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HAPPY SLEEP

SUNDAY-FRIDAY

鳥肌実「42歳厄年夜逃げツアー」

2012-06-24 21:34:48 | stage
行ってきたすわー

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鳥肌実 

「42歳厄年夜逃げツアー」

於 東別院ホール
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約1年半振りの鳥肌さんの講演会.

政治ネタから芸能ネタから風俗ネタから自虐ネタまで,
いつもの鳥肌プラットフォーム.

「反吐が出るようなド左翼の中日新聞を名古屋市民の85%が読んでいるのでありますよ!」

「この日本のド左翼国家になってしまった諸悪の根源は何ですか!?」

「…2ちゃんねるのせいでございます」

「私のスレッドが22あるのでございますが,全部私の悪口でございますよ!」

「擁護のコメントはホントに数件でございます」

「しかもそのコメントは全て私自身が書いているのでありますが…投稿して1分足らずで反応が来ます」

「本人乙…と」

…と言いながら,爆笑の渦の中,自虐ネタは進んで行くのだが,
ライブ中にリアルタイムで書き込んだやつがいると言いながら,
取り出した携帯がGalaxy noteとGalaxy Tab(笑)
この期に及んで韓国製を持っている当たりもさすがだw

そして今回のネタで最も驚いたのが,
2ちゃんねるの書き込みで
「鳥肌実はシャブ中だ」
というのがあったらしく,それを鵜呑みにして警察が
家宅捜索にやってきて,部屋を散らかして帰ったという話だ.

しかも15~16人の警官が麻薬犬のラブラドールレトリバーを
連れてやってきたとか…。2ちゃんねるを情報ソースに警官が動いていることを
鳥肌さんが批判していたが,それは正論だろう.狂ってるわ,警察.

で,鳥肌さんの話では…

「捜査員がいちいち調べるわけですよ,本棚のエロDVDのパッケージを中身まで開けて」

「全部タイトルを読む訳ですよ.私の偏った趣味の熟女モノから獣姦モノからスカトロまで全部です」

「私の偏った性癖と趣味が中野署に全部保存されてしまった訳ですよ!」

「…これならまだシャブが見つかった方が良かったかなと」

…という形で落とすところもさすが.最後には,

「もうこうなったら2ちゃんねる上でブログを開設します!」

「鳥肌実の本人乙ブログでございます.2ちゃんねる上で呟いてやろうと思います」

…という感じで始まったライブだが,今回は政治ネタも宗教ネタも薄く,
自虐ネタが多かった気がする.過去の自身の栄光をネタにしたり,
芸能ネタのYouTubeの動画を挟んだりと,割とスタイルが新しかった.

今年の年末はもう無いのかな?あったら行くぜ!

百年の秘密

2012-06-24 20:04:28 | stage
遅ればせながらの観劇レポ.

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ナイロン100℃ 38th SESSION
「百年の秘密」

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:犬山イヌコ / 峯村リエ / みのすけ / 大倉孝二 / 松永玲子 / 村岡希美 / 長田奈麻 /
   廣川三憲 / 安澤千草 / 藤田秀世 / 水野小論 / 猪俣三四郎 / 小園茉奈 / 木乃江祐希 /
    伊与勢我無 / 萩原聖人 / 近藤フク / 田島ゆみか / 山西惇

於:イオン化粧品 シアターBRAVA!

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ここ数年観た舞台の中で一番面白かった!ほとんど映画だ.
映像の使い方も秀逸で感動.

ティルダ(犬山イヌコ)とコニー(峯村リエ)が主人公.

ティルダの屋敷の中央にそびえ立つ楡の木にまつわる,
2人の少女時代,結婚,出産,そして死後の2人の曾孫の登場まで,
百年間の三代に渡る重厚かつシリアスなお話.

その百年間を絶妙に時間軸をずらして描かれるため,
過去,大過去,未来,近未来…と,
ヒストリーテラーの語り部メアリー(長田奈麻)の記憶を辿る形で,
時代,というか局面が変わって行く.

その百年を通じた2人の主人公や,その周りの人物の事件やら事象やらの
「秘密」が,複雑に絡み合ってドラマを複雑に絡ませて変化させる触媒のようになっている.

とにもかくにも完成度の高い芝居だった….

それぞれのストーリーが,家族ができあがっていき,そして壊れていく展開.
温もりも描かれているが,そこには常に「秘密」による「影」が付きまとい,
手放しで幸せな世界が描かれていないのも面白い.

ここ数年のKERAさんの舞台では最高傑作なのではないだろうか?

かなり演劇っぽい演劇ではあったが,ひねり方が絶妙だった.

つい先月に観た大人計画の「ウェルカム・ニッポン」が,
本当にブラックな笑いに満ちて,ひたすら笑い続けた芝居だったのに対し,
今回のナイロンは笑い少なめであったが,驚くほどの高クオリティのドラマ仕立て.

観終わった後の「いやー良いもの観たなあ~」
という感動と満足感がすごかった本作品.
DVD化するらしいので予約しよう.

ウェルカム・ニッポン

2012-04-22 22:22:26 | stage
観て来たすわー

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大人計画 本公演

「ウェルカム・ニッポン」

作・演出:松尾スズキ

出演:阿部サダヲ 宮藤官九郎 池津祥子 伊勢志摩 顔田顔彦、
宍戸美和公 宮崎吐夢 猫背椿 皆川猿時 村杉蝉之介 田村たがめ、
荒川良々 近藤公園 平岩紙 アナンダ・ジェイコブズ 松尾スズキ、
青山祥子 井上尚 菅井菜穂 矢本悠馬

於 大阪シアタードラマシティ

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激オモシロ!!

終始笑いっ放し.
笑いのレベル,ここ数年の舞台でも
トップレベルだった.

細かいセリフの言い回し,てかセリフ自体で笑える
くらいのクオリティだった.
戯曲も買えば良かった,とすら思うが,
多分,舞台には敵うまい.それほどのクオリティ.

大人計画の何年かぶりの総出演ということもあり,
パンフレットを読むと,当て書きで相当苦労したみたいだが,
それぞれの個性は確実に出てた.スバラシイ.

ストーリーは,東京の下町(埼玉との境にある,わだち区)に米国から
自称ミュージシャンのエイドリアン(アナンダ・ジェイコブズ)が
恩人(元カレ?)の日本人男を慕ってやって来る.
しかし,彼は震災後,東北にボランティアに出かけたようだが,
変人ぞろいの住人は何かを隠すように話をそらす.彼女は不条理な不幸に見舞われる….

以上が大まかな流れだが,特筆すべきはそのシチュエーションだ.

そもそも,大人計画の劇団メンバー総主演と唄っていたのに,
主人公が外国人というのにも意表を突かれた.
その外国人の主人公アナンダが最初に出会うのが宮藤官九郎演じる
ダメ~な感じの個人タクシーの運転手なのだが,しょっぱなから濃い.
ヤンキー上がりの設定らしいがダメさ加減が上手過ぎ.さすがだ.

そしてそのまま,クドカンに思い切り田舎の,地方の
頭の悪いチンピラばかりのホストクラブであったり,
地元のダメ~な感じのヤクザやらの集まる昭和臭いスナック
の真っ只中に放り込まれるのな.

その昭和とアメリカ人というギャップに,さらに追い打ちをかけるように,
「震災直後」というシチュエーションも付け足され,
ストーリーの背景の濃さたるや凄まじいものがあった.

パンフレットを読むと,松尾さんはアメリカ人と日本人の
差別したり,されたり,というのを表現したかったらしい.
今思うと納得な感じだ.

しかもアメリカから来たばかりの自称ミュージシャンのアナンダが
スナックで疲労する楽曲がAMEMIYAまんまで,
「回転ハンバーガー始めました」
だし,スナックで客のみんなでビートたけしの「浅草キッド」を
物まねで唄い回すあたりの演出には爆笑,
マニアック過ぎる…。。。

でもってクドカン演じるタクシー運転手が「タクシードライバー」のデニーロに
憧れてると言いながら,「デニーロは個人タクシーじゃないけどね」と
言い放つ当たりの細かい笑いにはいちいち爆笑した.

平岩紙さんが終盤で叫んでいた「戦争も放射能も経験せずにヌクヌクと生きていた世代」
への罵倒もブラックで良かった.

他にも,不倫,淫行,万引き主婦,実はアナンダがヤリマン,などなど,
あらゆる設定が凄まじくオモロかった.
平岩紙さんの所属する演劇部で,いきなりキスの練習ばかりしてる当たりも
面白過ぎるし,アート系の笑いを皮肉ったネタも爆笑だった.

そろそろまとめよう.

地元のヤンキー上がりのチンピラやダメヤクザばかりの街,
というシチュエーション.松尾さんの得意ジャンルだ.
前作の「サッちゃんの明日」も下町の閉鎖空間でドラッグが蔓延してる
ブラックな話だった.

とにもかくにも,クオリティ高過ぎ!!

DVD化を切に希望だ.マジでよろしくお願いします!
もう一度観たい!!
 

龍を撫でた男

2012-02-12 22:55:24 | stage
観て来たすわー

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「龍を撫でた男」

作:   福田恆存

演出:  ケラリーノ・サンドロヴィッチ

キャスト:山崎 一、広岡由里子、緒川たまき、赤堀雅秋、
大鷹明良、田原正治、佐藤銀平、猪俣三四郎

於 :本多劇場

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いやー面白かった!スバラシイなあ~.

巨匠,福田恆存の代表作「龍を撫でた男」のKERAさん演出.
”オリガト・プラスティコ”というKERAさんと女優広岡由里子さんの
演劇ユニットの舞台だ.企画モノの演劇が楽しめるので,前回の
ウッディ・アレン原作の舞台「漂う電球」も観に行って非常に面白かった.

にしてもこの作品のすごいところは出演者が全員狂ってることだ.
そして初演は昭和27年(文学座)ということで60年前の作品なのだ.
とても昭和27年のお芝居には見えなかった…。。。

細かいセリフと言い,ハイブローな世界観といい,
まるでKERAさんの作品かと思えるようなブラックでシニカルな
悲喜劇だった.

ストーリーは,webから抜粋しよう.

10年前に不慮の事故で子供二人を亡くした,倦怠気味の精神病医夫妻.
孫の死で彼の母親は発狂.同居している妻の弟は情緒不安定.
ある元旦の午後,友人の劇作家が,女優である妹を伴って夫妻の家を訪れる――

そんな感じのあらすじ.精神病医が主人公なのだが,
最初の方は,観てるとその精神病医以外,全員が狂っているように
見えたが,徐々にその精神病医自体も狂っているように見えて来て,
最後は狂ってしまった,ように見えた.

人間的に色んなものが欠如した人達の,人間の業とかエゴとか欲望
のようなものがごちゃごちゃになっているが,極めてシリアス.
不思議な芝居だった.

恐らく,60年前のお芝居なのに,今観ても全く違和感が無く,
シリアスで乾いた感じのブラックさというトータリティは,
KERAさん演出によるものなのでしょう.さすがっすわ.

そして,輝いていたのは緒川たまきさん.
60年前の戯曲なのに,緒川たまきさんの当て書きでは?
と思えるほどピッタリな役柄だった.
これもKERAさんの演出なのか…だとしたらすさまじい.

でもセリフの中に「キチガイ」って単語が何十回も出て来てたのは,
恐らく原作によるものなのだろうけど,TVだったらピーピー言うだろう。。。

福田恆存戲曲全集 第二巻

に掲載されているらしいので買ってみようかな?

てことで,千秋楽を迎えて,さらにはDVD化もTV放送も
無いということなので,もう観ることはできないが,
良いモノをみせてもらった!満足!!

アイドル、かくの如し

2012-01-18 22:37:25 | stage
観て来たすわー

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「アイドル、かくの如し」

作・演出:岩松了

出演:宮藤官九郎、夏川結衣、津田寛治、伊勢志摩、上間美緒、

足立 理、金子岳憲、宮下今日子、橋本一郎、岩松 了

於:シアター・ドラマシティ

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遅ればせながらの舞台レポ.

もはや劇作家としてよりも,役者としての
存在で有名になってしまった岩松了さん.

三木聡さんのドラマやら映画でも常連になり,
いつの間にやら,CMにも出るようになった.
昨年観たクドカンの「Sad song for ugly daughter」
でも役者として,松尾スズキさんとコンビで
観客を湧かせに湧かせた.

そんな岩松さんの舞台,生で観劇したのはこれが初めてだが,
WOWOWで観たりしていたので,その世界観は知っていた.

生で観たらば,セリフの言い回しやら,会話のやり取りやら,
伏線の張り方やらがすさまじく巧妙で,完全に舞台に飲まれた.

うまいなあ~…、、、と唸らされた.
クールでスタイリッシュな雰囲気を作りつつも,
ウェットな笑いも散りばめられた割と映画っぽい演劇.

三谷幸喜さんほどテレビっぽいストーリー展開では無く,
ミニシアターっぽい,細かい,緻密な感じ.

ストーリーは,宮藤官九郎と夏川結衣の夫婦が経営する
芸能事務所「エンジェル」.

弱小プロダクションながら,所属タレント役の上間美緒が
人気アイドルとなり,人気が上昇しているところに
不倫スキャンダルが発生し,マネージャーやら
事務所の所属タレントやら,事務所の社員を巻き込んで,
ストーリーが複雑に絡み合って行く感じ.

それはもう良くできたストーリーだった.
めちゃオモロかった.世界に入ってしまった,

「役者・宮藤官九郎」の凄さも観させて戴いた.
本当に才能に溢れてるよなあ~…。。。
色んなやりたいことがあって,どれもこれも面白い.

てことで,今年一発目の観劇.
二発目の舞台は来月の三谷幸喜さんだ.
ここまではチケゲッツ済み.

春には松尾スズキさんもKERAさんの舞台もある.
この辺のチケットも押さえよう.

今年はそれ以外に,ヨーロッパ企画や劇団鹿殺しなんかも
観に行ってみよう.WOWOWで観て面白かったのは,
いくつか押さえて,趣味としてもっと確立させるか.


No art no life

2011-12-11 03:13:11 | stage
観て来たすわー

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ナイロン100℃ 37thSESSION
『ノーアート・ノーライフ』

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:みのすけ 三宅弘城 大倉孝二 廣川三憲 吉増裕士 喜安浩平
温水洋一 山崎一

於:シアタードラマシティ(大阪)

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良作.しかもかなりの.

この舞台は実は10年前の作品の再演なのな.
当時,東京まで観に行く金が無く,DVDを購入したのな.

で,DVDを観たらば涙が出るほど笑って,そして
愛おしい出演者達に感動して,個人的にはナイロンの舞台では
最も好きな作品になっていたのです.

ゆえ,ぜひとも生で観たいと思っていたので,今回,
その願いがやっと叶った…。。。

ストーリーは知っていたが,すごく楽しめたなあ~.

舞台は1976年のパリ.芸術家として一花咲かせようと
やって来た日本人がたむろするバーでの,うだつの上がらない,
ダメ~な感じの男達の物語.

愛おしくも哀愁漂う,おっさん達.
このダラダラとストーリーが進んで行く感じが良いし,
芸術も所詮は商業主義というリアルさも良い.

そして一生懸命,自身のやりたいことと,世間との折り合いを
付けようともがいている”自称”芸術家の男達の挫折と諦めには
虚しさを通り越して哀愁を感じる.

しかし,初めてDVDを観た10年前の自分は,ガッツリと
この”自称”芸術家の男達に感情移入していたが,今は割と
客観的に商業主義の中で,こんなことはありえるなあ~と
マーケティングやら話の構成やハイレベルなムービーなど,
シチュエーションコメディとしてのクオリティの高さに
ばかり目が行っていた.

詰まるところ,当時とは感じるものが違ったのな.

これが歳のせいなのか,時代のせいなのか,今の自分の
仕事がコマーシャリズムのど真ん中にいるからなのか…
よくわからんけれども,再演というものの面白さを
別の角度から感じたなあ.

てことで,傑作.
観たかったら初演のDVDが発売されてるのでぜひ.

奥様お尻をどうぞ

2011-09-04 22:41:14 | stage
観て来たすわー

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「奥様お尻をどうぞ」

■作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

■キャスト: 古田新太 八嶋智人 犬山イヌコ 大倉孝二 
     入江雅人 八十田勇一 平岩 紙 山西 惇 山路和弘

■会場:シアター・ドラマシティ(大阪)

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いやあ~…出鱈目喜劇だった.
そして非常にオモロかった.

かなりのナンセンス度数.
ストーリーとか皆無に近い.

誰一人として,ストーリーを進めようとする人がおらず,
あらゆる観客の予想を裏切るギミックだらけの舞台だった.

まず,開演なのに照明が落ちずに始まって,
「節電コント」の流れの中で省エネの流れで電気を消して行き,
照明も消したら真っ暗になった.

この時点でこの舞台の方向性が見えた気がする(笑)

でもってそのすぐ後には原子力保安院を皮肉った
原子力絶対安全協会の原子力コントが始まり,
終始,このネタは続いたなあ.

ストーリー,てかあらすじとしては,
主人公の夢子(平岩紙)が病院から抜け出して,映画の中に
飛び入り出演したというところから始まり,
それが彼女の夢の中で行われているため,
夢子を追って,探偵の古田新太さんと助手の犬山イヌコさんが
夢の中に入るが,実はその2人が夢子を誘拐した…とか.

でもって夢子の様々な夢の,様々なワールドがパラレルに
展開して,そのどれにも古田さんと犬山さんが絡む…という,
非常に演劇っぽい,てかKERAさんの劇団健康時代の舞台によくあった
夢の中とかイマジネーションの中の複雑なシチュエーションが
入り交じった設定だった.

でもそんな設定なんかどうでも良いくらいのナンセンスなコントの
オムニバスって感じの進行で,ただ笑うしか無かった.

特筆すべきは,コントとコントを繋ぐ秀逸なアニメーションだ.
「ほぼモンティ・パイソン」といえるクオリティの高い
紙切りアニメのCGには感動した….これはDVD買わなきゃだ.

他にもモンティ・パイソン関連では,ホーリー・グレイルの
門番コントや,空飛ぶモンティ・パイソンのデニス・ムーアなどの
オマージュも見られたが,モンティ・パイソンへオマージュを
通り越した愛が感じられたなあ.

その他にもイラストや動画を使った笑いもねじ込んであり,
さらには客いじりもあり,客席を役者が走り回ったりで,
とにかく規格外のノールールな舞台だった.

急に客席の女性にスポットライトを当てて,
「何なの!この芝居!本当にくだらない…」
と,観客の心の言葉のような放送をしたりしていたw

恐らく計算だとは思うが,本当にくだらないベタなセリフを
ある役者が放ち,それにかぶせる形でブラックな笑い,
そしてその上に,ずっと切れ味のある笑いをかぶせて,
大中小の笑いをこれでもかって感じで詰め込んでたな.

そんな手法でナンセンスコメディの黄金律の「突っ込み不在」を
際立たせていた気がする.

そしてエンディング付近での人生(電気グルーヴの前身)の名曲
「オールナイトロング」を全員で合唱するなど,不毛と不条理の嵐だった.

話の全く繋がらない会話劇,などは非常に懐かしい,
昔からのKERAさんのスタイルで良かった.

会場で予約受付してたDVDを買おうと思ったが,
前作の「犯さん哉」の際に劇場で買ったら,ログが残らず,
いつ届くか,ちゃんと予約されてるのかも不明だったため,
今回はWebで買うことにした.

てことで,久々に頭の混乱しそうなナンセンスコメディ.
まるでリンチ映画のようなカオスだが,リンチ映画のような
シリアスさは皆無だ.ただただくだらないのが良い.
もう公演は終わってしまったので,DVDでぜひ.

自分もDVDで夜中にアルコールを片手に
観たい感じのアッパー系の笑いだ.

原発のエグいネタが多いからTV放映は無いでしょう(笑)

SAD SONG FOR UGLY DAUGHTER

2011-07-18 10:57:29 | stage
観て来たすわー


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ウーマンリブ Vol.12
「SAD SONG FOR UGLY DAUGHTER」

◆作・演出 :宮藤官九郎

◆出演    : 宮崎あおい 松尾スズキ 田辺誠一 荒川良々
        宍戸美和公 少路勇介 矢本悠馬 宮藤官九郎 岩松了

◆劇場   :シアタードラマシティ(大阪)

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めっちゃ面白かった!!

ホームドラマ,という事前情報も無しに
観に行ったので,まずはホームドラマに驚いた.

でもって,開演と同時に矢本さんの自慰シーンから始まり,
未来からタイムトラベルでやってきた荒川良々が登場…
このオープニングでやられた.

タイムトラベルかよ!
しかもTENGAベースのタイムマシンでやってきたとか,
いきなりチープな設定.

これで舞台の方向性がわかった気がする.

ストーリーはあって無いようなものなので,
設定を記すと,光月堂という和菓子屋さんが舞台.

そこの職人の親父が松尾スズキ,奥さんが宍戸美和公,
その娘が宮崎あおいで,5年家を空けて,フィアンセを連れて
帰って来た.でもってそのフィアンセが岩松了.
宮崎あおいの幼馴染みが田辺誠一.

こんな感じ.この設定を作った時点で,ストーリーは
自動的にでききたんだろうなあと感じた.

50歳過ぎた岩松さんが宮崎崎あおいのフィアンセという
時点で,トンデモ設定だし,松尾さんとの競演で
面白くなることは明白だ.

でもって,タイムトラベルで二年後の世界からやってきた
荒川良々,ほとんどストーリーに関係ない存在だったのも面白い.
ラストのオチで未来を変えてしまう存在になる…という展開も良い.

そして,宮崎あおい可愛いなあ~…。。。

生で観たら,本当に結婚してんのか…?って感じだ.
今回も少年メリケンサック同様,めんどくさい系の
ガンコ系女子を演じていたが,実は地だったりして.

そしてearthのCMのような宮崎あおいの朴訥とした
癒し系の生唄を聞けたのも良かった.
「正当防衛」って唄だった.
ストーカーの乳首をペンチでちぎっても正当防衛.
裁判では無罪って感じの歌詞.スバラシイ.
向井さんのサントラも素晴らしかった.

ここ数年,毎年,大人計画を観ているので,
一昨年の「サッちゃんの明日」,昨年の「母を逃がす」に比べて,
かなりポップに感じたなあ.
まあ,下ネタがどぎついのは同じだが.

でも,松尾さんとクドカンの師弟関係は素晴らしい.

松尾さんの映画や舞台にクドカンが出て,クドカンの舞台や
映画やドラマにも松尾さんや大人計画のメンバーが出演.

マイナーなものをメジャーに持って来るクドカンの才能,
リスペクトしまくりだ.

というわけで,本日が千秋楽のはずなので,
WOWOWかDVD発売が待ち遠しい.

にしても開演前のBGMがずっとルースターズで,
何でだろ?って思ってたら,「Sad Song」だからなんだな.
さすが,細かいなあ~

国民の映画

2011-04-10 21:58:38 | stage
観て来たすわ~

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『国民の映画』

於:森ノ宮ピロティホール

作・演出:三谷幸喜
キャスト:小日向文世,段田安則,白井晃,石田ゆり子
     シルビア・グラブ,新妻聖子,今井朋彦,小林隆,平岳大
     吉田羊,小林勝也,風間杜夫

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久々の三谷幸喜さんの舞台だった.
「オケピ」以来なので,10年以上ぶり.
チケットも9500円と高いが,名古屋から大阪まで遠征してきたすわ.
遠征と言っても,車で2時間だが.

内容はといえば,さすが三谷さん…としか言いようのない,
骨太のストーリー,そして,それぞれの登場人物全員に完成された
パーソナリティが与えられていた.

正直,ここまで話に脱線無く,完成度の高いストーリー展開の
計算され尽くしたものとは思っていなかったので,相当感動した.

今回は「劇団四季」しか観たことのない相方との観劇だったので,
観終わった後,満足していたようだったが,確かに,初心者でも
十二分に楽しめるクオリティだった.

ストーリーも良かった.

舞台は1940年代のベルリン.ナチスの宣伝省大臣の
ゲッベルスが主人公.これを演じているのが小日向文世さん.
そして航空相のゲーリングが白井晃さん,
ゲシュタポ長官のヒムラー役が段田安則さん,
この3人がコアメンバーだ.

すべての芸術とメディアを監視検閲する権利を与えられていた
ゲッベルスが,映画関係者たちをホームパーティーに招き,
最高のスタッフとキャストを使った理想の映画を作る企画を打ち明ける.
そして,ナチス高官たちと映画人たちが一堂に会し,虚飾と陰謀に
満ちた狂乱の一夜が幕を開ける…というのがあらすじ.

この辺のヒトラー周りの細かい話については,小中学時代に,

「劇画ヒットラー」水木しげる著

にハマって読み込んでいたこともあり,エピソードは
大体知っていたので,恐らくストーリーに付いていけるだろうと
踏んでいたが,大体ついていけた.

登場人物が全て実在の人物ばかり出て来てる辺り,三谷さん,かなり勉強
というか研究して脚本を書いていて驚いた….

ナチのプロパガンダ映画で有名なレニ・リーフェンシュタールが
普通に実名で登場してきた時に,ナチの幹部以外の登場人物も
リアルであることがわかった.こういったことも
この作品の奥行きを作っているんだろうなあ~….

そして驚いたのが,パンフレットの三谷さんのインタビュー.
何と,この舞台のプロットを思いついたきっかけが
上記の「劇画ヒットラー」という漫画だったことだ.

上演前に読んでて「マジで!!」と叫んでしまったくらいだ.

三谷幸喜さんとか三木聡さんとかのエッセイとかインタビューを読んでると,
度々こういうことがある.多分,同じ周波数に共鳴した者が
ファンになってしまうんだろうな.

ホント,書こうと思ったら,出演者全員のことを書けるくらい,
内容が濃く,しっかりしたプロットだった.

モチーフがアレだけに,いわゆるコメディでは無く,シリアスな笑いの
散りばめられた映画のようだった.本当に面白かった.
あっという間に3時間強の時間が過ぎてしまった.

三谷さんの舞台,また年明けにもあるらしいので,
それも確実に行くだろう.今回の感動は相当なものだった.

にしても,タランティーノ監督も「イングロリアス・バスターズ」で
ゲッベルスを登場させていて,それを劇場で観てるし,ゲッベルスの
天才的な宣伝・広告・洗脳の能力の研究本を最近読んだところだったので,
今回の舞台でさらにゲッベルスが身近になった….

てことで,まだ横浜公演があるので行ける方は当日券でもぜひ!!

母を逃がす

2011-01-02 23:23:50 | stage
観て来たすわー

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大人計画 本公演

「母を逃がす (再演) 」


作・演出:松尾スズキ

出演:阿部サダヲ 宮藤官九郎 池津祥子 顔田顔彦
   宍戸美和公 宮崎吐夢 猫背椿 皆川猿時
   村杉蝉之介 田村たがめ 荒川良々 近藤公園
   平岩紙 少路勇介 松尾スズキ

於 森ノ宮ピロティホール(大阪)

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いやあ~面白かった…。。。

昨年観た「サッちゃんの明日」という舞台は

>見終わった後のいや~な後味の悪さと,ドッと疲れるこの感じ…
>この根本敬さんの漫画を読んだ後のような後味の悪さ…

と,昨年の記事で感想を書いていたくらい,強烈な作品だった.

しかし本作品は,非常に観やすく,ずっと前に観た「キレイ」に
近い,非常に人間の業のようなものを凝縮しつつ,
ものすごい笑いのレベルの高いコントが挟まれているような構成で
エントリー向けのように感じた.

で,ストーリー.舞台は自給自足の農業共同体のの話.

東北の農業共同体”クマギリ”の頭目(阿部サダヲ)
の家族を中心に仕切っている.

でも,ある夜、謎の男が侵入したことをきっかけに,
に様々な問題が起こる.

他の村から追われて来た面子(宮藤官九郎・荒川良々)なども
村に入って来たり,刑務所にいるはずの頭目の兄貴(皆川猿時)
が急に釈放されて帰って来て,権力闘争が始まり,村人が
クーデターを画策したりと内ゲバが始まり…という感じの

”閉鎖社会から逃れたくても行き場のない男女の悲喜劇”だった.

舞台が始まった最初の方で,初演の時代背景を考えても
”ヤマギシ村”がモチーフになってるな…と感じた.

この舞台が最初に公演された1999年の前後で
確かヤマギシ村は問題になっていた気がする.おぼろげだが.

まあ,ここでヤマギシズムについて書くのは避けよう.
明らかに「母を逃がす」での農業共同体”クマギリ”よりも
シャレにならないリアルを持ち,この舞台で繰り広げられているような
笑いも無いであろう世界だし.

でもこの舞台ではヤマギシズムのような原始共産主義の脆さを,
狂気と笑いに昇華して非常に素晴らしい世界観を構築してる.

2時間半,どっぷりとハマった.
時間を忘れて,2時間半後に
「あ,2時間半経ってるじゃん!」
と気づいたくらいだ.

とにもかくにも,松尾さんの描く台詞の言葉尻の面白さ,
言葉の選び方,絶妙な比喩など,松尾さんの書き物に
観られる面白さが100%存分に生かされている作品だった.

これは大人計画の入門編として,DVDで出すべきだと思う.
ポップでディープでブラック.

もう1回ゆっくりと家で夜にウヰスキーでも飲みながら観たい.
何とか…DVD化をよろしくです…。。。

そしてカーテンコールの宮崎吐夢氏の司会の面白さは異常だった.
特にメンバー紹介が感動する程面白かった.

「お芝居が上手なことに定評があります.阿部サダヲ!」

「最近,顔が火照って火照ってしょうがないそうです.
 ミセス更年期・池津祥子!」

「映画にドラマに大活躍.映画版ゲゲゲの女房では
 ゲゲゲに挑戦しました,宮藤官九郎!」

「意外にも正義感の塊.曲がったことは許せません.
 嫌いなものは差別と黒人,荒川良々!」

あと,他のメンバーも面白くプレゼンしていた.
うろ覚えだが,猫背椿が若い男性スタッフ食いまくりとか
ネタにしてたw

非常に笑いのレベルが高く,大人計画のポテンシャルには
驚くばかりだ…。。。

来年も本公演があったら行くぜ!

鳥肌実 全国時局講演会「全弾撃ち尽くし外交」

2010-12-27 23:45:11 | stage
行ってきたすわー

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鳥肌実 

全国時局講演会 
「全弾撃ち尽くし外交」

愛知産業労働センター
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いやはや,面白かった.
でも,時代が時代なだけに,
普通に頷くことが多かった気がする.

ゆえ,相変わらず放送禁止のドギツイネタも多いが,
「船長のピースサインしてる指を切り落とせ!」
という発言には,皆が頷いていたw

ライブ開始の第一声は,

「市川海老蔵を殴って参りました!」

で始まり,話題のメインはやはり,尖閣問題.


「あの映像観て思いませんか?ただの当たり屋じゃないですか」
「典型的なチンピラのシノギですよ」


「私の”玉砕SHOP”で新作Tシャツを出しますよ.
 ”尖閣 is Japan”ってプリントされたTシャツなんですが.
 今,中国の工場で中国人が必死で作っておりますよ」

 
「尖閣諸島にね,ホテルを建てたいと思っております.
 いつでも参拝できる”ホテル・ニュー靖国”です」


「”ホテル・ニュー靖国”のマスコットキャラクターは”せんとくん”の兄弟分で
 ”せんかくん”と言いまして,角の代わりに頭に竹ヤリが生えてます」

「ディナーショーでは加山雄三が”海よ!俺の海よ!”と大合唱です」


…などなど,さすがな切り口の尖閣ネタだったすわw

映像をひた隠しにする菅直人に対しては…

「ド左翼政権ですよ.菅直人.そもそもあいつはナニ人なんですか?
 ”菅”って名前,怪しくないですか?」

「菅直人はカイワレの着ぐるみ着て遍路廻ってろ!」

と,相変わらずのブラックさで絶好調でしたわw

岡崎トミ子に対しては…

「あのクソババアは,韓国で反日運動しておったタダのアカです.
 こいつが国家公安委員長ですよ!」
 
「ついこないだまで日の丸にバッテン打って掲げてた
 ババアがなぜ公安のトップなのか」

…と,これくらいかな?書けるのは。。。
てか,既にデッドボールかも(汗)
まあ,まだまだ弱小ブログなので大丈夫でしょう.多分.きっと.

でも,今回のライブの締めの言葉にはちょっと感動,

「昔から鳥肌は何か持ってると言われてきましたが,
 今,何を持っているのかわかりました.
 それは,タチの悪いお客さんです」


ビシッと締まった.さすがだった。。。
てことで,大満足!来年も観に行きますぜ!

新作DVDもすげー良かった!
1年後も楽しみにしてます!








LIVE STAND 2010

2010-10-20 00:34:26 | stage
いやあ~良かった….

「吉本 LIVE STAND 2010 OSAKA」
 2010年10月16日~17日


素晴らしかった…の一言に尽きる.
12時から19時過ぎまで,ずーっと立ちっぱなしで
笑い続けるイベント.そりゃギネスにも載るさw

一体,何組のお笑いコンビを観たんだろう?
「粉モン・ブース」という,ネタ見せのメインブースで,

ハイキングウォーキング,モンスターエンジン,
村上ショージ,ブラックマヨネーズ,しずる,あべこうじ,
天竺鼠,中山功太,ロザン,海原やすよともこ,
笑い飯,陣内智則,はんにゃ,博多華丸大吉,麒麟,
ジャルジャル,矢野兵藤,フルーツポンチ,サバンナ,
メッセンジャー,トータルテンボス,中川家…

と,それはそれは相当な数の芸人さんの,相当な数の面白さと,
相当なロングコント,ロング漫才をかなり近くで観られた.

特にすごかったのが…
リスペクトして止まない,”笑い飯”,
また,ずっと応援している新鋭の若手”ジャルジャル”,
S-1チャンピオンの”トータルテンボス”,
オンバト時代からファンの”中川家”…

などなど,新しい笑いのテクニシャンに,とにかく感動した.
いやあもう,この時代に生まれてよかった.と思われるほど感動した,


そして「乾きモンブース」という,イベントブースで…

東野(幸治)さん,ココリコの遠藤さん司会で,
「あの素晴らしいネタをもう一度」
という,「懐メロ」ならぬ,「懐ネタ」イベント.

”鉄拳”,”ですよ。”,"ムーディ勝山”,”天津・木村”,
”レイザーラモンHG”,”デッカチャン”,
”アクセルホッパー・永井佑一郎”,”三瓶”,”まちゃまちゃ”…

などなど,もはやエンタが”懐ネタ”であることを実感させられた.

特に,この一発屋芸人達のハートの強さ…には感動すら覚えた。。。
完全にスベってても,最後までやり切る…
これが芸人魂なのか…といたく感動した.

「あい,とぅいまてぇーん!」

…という”ですよ。”のフレーズ,スベリっぱなしで,
3回も披露していた…。。。
一周して面白い,この手のエンタ芸,
またいつか,花開くはずさ…。。。多分,きっと.

そして,その”懐ネタ”のコメンテーターの
板尾さんと野生爆弾も最高だった.
「”あの”板尾さんがこんな近くに…」
という感動がったなあ.
”ごっつ”の「ボケましょう」での神がかり的な天才ボケは,
DVDに入っていないネタも,今でも脳裏に焼き付いている.

あとは,ここ数年,個人的に大ハマりな野生爆弾のコメントも最高だった.
地上最強のパネラー”くーちゃん”のコメントのパンチ力たるや,
殺傷能力アリアリのすごさ…思わず,戦慄みたいなものが走った.

というわけで,まとめると…


”鬼才・笑い飯”を生で観られて本当に感動!今年もチンポジよろしく!

”天才・ジャルジャル”すげーぞ!若手とは思えないネタのキレ!

”業師・トータルテンボス”オモロい!全てのネタで笑える!

”ベテラン・中川家”すげえ!まるで中田カウスボタンのような味が出てるぞ!

”売れっ子・はんにゃ”やばいぞ!ネタが確実にパワーダウンしてるぞ!

”野生爆弾”オモロい!もっと売れてくれ!!

って感じかな?

また行きたいと思われる,非常に素晴らしいイベント!来年もぜひ大阪で!
そして,できれば来年は東京ダイナマイトを粉モンブースで観たいなあ~…



2番目、或いは3番目

2010-07-25 03:00:17 | stage
観て来たすわ~

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NYLON100℃ 35th SESSION

「2番目、或いは3番目」

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演 :犬山イヌコ みのすけ 三宅弘城 峯村リエ
 大倉孝二 松永玲子 村岡希美 藤田秀世 長田奈麻 喜安浩平
 白石遥 伊与顕二 斉木茉奈
 小出恵介 谷村美月 緒川たまき マギー

於 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

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昨春のナイロンの「神様とその他の変種」,今春の
ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂックアワー#2
を共に観た,中高校時代からのダチと今年も大阪で観劇した.

公演は,満員御礼って感じの終始ポジティブな笑いに満ちた作品だった.
まあ,登場人物は,いつものKERA舞台同様,全員が全員,
どこか狂ってたけれどもw 

ストーリーは,時代も国も定かではない,廃墟が舞台.
そんな半ば眠り,死んだような街を訪ねる人々がいた.
彼らの街もまた大きな打撃を受けていたが,自分たちの方が
「この街」よりは恵まれた状況であると思い,「この街」に
手助けにやってきた.
だが,一行が出会った「この街」の人々は,
彼らの予想とは違う暮らしを営んでいた…って感じ.
パンフレットの一部をまとめると.

前半は緒川たまきさんの異常性が際立っていた.
偽善ボランティアに対する皮肉も垣間見え,
序盤での爆発力は目を見張るものがあった.

そして,いつもの犬山さん,松永さん,峯村さんのナイロンの
コメディエンヌ・トリオの掛け合いもかぶさって,
始めから笑いが絶えなかった.
掛け合いによる小ネタの数珠繋ぎの笑いでストーリーに
ゆっくり引き込まれる感じ?だった.

後半は,大倉孝二さんの爆発力がダントツ.
すげえなあ~…。。。

アテ書きでは?と思わせられる,ハマり役で,圧倒的においしい
役回りで,自由にボケていたw ほぼ全てのシーンで,ストーリーを
壊す役回りで,中盤から後半のナンセンスな笑い担当で,ただただ笑ったなあ~.

まだツアー中なので,詳しいストーリーは描かないが,
内容は不条理寓話.でも.これまでのKERAさんの作品とは違って,
割と前向きな作品だった.後味の悪さのない,ポップな仕上がり.

これならカップルとかでも,楽しんで観られるだろう…と思う.多分.
少なくとも,今秋の松尾スズキさんの大人計画の公演「母を逃がす」よりはw

にしても,この安定感は何なんだ?

確実に地方でも満席にする,この集客力といい,短期間の執筆で,
ここまでの作品の仕上がりまで持って行くパワー.
ホントに驚くばかりだ。。。

常にやりたいことが頭の中にある状態,そしてそれを実現できる
環境を作り出しているんだろうなあ~….
そして,この境地に来るまでの試行錯誤も,ナイロン立ち上げ当初から,
てか劇団健康の頃から,20年くらい?ずっと追って見て来ているので,
ホント,そのバイタリティはリスペクトして止まない.

来月のケラ&ザ・シンセサイザーズの今年最後のライブも楽しみにしているし,
年末発売の新譜も楽しみにしている.音楽と演劇,どちらも感性とイマジネーション
に頼る世界だ.お金と時間の許す限り,自身の刺激になる才能になるべく触れたいものだ.

人生なんて,あっという間に終わる.
激務で生き急いでる自分はなんぞ,もう人生の折り返し地点に近い.
限られた時間の中で,時間を無駄にする事無く満喫するためには,
早め早めに動かねば!と思う…が,自分の意思だけではなかなか動けないのが切ない….

ということで,話戻して,本公演はまだ地方公演もまだある.
ゆえ行ける方はぜひ観て欲しいなあ~

今年は,あとは松尾さんの舞台と岩松了さんの舞台も観たいな.


鳥肌実全国時局講演会「ダメ。ガッカイ」

2009-12-06 13:28:32 | stage
行ってきたすわー

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鳥肌実 

全国時局講演会 
「ダメ。ガッカイ。」

名古屋市公会堂
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いやあ~随分と挑戦的なライブタイトルにしたもんだ。。。

大阪公演を観に行った部署の後輩の話では,今回は客足が
良くない…と聞いていたが,蓋を開けたら2階席に若干の
空席があったもののほぼ満席だった.

ライブ開始の第一声,

「定額給付金でシャブを購入致しました!」

で始まり,話題のメインは先日の衆院選.
「公明党には票を入れるな」
と,選挙演説している鳥肌さんのOP映像に観客一同爆笑.

相変わらずの学会ネタ,過激な下ネタ,政治ネタ…
等々,まあ,いつもの鳥肌節っすわ.

鳩山由紀夫に対して…

「鳩山一家は筋金入りのフリーメーソンだ」
「鳩山美幸は泰葉と何ら変わらないのであります」

菅直人に対しては…

「あんなね,学生時代に逆上せ上がった左翼セクトのリーダー
 だったような反国家の男が国家戦略担当?冗談じゃない.
 国家戦略担当に相応しいのは…田母神航空幕僚長であります」

そして辻本清美に対して…

「早くまんぐり返しでピースボートに乗って半島に帰れ」

森田健作に対して…

「千葉県知事としてまず最初にやらなきゃならないのは,舞浜にある
 ユダヤの出先機関である,東京ディズニーランドをぶっ潰してですね,
 大日本帝国ランドを建設しろってことなんです」

「もちろんミッキーマウスの代わりは”のらくろ上等兵”であります」
 
いやあ~政治ネタは笑った.書けるのはこれくらいかな…?
既にアウトかな…?

最後の政治ネタの締めでは…

「お前はどこに投票したのか?と言いますと…幸福実現党でございます」

「消費税0%,北朝鮮の核ミサイルに対しても毅然として立つ,
 2030年にはGDP1位,人口3億人を目指します…こんなキ◯ガイ
 じみた公約を掲げる政党は幸福実現党と鳥肌翼賛会だけでございます」

書けるのはこんな感じかな…覚え書きだけども…

まあ,弱小ブログなので大丈夫でしょう.多分.きっと.
でも学会ネタは書けないな…さすがに.

そして今回特筆すべきなのは,講演後にサイン会があったこと.
年甲斐もなくポスターにサイン貰って握手してもらったすわw

てことで,昨年よりも明らかなパワーダウンは否めないが,
来年も観に行きますぜ!

サッちゃんの明日

2009-10-10 22:53:02 | stage
観て来たすわ~

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「サッちゃんの明日」

作・演出:松尾スズキ
出演:  鈴木蘭々 宮藤官九郎 猫背椿 皆川猿時 星野源
      家納ジュンコ 小松和重 松尾スズキ

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いやあ~さすがっすわ…。。。
「そうそう.そういえばこんな感じだった」
それが久々の”松尾スズキワールド”を観た直後の感想だ.

自分がここ数年で観た松尾さんの芝居は,
10年くらい前に観たコクーンの「キレイ」と
2年前に観た「キャバレー」以来だったことを忘れていた.

そういえば”劇団大人計画の松尾ワールド”はこんな感じだったんすよ…

見終わった後のいや~な後味の悪さと,ドッと疲れるこの感じ…
この根本敬さんの漫画を読んだ後のような後味の悪さ…

見終わった直後は,相当凹んで,当初は舞台終わりで,
そのまま「ロボゲイシャ」でも観に行くかな?とか思ってたが,
とても体力が残っておらず,次回にしてしまったくらいだ.

でも1週間経つと面白さと濃さが大分頭の中で整理されて,
あの涙が出るほど笑った笑いのセンスにびびりつつ,
また観たい…とすら思うのな.

この中毒性が大人計画たる所以だよな…すげーわ…

ストーリーの核は”下町”と”覚醒剤”.
ある下町の定食屋が舞台.

主人公のサッちゃんこと鈴木蘭々自体も相当狂っていて,
その周りの登場人物も全員が皆,完璧に狂ってるという環境.
しかもアル中のお父さん役の松尾さんが一番まともに見えるくらいの狂い方w

特に,旦那のお義父さんと不倫して蒸発したお母さんの家納ジュンコ.
この人最高だったなあ~….

突然家に帰って来て,蒸発した理由を家族に話しながら,不倫した
お義父さんとの事細かなSEX描写のパントマイムには大爆笑!
すげーわ~この過激な下ネタ…涙流しながら笑ったすわw
元・劇団四季なんだよね…すごい転身だわw

他の登場人物も,脳性マヒの営業マンがめちゃ性格が悪くて腹立たしい
感じだったり,サッちゃんに恋する元孤児で現在は大金持ちの男が,
実はサッちゃんの右足の障害を作った張本人だったり,サッちゃんの
定食屋に新しく勤める男が痴漢の前科があったり…

とにもかくにもストーリー濃過ぎw
でもこの濃さが大人計画の醍醐味.

宮藤官九郎のヤクの売人役もかなり好演してた.
ヤバい感じとアホな感じを絶妙に出してて凄い良かったすわ.

「ぎゅっと凝縮した世界観をやりたかった」

とパンフレットに書いてあったが,十分ぎゅっとしていましたわ.
相変わらず屈折した人間達の内面のドロドロした部分やら,嫌な面やらを
抽出した世界観による人間模様,本能に忠実なダメ人間達の人間模様…
この手の描写を,松尾さんに対して評される表現としては使い古されてるが,
”過激でシュール”に描かせたら,まだまだ松尾さんを追い越す人はいない気がする…

次回の大人計画の公演はまた2~3年後かな?

次も観に行きますよ~