仕事帰りに、ある高校のラグビー部の練習を見に行った。なんとなく、だ。帰り道にあるので、行こうと思えばいつでも行けるんだけど、スクールの卒業生がいるわけでもないし、顧問の先生をかろうじて知っているくらいなもの。
突然の訪問にもかかわらず、先生は快く練習を見せてくれた。そして、生徒たちの家庭環境のことや、ラグビー部の問題点の話になった。
なんでも、この高校のラグビー部員達は、恵まれない家庭環境にある生徒が多いらしい。母子家庭であるとか、家が貧しいとか。だから、夏合宿の費用を稼ぐために、7月の20日ごろから10日間、みんなでバイトして合宿費用に充てるそうだ。
だから、どうしてもチーム作りが遅れてしまう、と先生がおっしゃっていた。同情したってしょうがない、されたくもないだろう。昔はよくあったことだ。何もできないなら、口だけでなんか言ったってうそ臭い。
練習が終わって、円陣ができた。キャプテンが話す言葉に、聞き耳を立てた。彼は話し下手のキャプテンだった。言葉もたどたどしいし、内容もとても整理できているようには思えなかった。でも、なぜか共感した。全体練習が終わっても、誰もグランドから帰ろうとしない。みんな楽しそうにボールを蹴っている。
先生の生徒を見る視線はやさしい。どこまでもやさしかった。どこかの国の総理大臣の「人生いろいろ、会社もいろいろ」っていう言葉は、このグランドには響いてこない。そこには、「気持ち」がないからだろう。
突然の訪問にもかかわらず、先生は快く練習を見せてくれた。そして、生徒たちの家庭環境のことや、ラグビー部の問題点の話になった。
なんでも、この高校のラグビー部員達は、恵まれない家庭環境にある生徒が多いらしい。母子家庭であるとか、家が貧しいとか。だから、夏合宿の費用を稼ぐために、7月の20日ごろから10日間、みんなでバイトして合宿費用に充てるそうだ。
だから、どうしてもチーム作りが遅れてしまう、と先生がおっしゃっていた。同情したってしょうがない、されたくもないだろう。昔はよくあったことだ。何もできないなら、口だけでなんか言ったってうそ臭い。
練習が終わって、円陣ができた。キャプテンが話す言葉に、聞き耳を立てた。彼は話し下手のキャプテンだった。言葉もたどたどしいし、内容もとても整理できているようには思えなかった。でも、なぜか共感した。全体練習が終わっても、誰もグランドから帰ろうとしない。みんな楽しそうにボールを蹴っている。
先生の生徒を見る視線はやさしい。どこまでもやさしかった。どこかの国の総理大臣の「人生いろいろ、会社もいろいろ」っていう言葉は、このグランドには響いてこない。そこには、「気持ち」がないからだろう。