週刊 新大土壌研

新潟大学農学部農学科 土壌学研究室の活動日記です 『週刊』を名乗っていますが、不定期に更新していきます

中国より(2) 黒河(ヘイハ)市から

2010-03-04 | 原田
3月2~3日には黒竜江省の北方にある黒河市に行ってきました。
チチハルよりさらに寒く、ホテルの情報では-20~-27度とのこと。


積もった雪もファインスノーの状態で、さらさらしています。溶けて凍るということがないので、道もあまり滑らず、その点では比較的安全です。


ここにきた目的は旧日本軍が遺棄した化学兵器によって汚染された土壌の採取です。遺棄化学兵器にはいろいろな化学物質が含まれますが、私たちの研究室では有機ヒ素をターゲットにその分解菌を探そうと考えています。

チチハル大学のヤン先生と地方政府のシャオさん、チャオさんの協力で、まずは遺棄化学兵器を見せてもらいました。





これらにはまだ掘りだして信管を外しただけで、化学物質の処理はされていないとのこと。そんな化学兵器が野ざらしになっている状態なわけです。

そして兵器が埋まっていたと思われる場所から土壌をサンプリングして帰りました。冬なのでまずはシャベルで雪をかいて、それから凍土をつるはしで掘るというたいへんな作業でしたが、その際にはチチハル大学のトン先生にたいへんお世話になりました。

これを日本に持ち帰って(もちろん輸入許可済みです)分析し、ある程度汚染物質の検討をつけてから分解菌の単離をしようと考えています。

実は他にも、実際に化学兵器が爆発した場所など、たくさんあるそうですが、雪深くて今回サンプリングは無理とのこと。「夏にまた来てね」と言われてしました。

その後無事にチチハルに戻り、1泊して南京へ。今回の中国行の第2の目的地、中国科学院南京土壌科学研究所訪問です。

ではまた。
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