みう と 青

みうと青の共同ブログ。
知ってる人には言えないけど、知らない誰かの通り過ぎる場所で呟きたい独り言があるのです。

モロッコ9日目(前半)  ヴォルビリス遺跡とムーレイ・イドリス

2016年07月13日 10時52分10秒 | モロッコ 2016年GW
モロッコ旅も大詰めの9日目。
明日には帰国便に乗っているなんて信じられん。

今日はヴォルビリス遺跡に行って、ムーレイ・イドリスに行って、
メクネスに戻って昨日見逃したものを見て、
カサブランカへ移動という、てんこ盛りスケジュール。

朝7:30くらいにエディム広場で新市街行きのタクシーを拾う。
デザインがグランタクシーだったけど、みんな街で降りる。
乗り合いで一人3DH。

「これからムーレイ・イドリスに行きたいんだよね~」と言うと、このタクシーでも300DHで行ってくれるとのこと。
歩き方通りの価格を提示された。

途中で残金を見誤り両替し過ぎていたため、随分とお金も余っていたし、今からシェア仲間を探すのも面倒くさそうだし、時間も節約したかったので、ろくに交渉もせず、言い値でチャーター。
なお、お会計は最後に戻ってきたときでOK。







8:30、ヴォルビリス遺跡に到着。10DH。
運転手さんに「1~2時間で戻る」と伝えて、いざ遺跡へ。







朝早すぎてお客さんは誰もいない。まるで貸切。
掃除のおじちゃんがモザイク画をデッキブラシでゴシゴシやってる。世界遺産なのに豪快。大丈夫か?
そして、暇なのか、人好きなのか、そのおじちゃんが色々案内してくれて、チェーンの掛かってるところにも「おいでよ」と入れてくれる。いいのか?
なおチップなども請求されず。ありがたや。



遺跡にクマ子(旅の相棒のシロクマ)を置いて写真を撮ってたら、警備員さんや現地ガイドっぽい人が寄ってきて、ひとしきり盛り上がる。

しばらくすると白人の少人数ツアーが来た。
自分がいる間に来た観光客は、この人たちだけ。
ってことは、メクネスでタクシーのシェアメイト探してても見つからなかったって事かも?





この後、しばらくこのツアーと行動を共にする。
ツアーと混ざったことで、謎だった「犬の館」がなんなのかも分かったし、ツアーの人たちも煙たがることなく仲間に入れてくれた。子供っぽく見えるから邪険にされないのかも?こーゆー時はアジアの童顔に感謝。

ツアーと離れてしばらくすると、新たなおじちゃんが声をかけてきた。
ガイドを買って出てくれてるようで、すかさず「マンデフルース(お金ない)。マーブギートゥシュ ルギードゥ(ガイドいらない)」という決め台詞を発動するも、上着の下の洋服の胸元のマークを示し「安心しはなはれ。おいらはここの警備員。警察みたいなもんさ」と。
確かに他の警備員さんたちと同じ服着てる。
若干の不安もありつつ、遠くには、さっき顔を覚えてもらったツアーの皆さんや警備員さんたちもいるし、まあ大丈夫だろうと判断し、微妙な距離を置きつつ、ついていくことに。







ヴォルビリスのモザイク画は、基本的には歩き方の地図で探せる。
けど、たまに「なるほど、これがそうなのね」と思って見てたら「ほら、こっちがメインのモザイク画だよ」って事もあったし、歩き方に紹介されてないけど見事なものもあったし、モザイク画以外でも、これはお風呂、これはトイレなど教えてくれたので、ガイドしてもらって良かったかも。



ヴォルビリス遺跡はなかなかの広さなので、歩き方の地図に縮尺が書いてなかったことは残念。

あまりにも丁寧に説明してくれるので「やっぱり幾らか請求されるかも?」と不安になってきた頃、入り口近くの遺跡から「クマコーー!」と呼ぶ声がする。
「地図落としてなーい?」
メクネスの地図がない!自分のだ!
って事でこれ幸いと、ガイドしてくれてたおじちゃんに礼を言い、そそくさと退散。
いい時間になってたし、地図を回収して、そのまま遺跡を後にする。

ヴォルビリス遺跡は、大きな建物は少ないので、迫力とかはそんなにないけど、ここのメインはモザイク画。
こちらは本当に鮮やかで繊細で、動物は予想以上にリアルだし、幾何学模様もステキだった。


お次はムーレイ・イドリスへ。
ヴォルビリスからは3.5キロくらいなので、車だとあっという間。
本当は歩きたかったけど、ムーレイ・イドリスでタクシーと合流とか厳しそうなので、素直に車で向かう。










町の入り口に駐車場があって、車は結構たくさん停まってるので、チャーターした車種やナンバーを覚えておくと吉。

街の地図はないけど、とにかく街歩きへGO!
メインっぽい通りの一本隣の道に入ると、狙い通りに庶民的なエリアが待ってる。





八百屋と肉屋ばっかりの通りを抜けると、広場に出て、ムーレイ・イスマイル廟はすぐそこ。行けば分かるって感じ。





ムーレイ・イスマイル廟は、非ムスリムは入れないので、入り口から見学&撮影。






お次はガイドブックでよく見る「山の上からのムーレイ・イドリス」の景色を求めて、とりあえず上を目指そうと思ってたら、狙い通りにガイド志望のおじちゃんが声かけてきた。
20DHって言ってるけど、早速決め台詞をお見舞いする。
「マンデフルース(お金ない)」
2往復くらいのやり取りで「ノーペイでOK」って事になった。

実際のところ、お金余ってるし、払う気満々なんだけど、相手が非正規のガイドさんなら、金額は自分で決めたいなと思ってたので、あえて、ね。



んで、おじちゃんと一緒にとにかく登る。
階段と曲がり角が多くって、ロバが活躍するのも納得。













そこかしこの通りが、色んな色に塗られてて、すごく可愛らしかった。
そんな事どこにも書いてなかったので、なんだかとっても得した気分。





頂上からは予定通りの景色を拝む。
この町は2つの丘から成り立っているので、間違えて向こうの丘に登っちゃうと、この景色は見られない。向こう行っちゃう人とかいるのかな?


写真を撮ってくれた少年。
焼く前のホブス持ってるw





丘を下っていると、眼下に子供達がワラワラ出てくるところがあって「なにあれ?行きたい!」と、ズンズン進む。

どうやら小中学校らしい。
校門から中を見学させてくれたけど、撮影はNGとのこと。
校舎はパッと見は割と普通っぽいけど、よく見ると独特のデザインの装飾がされてた。
上から見かけたときに建物も撮っておけばよかったかも。

子供達はマラケシュとかで見かけた、給食当番のような制服を着てる子と、着てない子がいる。校庭にはバレーボールのコートが張ってあった。



中坊男子のノリは日本と変わらず。
シャイでおバカでテンション高めで、たまにスカした子が混ざってる。
中坊女子のノリも日本と変わらず。
無責任に男子を焚きつけ、自分たちはさっさと高みの見物。大胆かつ恥ずかしがり屋。

学校の反対側からは、幼い子供達の怒鳴り声とも喚き声ともつかない雄叫びが。
幼稚園で園児たちがコーランの暗唱を練習中との事。
「見たい!」というと、ガイドさんが先生方に交渉してくれて、中に入れる事に。(撮影はNG)

アジア人が珍しいのか、教室の子供達は全員こちらをガン見。
ガン見したままコーランの暗唱を続けてる。
元気よく叫んでて、ホントに笑える。そしてかわいい。


アラビヤ語とベルベル語が併記されてる。




有名な緑の円柱型の塔は「世界に5つしかない」との事だけど、緑のが5つしかないのか、丸いのが5つしかないのか、その時代のものが5つしかないのか、はたまた別の括りなのか、英語が分からず謎のまま。

ガイドさんの家も見せてくれた。(撮影はNG)
鍵のかかるしっかりしたドアを抜けると、暗くてオンボロの階段があって、上まで行くと、天井の抜けた廃墟の最上階みたいなところに出る。その脇に、かろうじて天井が残りました的な、六畳くらいの小部屋があって、そこが彼の家。
入り口から見て左には、マットレスだけのベッドと、申し訳程度の仕切りのカーテンがあって、右側には卓袱台と、クッションともソファとかもつかない、椅子っぽいなにかと、ごちゃごちゃっと雑貨がある。
あとは小さい箪笥だか棚だかがあったような、なかったような。
ここにあるものが、彼の全財産なのだろうか?
だとしたら、いくらあっても足りない自分とは大違いだ。

「あがっていいよ」言われたけど、さすがにちょっと怖いので、すかさず左手の薬指に燦然と輝く500円の指輪を見せて「マイハズバンドが怒っちゃう」というと、それ以上は無理に勧めてくることもなく。


ゲームセンターも覗いてみた。





暗くて狭い部屋に、テレビと家庭用ゲーム機が置いてあるだけだけど、満席だった。
部屋の明かりはテレビ画面のみなので、ここで遊んでる子たちの視力低下が心配。
子供が大勢いるのに誰も振り返らなかったのはここだけだな。

そんな感じで、観光スポットではない場所にもズカズカ入り込み、あっちにフラフラ、こっちにヘロヘロと、寄り道ばかりの自分に面倒くさそうな様子も見せず、細やかにガイドしてくれたおじちゃんとも、ついにお別れ。
しかし最初の話通り、向こうからチップなど請求してこない。
さよならの握手のときに、手の中にお札を忍ばせておいたら、とってもびっくりしてた(演技かもしれないけどさ)。
そして、「おお!」と思ったのは、ガイドのおじちゃんがその場で金額を確認しようとしなかった事。

今までの人は、握手を離したら、チラリと手の中を確認したり、目の前で畳んだ紙幣を開く人もいた。
それが感じ悪いとは全く思わないし、そーゆーもんだと思ってたから。だからこそ、これまでは、額を確認しようとしてる隙にサクサク立ち去って、文句言わせない戦法を取ってきた。特に自称ガイドさんに対しては。
なので、今回のガイドさんの対応は、とても新鮮で懐かしかった。


おじちゃんと別れたあとは、1人で広場をウロウロ。



ムーレイ・イドリスでも、カフェの店先でボードゲームに興じるおじさん達がいてジロジロ見てたら、見物の若者達となんとなく仲良くなり、お茶を飲んでいくことに。
お店の人に「お茶淹れてるとこ見てみたい」と言ったらキッチンに入れてくれた。
小さなバーナーで、これでもか!ってくらいに湯をたぎらせてから淹れる様子を見て「こりゃ熱いわけだ」と、妙に納得。







さぁ、メクネスに戻ろう!


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