goodシネマ 全集
⑭ 映画『旅情』
アメリカの地方都市で秘書をしていた三十八歳のジェイン・ハドスン(キャサリン・ヘップバーン)は、欧洲見物の夢を実現し、ヴェニスまでやって来た。
フィオリナ夫人(イザ・ミランダ)の経営するホテルに落着いた彼女は、相手もなくたった一人で見物に出かけ、サン・マルコ広場に来て、喫茶店のテイブルに腰を下した。
しかし、背後からじっと彼女をみつめる中年の男(ロッサノ・ブラッツィ)に気づくと、あたふたとそこを去るのであった。
翌日、彼女は浮浪児マウロの案内で名所見物をして歩いた。
通りすがりの骨董店に入ると、そこの主人は昨日サン・マルコ広場で会った男だった。
Rossano Brazzi - "Summertime in Venice " 映画「旅情」 (1955)
映画「旅情」のラストシーンは、サンタルチア駅での別れの場面です。
ジェインが旅立つ決心をし、プラットフォームに立ちつくすレナートに手を振るシーンが有名です。
“パーティに出ても帰るタイミングがわからなくていつも長居しすぎた。
でも、あなたのお陰で私は成長したわ。今はわかるの、いつ去るべきなのか”
“おなかが減ったときにスパゲティを出されたら、ビフテキが食べたくとも、スパゲティを食べなさい”
歳をとって経験を積まなければわからない映画。
全てのシーンが美しく、せつない。
川、ゴンドラ、影、空、花、花火、映像で物語を語る。
悲しいけどこれでよかったと笑顔のラストシーン。
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