100分de名著 『純粋理性批判』
第一回 近代哲学の二大難問
近代科学が勃興し始めた18世紀ヨーロッパ。近代人たちは二つの大きな難問に直面した。
「科学は本当に客観的な根拠をもっているのか」、そして「科学で世界の全てが説明できるとすると人間の価値や道徳などの居場所はあるのか」。
カントは、その根源的な課題に向き合うために、「認識が対象に従うのではなく対象が認識に従う」という常識を覆す視点を打ち出す。
そして、認識主体によって構成される世界を「現象界」と呼び、私達に経験できるのはこの「現象界」だけだとする。
その上で、人間が決して経験できない世界そのものを「物自体」と呼んで認識能力が扱える範囲外に位置付け、
これまでの哲学の誤りは全てこの「現象界」と「物自体」の混同から生じるとして、難問の解決を試みるのだ。
第一回は、「純粋理性批判」の執筆背景やカントの人物像も紹介しながら、カントが近代哲学が直面した難問にどう立ち向かったかを読み解いていく。
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