かいうの飼い葉桶

~~一歩ずつ前に進もう!~~ 

京都・東山巡り(中編)

2007-10-31 | おでかけ
  (前編)の次に(中編)ってナニ?
   
  (前編)ときたら(後編)じゃないの??
     っていうつっこみはナシでお願いします。

お茶屋さん(京都では意味が違うかも。甘味処といったほうがいいかもです。)ではみたらし団子を食べてひと休み。お抹茶もいただきたかったのですが、明日のお楽しみにすることにして、ほうじ茶で体を温めました。

夕刻に向かったのは、高台寺です。

ライトアップ展示のあるお寺を調べると、この日は高台寺と圓徳院だけでした。
紅葉シーズンにはたくさんのお寺でライトアップと夜間公開がされるようですが、
まだ時期が早いので。
一カ所だけでもライトアップ展示がはじまっていてよかったです。ラッキー

高台寺界隈はとても賑わっていました。ねねの道には舞子さん姿の方もみえて、カメラを向けられ大人気。でもたぶん、あれは体験舞子さん(なんちゃって舞子さん)だと思うな。観光客も分かっててカメラを向けてる感ありでした。
他にも、和装(小紋)とかで楽しそうに歩いている女性もたくさんみかけましたが、それも和装体験ぽい。メイクも髪型もばっちり決まってたし。そういうのが流行ってるんでしょうね。


高台寺の庭園も小堀遠州作。豊臣秀吉の妻・ねねさんが秀吉の菩提を弔うために建てたお寺。御霊屋の蒔絵がとても繊細で印象に残りました。

ちょうど職人さんたちが池の手入れをしていたんですが、夕暮れも押し迫り、親方のテンションがすごかった。若い衆の手元がどうもうまくかみ合わないらしく、作業が遅々として進まぬご様子。結局ライトアップが始まる直前まで親方のゲキが飛び交っていました。

園内には瓦を加工してつくった庭園灯がともり、いよいよライトアップがはじまりました。庭園や茶室を巡っていた私たちも、方丈へ向かいました。



現代美術とのコラボとでもいうべきか、方丈前庭と勅使門にはやさしいアニメーションが照らし出されました。
前庭にはグリーンとブルーに妖しく光る礫状の発光体がちりばめられていました。日本庭園のもつ白砂空間の役割、というものをあえてとっぱらった演出なのでしょう。
斬新というべきか、自由というべきか、とても開かれた感覚だなと思いました。

こういう演出には賛否両論ありそうだなと思いもしたのですが、仏様の懐はとても深く、時空を超えて受け止めてくださるのかもしれないですね。


高台寺のやさしいライトアップに照らされた石段を降り、次は圓徳院へ向かいました。
圓徳院はねねさんが余生を過ごされた場所。ねねさんのお住まいです。

今回お詣りした中では、私がいちばん気に入った場所です。
とにかくつくりが可愛らしい。
まず入り口すぐの庭では、ツワブキが可愛らしく植えられていました。
こんなに可愛らしいツワブキの使い方は、他にないと思うほどでした。

襖絵には、女性の住まいらしく華やかで可憐なお花や植物がたくさん描かれていました。桜にしても筍にしても、とにかくキュートに書かれています。お部屋をひとつ覗くたびに、「かわいい~~」を連発してしまう私。
虎や龍や獅子は、女性のお住まいには不釣り合いなのかもね。

ねねさんってほんとうに可愛らしい人だったんだろうなと想像しながら奥へ進み、北庭を目にした瞬間、私はこのお庭に心を奪われてしまったのでした。

これまでのしつらえと打って変わり、勇壮な石組みの庭があったのです。その落差にも驚きましたが、このスペースにここまで石を入れるかと思うほど、質感たっぷりの石組みでした。すげー。
こちらも小堀遠州の手が加わったお庭です。
当時は池泉回遊式だったそうですが、その後池に苔を貼り枯山水となったそうです。

  

こちらのお庭を眺めている時、「きっとこれが癒しというものなんだ」と感じました。
いつまで眺めても席を立ちたくない自分がいました。

          

高台寺・圓徳院界隈はライトアップ見物の人でとても賑わっていたのですが、北庭の空間は別世界といったところです。
そんなに広くないお庭なのですが、外界の喧噪を完全に遮断していたように思います。
朝の空気の中でこのお庭がどんな表情を見せてくれるのか、是非再訪したいと思いました。どうせなら、今晩ここに泊めてほしいと思うほど。朝まで居させてください、みたいな状態でした。



ようやっと重い腰をあげ、高台寺掌美術館へ立ち寄りました。
豊臣家といえば、桐の家紋です。ほとんどそれしか知りません。
具足が3体展示してあったのですが、どれも組紐が浅葱色だったのが印象的でした。全然知らないんですが、あえて浅葱色を好んで使っているのでしょうか。
そんなこと気にしなくてもいいんですが、またどうでもいいような変な疑問を感じました。本当に悪い癖です。

ねねさんのお庭で満たされた私は、今日の宿へ向かいました。
京都駅前で何気に道を間違え、歩き疲れに追い打ちをかけられたこともありその夜は倒れ込むようにして眠りました。


~後編は2日目の朝から始まります~

京都・東山巡り(前編)

2007-10-30 | おでかけ
念願の京都旅行ダイジェストです。
今年は山歩きにでかけられず不完全燃焼ぎみ。
このストレスを晴らすには、「そうだ、京都行こう」となったのでした。

我が家のおでかけは、少ない予算のなかでいかに楽しく多くの場所にでかけるか、というのが大きなテーマ。
今回の京都旅行では珍しく新幹線を使ったものの、基本的に貧乏旅行テイストです。今回は、今年山歩きが出来なかったためにちょっとばかり残っていた有り金をはたいて行ってきました。

早朝、浜松駅から得意の「こだま号格安切符」を使い京都を目指しました。通勤時間の真っ最中ということもあり、のぞみやひかりにはサラリーマンがどっさりと乗り込んでいきました。こだま(各停)はゆったり、のんびり。京都まで2時間の道中でした。

京都は修学旅行以来。何年ぶりとか、数えたくないですね。数えませんが。

修学旅行の班行動では曼殊院や詩仙堂まで足を伸ばし、同じく東山を歩いたはず。
しかし悲しいかな、時の流れは残酷で記憶が殆ど残ってないんです。もともと時系列記憶が苦手な私ですが、ここまで忘れてるとは思いませんでした。
ひとつだけ覚えているのは、詩仙堂がすごく気に入ったっていうことでした。
当時の私は学校の勉強と同じくらい競馬の勉強(←勉強か?)に夢中だったので、京都競馬場ってどのへんですかとガイドさんに聞いたくらいです。ちょうど菊花賞の週だったので、10代の少女特有の妄想を膨らませていたのでした。

そんなことも思い出していると、新幹線新駅建設でもめていた栗東付近を通過しました。京都まではそんなに遠くなかったです。(ひかりなら90分だし)

まず向かったのは、平安神宮。


ちょうど挙式を挙げられている場面に出会いました。篳篥(ひちりき)の音色が聞こえ、神主さんに続いて、婚礼行列が歩いて本殿へ向かうところでした。黒引き振り袖の花嫁さんが、建物の朱色によく映えてとっても美しかった。
平安神宮で挙式できるなんて、すてきですね。

平安神宮では神苑を鑑賞しました。
明治時代の池泉回遊式庭園で、まことに雅な空間でした。

            
    おじゃる丸と出会えそうな、
    電ボがぷらぷらと飛んでいそうな、
    ヘイアンチョウに来たかと思うような、
       雅な雰囲気の中にも、近代チックな作庭。
     


植裁で目立ったのは、しだれ柳とカキツバタや睡蓮など。花の時期にはそれはそれは華やかなお庭になるだろうなと思いました。


続いては洛バスに乗り、清水寺へ向かうことにしました。
京都は修学旅行の学生でいっぱい。学生と呼ぶにはちと早いような黄色いキャップをかぶった子供達のグループまで。
バスを待つ時間も、次々に子供が集まってきて、皆同じ事を言うんです。
  「次、清水行っとく?」
  「一応清水おさえとく?」
  「清水はずせないよね」
集まった子供達は、私たちと同じバスに乗り、清水寺へ向かいました。


ある程度覚悟していたことですが、清水寺は学生と子供で溢れかえっていました。
この場所はたぶん、平均年齢が10代後半になるんではないかと思うほど。

随求堂の胎内巡りでも、子供特有の暗闇ハイテンションで悲鳴のような奇声のような騒ぎの中、真っ暗な地下を歩くのは違う意味でこわかったです。

              
 
ちょうどこの頃、雨がひどく降り出してきました。私の目線よりも低い位置で開いている傘がたっくさん。渋滞に近い状態で、清水の舞台は大混雑です。
こんなに人が溢れていると、耐震強度とかそんなことが頭をかすめます。
どこへ行っても、混雑には恐怖を感じてしまいます。

なんかここでぐっと疲れてしまった。雨に打たれ、デニムの膝近くまで跳ね上げで濡れてしまって。


続いて京都観光の王道、産寧坂から二年坂を歩き円山公園へ向かいました。
お昼はにしんそばをいただきました。そば屋さんでようやく腰をおろしてみて、自分が思っていた以上に雨で濡れていたことに気付きました。そば屋さんのお座布団にシミをつくってしまうのではないかと、ちょっとヒヤヒヤ。


円山公園といえば、とても有名な祇園しだれ桜があります。全国桜の名所ランキングのようなものでも常に上位に挙げられている銘木、のはずです。
近年樹勢が衰えていることは聞いていたのですが、銘木の傷みは衝撃を感じるほどでした。記録としてのカメラを向けることもできませんでした。とても痛々しかった。
公園内ではしだれ桜の2世の育成をしているようでした。


八坂神社
     
祇園祭の八坂神社は、地域に親しまれている神社という感じでした。
こちらは清水寺と打って変わり、女子高生ばっかり!
美人の神様も祀られているとあってか、ちょうちんには舞妓さんや美容室関係と思われる名入れのものが目立ちました。
美人の神様には、ちょこっとだけお願いをしてきました。
身の程を知らないとね~。

雨は時々小降りになったりするものの、傘をたたんで歩ける時間がほとんどなく、靴の中も冷たくなってきました。
雨宿りしながら甘いもんでも食べて、すこし休めばいいものを、よくばりな私たちはお詣りしたいお寺がありすぎて次に進みたくなります。


知恩院は大きな三門の迫力からして圧倒されてしまったのでした。

      

           
三門へと続く階段は険しく、登りきる頃には荒れ地の魔女の気分でした。最後の2、3段だけが蹴上の高さが低くなっていて、そんなところに仏様の優しさを感じてしまいました。

こちらでは方丈庭園を観賞しました。
石組で菩薩様を、サツキの刈り込みで来迎雲を表しているという池泉回遊式庭園でした。小堀遠州と縁のあった僧玉淵作とか。

   
私の今回の旅には、この小堀遠州作のお庭がたくさん出てきます。
裏テーマは小堀遠州の庭めぐりなのです。


この時間頃の写真に写る私の表情は、明らかに疲れといらだちが出ていました。
雨のせいで髪型もモッサリしているうえに、ひどい表情。
やばいです。人には見せられません~~~

人の波を縫って歩き疲れた。もう夕暮れも近いことだし、ちょっと休憩せねば。
今日の予定はまだ続くのです。
私の視界に飛び込んでくるのは、
    「みたらしだんご」
    「あまざけ」
    「くずきり」
    「ぜんざい」
    「くずもち」 という文字ばかり。もう限界。
 赤い毛氈と赤い和傘のお茶屋さんに吸い寄せられていきました。
         

東山詣で

2007-10-29 | おでかけ
念願の京都旅行へ行ってきました。
今回は東山巡りです。

お詣りした順に、

     平安神宮
     清水寺
     八坂神社
     知恩院
     高台寺
     圓徳院

     伏見稲荷
     東福寺
     南禅寺
     銀閣寺
     法然寺

庭園のすてきなところを中心にお詣りしてきました。
よくばって短時間であちこち歩き回りすぎ、翌日は筋肉痛が・・・
でも大満足です。

感動が新鮮なうちに旅のダイジェストをまとめたいと思います。

にほんいちおおきなはあと

2007-10-23 | おでかけ
この週末は全日本馬場の試合を観に行こうと、ずっと前から計画してたんですが。
国体の馬術競技に続き、馬インフルエンザの影響で延期となってしまいました。
(国体は中止かも)

残念。
福島の家のだんきち君が遠征するはずだった、大井競馬場のイベントも中止です。

競馬はなんとか開催しているようですが、乗馬の世界ではまだかなりの影響がでていますね。早く沈静化してほしいです。


なので、予定を変更してエアフェスタ2007へ行ってきました。
ブルーインパルスは何度観てもかっこいい。



空飛ぶペンギンにしか見えない可愛らしさ。
ほんとはドルフィン(イルカ)と呼ばれているらしいんですが、私にはペンギンに見えます。とくに背面がね。


ブルーインパルスからのプレゼント にほんいちおおきなはあと
これがいちばん盛り上がりますね~。観客のハートも射抜かれちゃうんですよぉ。

ブルーインパルスの展示飛行は、とにかく写真撮影が難しい。
航空祭の会場には、キャノン砲並のどでかいレンズを装着したカメラマンがごっそり!600mm~1200mmクラスだと思いますよ、たぶん。
1本数十万から百万円クラスのレンズを装着したおじさまたち。ほとんどがアマチュアカメラマンでしょ?その経済力がちょっとうらやましいかもです。

女性であのような装備をしたカメラマンは、航空祭ではあまりお見かけしませんね。やっぱり航空機はオトコのジャンルかな。


私なんかもう、撃沈です。
連写で必死に追いかけるんですが、空の写真増産してます。
当日は晴天で風も強くなく、スモークがよく見えてよかったんですが、とにかく眩しすぎて!コンデジの液晶ディスプレイには自分の顔が写り込むほどで、まったく見えなかったんですもの・・・とか言い訳してみる。

目指すのはこんな感じ
でもほんとに難しくてねぇ。
エプロン地区の場所取りも激しいし。
機材もそうですが、気合いも技術もあのおじさま達には遠く及びません

遠州の古刹を訪ねる

2007-10-21 | おでかけ
近場にすばらしい日本庭園があるらしいと知りながら、今まで足を運んでいなかったお寺にやっと行ってきました。

龍潭寺
私が観たかったのは小堀遠州作の庭園で、昭和11年に国指定名勝記念物となっているそうです。
お寺は幕末に活躍した大老・井伊直弼で知られる井伊家の菩提寺。

遠州・三河地方には徳川家康に由来した史跡や地名、あの時代に合戦場となった地名が数多くあり、まさに歴史の舞台となった土地なのだと思うことが度々あります。
武士を祀った寺社が多くあり、龍潭寺も徳川家康の加護を受け繁栄したそうです。

国指定名勝となっていることもあり、現在もとても手入れの行き届いた清々しい庭園でした。
庭園が表しているのは仏の世界。
作庭の技法や作者の意図など、鑑賞の参考となるような音声ガイドが流れていたのでとてもわかりやすく鑑賞できました。


「魔の季節」の厄を洗い流せたかもしれないと思えるような、妙にすっきりとした気分になれました。この頃行き詰まっている私には、よいクスリになったかも。



そしてまた、悪い癖が。

庭園の石組を見ていて、また疑問が沸いてきたのです。
あの風情ある石は300年の間に風化して、味わいがでていました。
でも、それってどうして?
山の石は風雨にさらされても無機質な感じをむき出しにして、時の流れを感じさせないものばかりだというのに。
なぜにあの庭園の石には経年の風情が出てきたのか、もう不思議でしょうがない。

気分はすっきり爽快だというのに、悪い癖には困ったものです。