
今度は松平定信の家来が、二度にわたり、あきやまだいじろうに斬り殺される。
田安家から奥州白河松平家に養子に出された件で田沼意次を憎んでいる松平定信だけに、田沼邸で剣術を教えている秋山大治郎への疑いは深く、ややこしい事態となるのだった。
傘屋の徳次郎の粘り強い張り込みで、辻斬り犯の住まいがわかる。
杉本又太郎に弟子入りした不二屋の芳次郎のお蔭で、辻斬りの正体が判明する。
この事件の裏には、両家の家臣を辻斬りすることで、定信と意次を互いに憎み合わせることを企図した黒幕がいた。御三卿、一橋治済32歳。
全篇通じて深刻な空気が充ち満ちているが、そんななかでもおはるの存在が時折ふわりと空気を和らげる。
なお、この年、天明二年(1782年)、田沼意次63歳。
小兵衛64歳、大治郎29歳、おはる24歳、三冬24歳。
3月20日読了
『剣客商売 十一 勝負』 池波正太郎
1979年刊行
「剣の師弟」
昔の弟子を自らの手にかけた小兵衛の悲しみや如何。
「勝負」
大治郎、気力の充実を欠き、谷鎌之助との勝負に敗れる。三冬が男児を出産。
小太郎と命名。(「初孫命名」)
「その日の三冬」
三冬が小兵衛に助けられたのが5年前、安永六年(1777年)、三冬が19歳のことだったと知れる。井関道場四天王時代。姿醜き岩田勘助あはれなり。
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