閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

ベトナム人実習生2

2018-10-23 07:51:36 | 閃き
ベトナム人実習生についてネットの特集記事の内容について疑義があることの一部をブログに書いたが、残りを書きたいと思う

前回は主にベトナム側について書いたが、今回は日本での事情について書いてみる


特集記事では、実習生とは名ばかりで、まるで奴隷のように酷使している実態を報じていた

しかし、こういった事例を否定はできないにしても、殆どがそうであるような書きぶりは問題がある

否、殆どが間違っていて、本のごく一部のブラック企業での実態であると思う


実習生制度は、以前は人手不足の解消よりも安価に雇用できるといったイメージが強かったのは確かである

実習内容とはかけ離れた仕事をさせたり、不法な就労や賃金未払いのトラブルもあったように聞いている

政府のテコ入れと共に、そういった企業には受け入れができなくなってきている制度改定が存在する

その一例が、技能実習試験の高度化である


実習生は日本で働き始めて半年を経過したころに初級の技能試験を受験しなければならない

問題はひらがなで書かれていて、当然技能テストもある

日本語を学ばないものは学科で落第し、他の仕事をしている者は実技で落第するのだが、以前は相当甘い採点であった

しかし近年は厳しく採点するようになり、2度落第すると帰国しなければならないという高いハードルとなった

それでも、各企業においてしっかり教育していれば問題がないレベルである

そして、優秀な技能を習得したものには更に2年の延長が許可される

収入が5倍の日本で少しでも長く働けばその分欠けぐこともできると考えるのはベトナム人でなくても当然の感覚である

しかし、この上級試験が難しい

学科は漢字交じりの日本語、実技は相当に厳しい判定をクリアする必要がある

受け入れ機関の話によれば10人受けて1人合格するかどうかといったレベルだそうな

新しい制度ではこれを義務化して全員受験させなければならなくなったのだ

今までは、合格者一人につき点数を企業に与え、一定の点数以上でなければ2年間延長の受け入れができる会社であると認めないというルールだった

だが、それでは大企業ほど多くの実習生を抱えるので点数を得やすいために、今後は合格率で判定するという

これが大きな問題になると考えている


そもそも3年間の実習を前提として日本に来ている者は、全員が2年間の延長を望んでいるわけではない

上級試験の受験が延長を望むものだけならば、それなりに努力をして挑戦をするのだが、中には3年働いたら帰りたいと考える者も実際に存在する

こう考えている者は必要以上に日本語の勉強や技能の向上は不要なので、絶対に合格しないと思う

従って、今後は5年間を実習したいと考える者だけを採用する必要があるという事である

それは、送り出し機関の質の低下とともに難しくなっているから、実習期間は3年で良いと考える企業にとっては上級試験に合格される努力などしないという事を意味する

政府が決める制度には矛盾と大きな穴が開いていると、つくづく実感している


コメント
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