週刊 新大土壌研

新潟大学農学部農学科 土壌学研究室の活動日記です 『週刊』を名乗っていますが、不定期に更新していきます

中国訪問(後編)

2010-09-30 | 原田
ちょっと遅くなってしまいましたが、9/5-10に行った中国訪問記の後編を書きます。

9/9にハルピン市郊外にある黒龍江省水利科学研究院の研究施設を訪問しました。

真ん中の白いシャツの方が副院長の司先生です。日本での留学・就業経験がおありで、日本語が上手な方です。

黒龍江省は中国最大の食糧生産基地で、この研究所ではコメ、ダイズ、麦などの穀物を初めとした農産物の一層の増産を目的に、主に水管理や劣化土壌の修復などについて研究を行っています。

研究所内には立派なライシメータ施設がありました。ライシメータというのは大きな植木鉢のようなもので、地中に埋めて使用します。


下の写真がライシメータの地下部分。深さ2m弱で、壁から土壌水分計やpH計などのプローブが差してあります。これらのプローブから得られたデータをPCに連続的に取り込み、あとで解析するわけです。


今回、司先生とともに中心となって案内をしてくれた※田所副所長の黄(ファン)さん。(※衣のなべぶたの代わりにうかんむり)


今月末に同研究所を訪問した野中先生によると、11月の終わり頃に黄さんが来日されるとのこと。その際には彼女の研究テーマであるアルカリ土壌の修復などに関してセミナーを行ってもらうことになりました。

いちおうこれで今回の中国訪問記はおしまいです。

第1回植物微生物共生と窒素固定に関するアジア国際会議(宮崎)

2010-09-22 | 原田
中国出張報告の途中ですが、今「第1回植物微生物共生と窒素固定に関するアジア国際会議 1st Asian Conference on Plant-Microbe Symbiosis and NitrogenFixation」に来ています。場所は宮崎の宮崎・青島パームビーチホテル。海辺のリゾートホテルでの開催です。

昨日のポスターセッションで森林土壌A層のシードバンクとAM菌を利用した自然植生回復について発表しました。


今回の参加者は世界各国から200名ほどとのことでしたが、そんな中で思いがけず学生時代の友人の劉さんと再会。


劉さんに会うのは8年ぶりくらい。現在台湾大学生物資源農学部助教で微生物資材や微生物肥料について研究をしているとのことで、今後の交流を約束しました。

中国訪問(前編)

2010-09-15 | 原田
9月5日から10日にかけて、中国黒龍江省に行ってきました。今年2回目です。

前回は3月で-27℃の中、凍土相手ではサンプリングもままならず(意地で採りましたが)。現地の方に「今度は夏においでね」と言われてすごすご帰ってきたので、今回はそのリベンジです。

まずは、チチハル市郊外の水田に行きました。

田んぼの真ん中に立派なヒエが生えてますね。

これを見て「もしや無農薬栽培?」と思ったのですが、稲株間に他の全く雑草は見えず。。。


ということでしっかり雑草防除をしているようです。ヒエ剤は撒いていないのか、撒いているんだけれど防除しきれていないのか。。。

そしてこちらは黒河市孫呉のダイズ畑。

こちらも畑の中には雑草の侵入なく、しっかり防除している様子。左手前に生育がとても悪い箇所がありますが、理由は分からず。


サンプリングの様子。日本と比べると厚着ですね(ちなみに孫呉は稚内よりも北にあります)。

ここで無数のやぶ蚊に襲われ、早々に退散しました。

黒龍江省ではイネもダイズももうすぐ一斉に収穫に入るとのこと。それが終わると長い冬に突入です。

後編では今回私が初めて訪問した黒龍江省水利科学研究院について報告します。