かいうの飼い葉桶

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ツワブキ賛歌

2008-09-29 | 植物雑記

ツワブキは私の好きなグラウンドカバープランツのひとつです。秋には小菊のような黄色い花を健気に咲かせる姿が印象的。そしておいしいお惣菜の正体でもあります。



ツワブキの魅力の大部分は「葉芸」にあるわけですが、ツワブキコレクターというご趣味をお持ちの方にはなかなかお会いしません。
ツワブキコレクターというよりも、石蕗収集家、とお呼びした方がよいかもしれない年代の方々に好まれている品種だからかも。



ツワブキはいわゆる古典園芸植物というジャンルのもので、シュンランやオモトのように昔から収集家に愛されてきた品種です。珍しい葉芸品種にはコレクターズプライスも存在します。
(とはいっても、現在の八重咲きクリロー・フィーバーのように高騰しているわけではありませんが。)



もともとは日本に自生する野草で、海岸沿いに群生がみられます。自生地の北限は福島県と言われていて、いわき市~広野町あたりまで群生地があります。



いわき市~広野町が北限ということでだいたいあっているかな。このあたりの平地までは冬場のスタットレスタイヤを必要としません。つまり、冬期の夜間凍結が起こらない地域です。ツワブキはそのような気候を好む植物だということでしょうか。南は沖縄まで自生するそうです。



キャラブキというあのおいしいお総菜は、このツワブキの茎を甘辛く煮たもの。
私の地元(ツワブキ自生地北限よりも50kmほど北上した地域)では、キャラブキっていうものはメジャーではなかったんです。自生していないのだから当然といえば当然か。



キャラブキがあのツワブキを煮たものだと知った時は軽くショックを受けました。
ツワブキが高級園芸植物だという認識が先にあったからです。
モノごとのイメージとはおそろしいですね。



珍重されるのは、美しい斑入りや葉芸のある園芸品種です。
一般的なものはグラウンドカバープランツとしても人気があります。



グラウンドカバープランツとしてのツワブキは、葉の形がおもしろい上に日陰によく耐え、秋にはかわいらしい花も咲くという魅力があります。同じくシェードガーデン向きのホスタ(ギボウシ)やヒューケラ(ツボサンゴ)と並んでも劣らない魅力です。秋の花が少ない時期に咲き、常緑という点もいいですよね。秋冬の主役級にもなれる逸材です((*≧m≦*)なんて、おすすめしてみる。)



私も福島の家の庭に「天の川」と「銀月」を植えていました。艶やかで表情がおもしろい葉は庭に変化をつけてくれました。特に宿根草の地上部が枯れてしまう秋~冬の季節にはいい味を出してくれますよ~。渋めだけどえらくかわいいんです。



時には庭からつみ取った葉を切り花にして、ゲーラックス感覚でフラワーアレンジメントのグリーン代わりに使ってみたり。個性が強いので花合わせが難しめですが、おもしろい花材でした。



ツワブキの花は黄色い小菊によく似ていて、その通りキク科植物です。



かたちと斑入り品種のかわいらしさで好きになった植物ですが、海辺で群生する姿はたくましく、力強い。しかも、食べるとおいしい!
なんて魅力的なんでしょう、あのちっこくて丸い葉っぱ野郎は。



ツワブキ賛歌でした。