HAPPY SLEEP

SUNDAY-FRIDAY

FANTASMA 2010

2010-11-12 21:14:23 | music
1997年は,個人的には思い出深い年だ.

記憶の中では灰色のモヤがかかった,
その年から始まる暗黒時代5年間のプロローグだった.

自分は1997年は,大学入学するやいなや,
前期が終わる前に休学して予備校に通い始め,仮面浪人に突入した年.

そして志望校に落ちて復学し,翌年の1998年には
知らぬ間に進級していたので,全ての必須科目がある程度
進んだ状態からスタートしたのだ.
ゆえ,2年分を同時に受講するという悲劇だった.

例えば「微分積分1」と「微分積分2」を同時に受けたり,
「健康運動学(体育)1」と健康運動学(体育)2」を同時受講で,
忘れもしない,金曜日は昼から体育2連チャンで,3時間動きまくりだった.

だから,この97年~98年に聴いていた音楽,ラジオ,TV,映画は,
心身に非常に染み入る,そして滲み入るが,あの時の奮闘があったから
今のメンタル最強の自分が有る,と断言できる大挫折期だ.

この大挫折期初年度の1997年は,日本の音楽史に残る名盤が3枚出ている.

コーネリアス「FANTASMA」
電気グルーヴ「A」
フィッシュマンズ「宇宙 日本 世田谷」

この3枚は当時,非常に熱心に聴いた.
今聴いても,全然通用するどころか,これらの作品に
追いついてるアルバムなんでほとんど無い.

そのガンガンに尖ってて,先鋭的なポップアルバムの
コーネリアスの「FANTASMA」が,2010年の今年,
何と,電気グルーヴ「A」の完成度に大きな役割を担っている
元・電気グルーヴの砂原良徳がリマスターして再発になった.

オリジナルに比べて,ソリッドな音質に仕上がっていて,
こんなに変わるのか…と感じた素晴らしいクオリティだ.

そして2枚目のCDはデモバージョンやリミックス,未収録曲など
これまた非常にクオリティが高くて良い.
改めて,小山田圭吾が”お洒落な音楽”の創始者であることを認識した.

そして3枚目のDVD,これもすごい….

「FANTASMA」発売時の武道館ライブの映像なのだが,
13年前のものとは思えない先進性にかなり驚いた…。。。

最近のギターロックバンド,アジカンとかフジファブリックとか
ストレイテナーとか…最近のこの辺のバンド,コーネリアスの
影響を受けていないとは言えないのでは?と思えるほど,
似ている事がわかった.

すげーカッコいいのだ…演奏が.

3年前に観たコーネリアスのライブも素晴らしかったが,
この頃にも観に来ていたかった…と深く後悔だ.

1997年にこの作品が出た時も,友人と感動を分かち合った記憶がある.

そして翌年の1998年からの4年間,これも地獄の日々だった.
しかし,仮面浪人失敗して復学した1998年の春には

シンセサイザーズ「ザ・シンセサイザーズ」

という,シンセサイザーズの記念すべき1stアルバムが発売され,
名古屋ELLで,シンセサイザーズのライブを傷心の身で,
心身メッタ刺しの状態で観に行って,”テントの外の二つの革命”という名曲の

「ドウデモイイヤの革命」

という歌詞に涙したのを昨日の事のように覚えている.
が,それはまた別の話.

とまあ,そんな感じの傑作なので,オリジナルの「FANTASMA」すら
聴いた事が無いという方はぜひとも聴いて,観て欲しい傑作なので,ぜひ!