八重 山吹(ヤマブキ)太田道灌 2018.4.10
室町時代の武将、太田道灌(1432~1486)は、突然のにわか雨にあって農家で蓑(みの)を借りようとしました。
すると、娘が出てきて一輪のヤマブキの花を無言で差し出しました。
蓑を借りようとしたのに花を出されて道灌は内心腹を立てます。
後にこの話を家臣にしたところ、それは『後拾遺和歌集』の「七重八重 花は咲けども
山吹の実の一つだに なきぞ悲しき」の歌に掛けて、山間(やまあい)の茅葺きの家であり、
貧しく蓑(実の)ひとつ持ち合わせがないことを奥ゆかしく答えたのだと教わりました。
道灌は古歌を知らなかったことを恥じて、その後歌道に励み、歌人としても名をはせたといわれます。
八重 山吹(ヤマブキ)
Ophélie Gaillard, Bach, Prelude, Cello suite n. 1
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