「来年」を失わないために。

……来年があるってことは、ものすごく幸せなことやねんで。

【あの9月(1)】 いっしょに歩いた道

2005年09月05日 | あの9月
今年も9月がやってきました。

イーグルスが連勝したり若手投手陣の活躍でわいわいと一喜一憂している一方で、
「去年の9月は泣いてばかりいたなぁ」
と、思い出します。
あれはたった1年前のことだったのかと、
逆にもう1年も経ってしまったのかと、
何度思い出しても軽い驚きを覚えるのです。

9月は、またそんな思い出して切なくなったことを垂れ流してしまおうかと思います。
さぞかし鬱陶しいことでしょうが、気が向いたらお付き合いください。
そして、たった1年前にどんな悲劇があったのか、思い出していただけませんか。


去年の9月5日には、合併反対デモ行進(大阪)に参加しました。

この時、福岡のホークスファンの友人が大阪へ遊びにきていました。
彼女は、嫌な顔ひとつせず、むしろ喜んで、一緒にデモ行進に参加してくれました。
ホークスファンなのに、レッドdeハッスルの赤Tシャツを着て、本町付近から合流し難波まで歩き、その足で大阪ドームへ。
彼女はこのシーズンが始まる前に、冗談っぽくではありましたが
「ウチ(ホークス)、来年はないかもしれないし」
と言っていました。
愛する球団の来年を失うかもしれない。
それは彼女にとっては現実的で共有できる不安だったのだと思います。

あの時一緒に歩いた皆が、バファローズを失いたくないという同じ気持ちで歩いていた筈です。
バファローズファンだけでなく、その日の対戦相手であるホークスのファン、それ以外のチームのファンの皆さんがたくさん、一緒に歩いてくれたのです。

その日の試合は「バファローズとホークスの最終戦」でした。

最終戦の恒例である、エール交換。
「来年も、このチームで対戦しよう」
そんな祈りをこめて、がんばれホークス、がんばれバファローズと声援を送り合いました。

あの時ホークス応援団が送ってくれた「がんばれバファローズ」のコールは、

「オリックスバファローズ」に対するものでは決してなかった。


1年後の今。
一緒に歩いたバファローズファンの多くは今は同じ大阪ドームで
「オリックスバファローズ」を応援しています。
「ああ、オリックスバファローズ」という歌を歌っています。

そして私は、ゴールデンイーグルスを応援しています。


大きく反対方向に分かれてしまった道。
一度分かれてしまった道はもう二度と合流することはありません。
私が彼らと同じ道を歩くことは───

二度とありません。



「とりかえしがつかない」
というのは、こういうことなのです。

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