かごしま食文化研究会

 鹿児島県主催「平成19年度 かごしまの食文化を生かした地域づくり」受講生の情報交換ブログ

こだわり

2009-04-30 08:19:16 | Weblog
こだわり

 5月の節句が近づくと、鹿児島では あくまき という団子を作ります。
各家庭で作っていたが、最近では家庭で作るところは少なくなった。


 餅米を一夜アク汁につけ込み、孟宗竹の竹皮に包んで長時間煮る。
アクは木材を燃やした後に残る 灰 の汁。


 簡単に説明するとこれだけのことだが、こつがあり難しい。各家庭の味があり、もらって食べるのが楽しみだった。


 効率よく煮るためには、どうしても釜がネックになっていた。煮汁がほどよく対流する釜が欲しかった。何処の店を回っても、気に入った釜は無かった。長年探したが、どうしても見つからない。


 とうとう奮発して、特注することにした。
作ってくれるところが見つからず、探した。食品関係の機械製造会社なら作ることができるのではと思って探した。

 
 焼酎製造プラントを制作する会社に相談したところ、簡単に引き受けてくれた。大きさと形を話したところ、すぐに製造してくれた。ステンレスの分厚い板を使って作ってくれたので、貫禄があり重い。ほどよい対流が起こるように、釜底が工夫してある。初めて見たときは、変な形と思った。よく見ると、きれいに磨いて仕上げてあり、上品さのある芸術品。職人の話では、「半永久に使えるように作りました。」とのこと。


 昨日、早速使ってみた。いつも使っている釜は20リットル程度で、沸騰するまで1時間かかっていた。新しい釜は1.5倍程度大きくなっているが、50分で沸騰する高熱効率。さすがプロの作った釜である。熱効率がよく、私が思った通りの煮汁対流が起こる。長年焼酎製造技術で培った職人の腕には驚いた。

 あくまきの出来上がりは、もふんわりとした極上品。


 長年の夢を叶えてくれた、特注の釜。「職人の技」は素晴らしい。


 ここまで、「こだわり」ました。 満足。


 しかし、まだいただいてない「請求書」の金額が心配です。