マーサの昔話

デジカメでの景色や花、動物などの写真
海外体験談、今日の一品、糖分控えめ?なおやつ等‥‥‥

『  Good-bye my love. 』

2009年03月31日 | Una pelicula favorita
             

  さらばわが愛 覇王別妃
  
 出演者 レスリー・チャン
 チャン・フォンイー
 葛優(グォ・ヨウ)
 コン・リー

 スタッフ
 監督 チェン・カイコー
 製作 チェン・カイコ シュー・チエ シュー・ビン
 脚本 リー・ピクワー
 詳細・原作 リー・ピクワー

 製作年 1993年
 製作国 香港
 収録時間 172分

 私は、ペ・ヨンジュンが活躍する前まで、ずっとレスリー・チャンのファンでした。
 というよりレスリー・チャンが、今も健在ならば、まだ大ファンでいただろう
と思うのです。 香港へ行く度に、レスリー・チャンの新作映画を見たり、ライブを
聞きに行ったものです。 この映画はもう、何回も見ているのですが、3時間という
長い時間でもあきずに見られ、しかも考えさせられる映画です。ただ、見終わった後
かなりの脱力感は否めないので、体力的に疲れている方は、見ないほうがいいかも
しれませんね。

 演ずることに全てを捧げた二人の男の波乱に満ちた生涯を、京劇『覇王別姫』を
軸に描いた類稀なる傑作。 身を持て余した遊廓の母に捨てられ、京劇の養成所に
入れられた小豆。 淫売の子といじめられる彼を弟のようにかばい、辛い修行の中で
常に強い助けとなる石頭。 やがて成長した二人は、それぞれ“程蝶衣”、“段小樓”と
名を変え、京劇界きってのスターとなっていた……。 一つ一つの出来事が物語全体を
通し巧みに絡み合い、それが映画の進行につれ絶大な説得力を浮かび上がらせる。
 女形として選ばれたが、なかなか女に成り切れない小豆。 しかしその辛苦を
乗り越えたとき、彼の心は完全なる女として生まれ変わり、それは“段小樓”への
包み隠さぬ想いともなる。 だが心がいくら女であろうとも、男である限り“程蝶衣”に
成就の手立てはない。 “段小樓”へのやりきれない愛情を胸に抱いたまま、女である
というだけで優位に立てる遊廓の菊仙と反目する“程蝶衣”。

                 

 だが生命の危機を前に、非情な選択を迫られる激動の時代の中では、信頼と愛情で
繋がれたはずの二人の間に決定的な亀裂が生じる。 二人の間を阻む存在を置くことで
観る者に絶えず葛藤を与え、三時間に及ぶ長尺にも関わらずそれを感じさせない
演出手腕は絶品で、中国第5世代監督のチェン・カイコーがその才能をいかんなく
発揮した。 幼年時代、仲間と共に養成所を逃げ出し、当時一番のスターが演じた
『覇王別姫』を見る小豆。どんなに打ち据えられてもいつの日か舞台に立ちたいと
涙を流す友人に、小豆の想いも同じだった。だが、新しい時代を迎えた京劇を
前に、昔ながらの厳しい特訓を信じる“程蝶衣”はひとり取り残されていく……。
 全編に漂う何とも言えない遣り切れなさに、胸はかきむしられる。

 中国激動の時代に生きた、京劇俳優の程蝶衣と段小樓。女形の蝶衣は段小樓を
愛していたが、彼は娼婦と結婚してしまう…。 戦争が、京劇という芸術の世界も
侵しつつあった時代を背景に描かれる、ふたりの男たちの愛憎のドラマ。
前半は、京劇の学校で厳しい訓練に耐える主人公の少年ふたりの友情にスポットをあて
後半は、時代の波に飲まれながらも、愛と演劇を貫く男たちのストーリーがつづられる。
 段小樓を愛しながらも、その愛を得ることができず、苦悩する程蝶衣を演じる
レスリー・チャンの艶やかな美しさが圧倒的な存在感を見せる。



 レスリー・チャンの素敵な姿、あの哀愁を感じる目、女性よりも女性らしい仕草
情感感じる表情、洗練された演技、どれだけこの映画にのめり込んだ事だろう。
 宝塚じゃないけど、指先の動きも何と優雅で美しいことよ。 蝶衣の奥底にある
情念は、全身鳥肌が立つほどでした。
 自分の周りの大切なものを、過酷にもはぎ取られていく蝶衣の悲哀ストーリ。

 中国激動の時代が終息し、平和な時が来たと思いきや、愛する小樓との舞台を
(覇王別姫)最期の死に場所に選んだ蝶衣。愛すること、生きることに疲れたかの
ように、覚悟して命を絶った蝶衣の姿は、無常にもその後に起こるレスリー
チャン自身の、哀しい死を思い起こさせます。




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