風と共に去りぬ
出演 ヴィヴィアン・リー(Scarlett)
クラーク・ゲーブル(Rhett Butler)
オリヴィア・デ・ハヴィランド(Melanie Hamilton)
レスリー・ハワード(Ashley Wilkes)
イヴリン・キース(Suellen)
スタッフ
監督 ヴィクター・フレミング
製作 デイヴィッド・O・セルズニック
原作 マーガレット・ミッチェル
脚色 シドニー・ハワード
撮影 アーネスト・ホーラー
SFX Jack Cosgrove
音楽 マックス・スタイナー
美術 ウィリアム・キャメロン・メンジース
ライル・ウィーラー
編集 ハル・C・カーン
衣装 (デザイン) ウォルター・プランケット
公開 1939年
<前篇>
1861年、南北戦争が始まろうとする直前。ジョージア州タラの大地主ジェラルド
オハラ(トーマス・ミッチェル)の長女スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は
樫の木屋敷と呼ばれる同じ大地主ウィルクス家で明日開かれる野外宴会に
そこの嫡子で彼女の幼馴染みであるアシュリー(レスリー・ハワード)と彼の従妹
メラニー(オロヴィア・デ・ハヴィランド)の婚約が発表されると聞いて心おだやかで
なかった。激しい気性と美しさをあわせ持つスカーレットは、多くの青年の憧れの
的であったが、彼女の心はアシュリーとの結婚をかたく決意していたのだ。
宴会の当日スカーレットは想いのたけをアシュリーにぶちまけたが、彼の心は
気立ての優しいメラニーのものだった。スカーレットはそこで、チャールズトン
生まれの船長で素行の評判の良くないレット・バトラー(クラーク・ゲイブル)に
会い、彼の臆面のない態度に激しい憎しみを感じながら、何か惹きつけられた。
突然、戦争の開始が伝えられ、スカーレットは失恋の自棄からメラニーの兄
チャールズの求婚を受け入れ結婚した。メラニーと結婚したアシュリーもチャールズも
戦争に参加した。だがチャールズは戦争で病を得て死に、スカーレットは若い身を
喪服に包む生活の味気なさからアトランタのメラニーの元へ行き、陸軍病院の
バザーでレットと再会した。レットは強引に彼女に近付いてきた。
戦況はその頃南軍に利なく、スカーレットとメラニーは看護婦として働いていたが
やがて、アトランタは北軍の接近に脅えた。スカーレットと生まれたばかりの子供を
抱えたメラニーは、レットの御する馬車で故郷へと向かった。レットは途中ひとり
戦線へ向かい、のこされた2人はやっとの思いでタラの地に着くが、すでに廃墟に
なって、北軍にすっかり蹂躪されたあとだった。
<後篇>
戦争は南軍の敗北に終わった。捕虜になっていたアシュリーがかえって来て
メラニーを喜ばせたが、スカーレットは再び彼に愛を告白してはねつけられた。
タラは重税を課され、土地を守る決意を固めたスカーレットは、その頃北軍の
営倉に捕らえられていたレットに金策を頼みに行ったが、断られた。
彼女は妹スーレン(イヴリン・キース)の許婚フランクが事業に成功しているのを見て
欺いて彼と結婚し、事業を自分の手中に収めて、アシュリーを仲間に引き入れ
唯金儲けだけに生きるようになった。フランクが死んで、スカーレットはレットと
結婚し、娘ボニーを生んだがまだアシュリーへの想いが断ち切れず、レットは
もっぱらボニーへ愛情を注いだ。
こうした結婚生活の不調和から、レットはボニーを連れロンドンへ行ったが
ボニーが母を慕うので再び戻ってきた。ところがボニーが落馬して死に、メラニーも
病死してしまった。このためレットとスカーレットの結婚生活はまったく破れ
レットはチャールズトンへと去っていった。スカーレットはこのとき初めてレットを
愛していたと気付くが、一番愛しているのはやはりタラの土地であった。
彼女はタラに帰ってすべてを考え直そうと決心した。
映画はロマンチックなラブストーリーが、アメリカ合衆国という新興独立国の苦悩や
危機の再生という、より大きな物語と分離し難い一体のものになっているところに
ドラマのスケールの大きさがあり、戦争に敗れた南部の気位の高さを象徴するかの
ような一人の美女・スカーレット・オハラの強靭な生き抜く意志に圧倒されるのです。
その意味で、これは敗北した南部に美的な名誉回復を齎す作品でもあるのではない
でしょうか。
前半の終わりのシーン、腐った大根をかじって泣きながら言うセリフ「神様、私は
誓います。私はこれから家族の誰も飢えさせません。その為に、嘘もつき、物も盗み
人をも殺すでしょう。 でも二度と、飢えには泣きません。」どんな逆境にも負けない
強かな、健気な、凛としたスカーレットに感銘を受けたものです。
後半ではレッドの娘が落馬で亡くなり、レッドが悲しみに沈んで、誰にも逢わず
娘の部屋から出ないシーンがあり、メラニーが訪れるとレッドは部屋に招き入れて
娘ボニーの葬儀をするように説得するメラニーの言うことだけは聞くのだった。
その時、メラニーは、自分も妊娠している事を告げて、レッドにも、次の子供を
作るように奨めるのだが、レッドが、身体の弱っているメラニーが子供を産もうと
しているのに「あなたは、とても勇気のある人だ。神のご加護を!」というシーン
私は、あの時のメラニーの顔は、マリアの様に見えて、何とオーラーが輝いている
人だと思った。品位ある母性的な優しいメラニーだが、実は、スカーレットより
芯の強い持ち主かもしれないと思ったほどだ。あこがれるだけでとても近づけません。
スカーレットは、メラニーが亡くなってから、自分にとって、誰が一番大切な
人か気づくが、もはや時遅すぎて、野生的で男らしいレッドは去って行く。
スカーレットは何度もレッドを引き止めに行くが、それでも去って行った。
スカーレットの最後の有名なセリフが 「Tomorrow is another day !」
“明日があるわ。”明日に希望を託して・・・私の大好きな言葉です。
ちなみに、私の旦那は完壁に繊細?な芸術中年アシュレタイプです。 この世に
レッド・バトラーが存在していれば、絶対、追っかけていました。