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電磁波による全身共振現象、及び 局所共振現象


電磁波による全身共振現象、及び 局所共振現象



全身共振現象


人体接地の場合


・ 安心して電波を利用するために

  平成17年6月7日
  総務省総合通信基盤局電波部電波環境課

  電波監視官 前田尚久



  P34 より

  全身共振現象の周波数帯

  VHF帯
  30MHz-300MHz



・ 全身共振現象に対する人体形状・姿勢の影響

  The Influence of Human Shape and Posture
  on the Whole-Body Resonance

  収録誌
  電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技研
  IEICE technical report. Electromagnetic compatibility
  Vol.102, No.405(20021024) pp. 19-26
  EMCJ2002-54,MW2002-84(2002-10)
  社団法人電子情報通信学会 ISSN:09135685

  1 田中 雄高 2 渡辺 聡一 3 山中 幸雄 4 多気 昌生 5 高橋 應明



  P19 より

  1.はじめに

 VHF帯では人体身長と波長が同程度になるため、全身共振現象が生じ、共振周波数付近で人体吸収電力が著しく増大することが知られている[1]。この全身共振現象を考慮して、電波防護指針[2]の電磁界強度指針では、VHF帯(30-300 MHz)において、他の周波数領域よりも厳しい指針値(一般環境で電界強度が27.5V/m以下)を勧告している。

  ※ [1]、[2]の文献は現在検索中。



  上記、同資料

  P22 より


  3.1 欧米人と日本人の比較

 均一、不均一組織の米人男性モデルと日本人男性モデルの接地条件下における計算結果を図4~6に示す。全身平均SARの周波数特性(図4)において、全身平均SARがピークとなる共振周波数は、欧米人、日本人モデル共に35MHz付近であることが示されている。

  図4























  3.2 男性と女性の比較

 日本人成人男女モデルでの計算結果を図7~9に示す。
全身平均SARの周波数特性(図7)より、共振周波数は男性モデルで35MHzであるのに対して、女性モデルでは38MHzである。

  図7






















  上記、同資料

  P23 より


  3.3 各年齢モデルの比較

 日本人成人男性モデルおよび日本人男児モデル(14, 12, 10, 7歳,)における計算結果を図10~12に示す。
 全身平均SARの周波数特性(図10)より、共振周波数は各モデルの身長に応じて変化している(成人男性モデルは35MHz、14歳男児モデルは38MHz、12歳男児モデルは41MHz、10歳男児モデルは44MHz、7歳男児モデルは48MHz)。

  図10























  3.4 姿勢の違いの比較

 日本人成人男性モデルの各姿勢(直立、歩行、片足上げ、座位)での計算結果を図13~15に示す。

 全身平均SARの周波数特性(図13)より、各モデルの共振周波数は、直立/歩行/片足上げモデルで35MHz、座位モデルで41MHzである。直立モデルと歩行モデルはほぼ同じ特性を示している。一方で、片足上げモデルおよび座位モデルでは、共振周波数付近での値が直立・歩行モデルよりも減少していることが示されている。しかし、共振周波数以上の周波数領域では、各姿勢に関わらず、ほぼ同程度の値を示していることは興味深い。 

  図13























人体非接地の場合


・ 時間変化する電界、磁界及び電磁界による
  曝露を制限するためのガイドライン
  (300GHzまで)

  GUIDELINES FOR LIMITING EXPOSURE
  TO
  TIME-VARYING ELECTRIC, MAGNETIC, AND
  ELECTROMAGNETIC FIELDS (up to 300GHz)

  1998年4月


  国際非電離放射線防護委員会
  
  International Commission
  on Non-Ionizing Radiation Protection



  P6 より


  電磁界からのエネルギーの吸収

 低周波電界および磁界への曝露では、通常、無視しうる程度のエネルギー吸収しか生じず、測定できるような温度上昇はない。しかし約100kHz以上の周波数の電磁界への曝露では、顕著なエネルギー吸収および温度上昇が生じる。一般には、均一な電磁界(平面波)への曝露でも、体内には非常に不均一なエネルギーの蓄積と分布が生じる。これを曝露量測定および計算によって評価しなければならない。

  人体によるエネルギーの吸収に関して、電磁界を4つの範囲に
  分けることができる (Durney et al. 1985)。

    ・  約100kHzから約20MHz未満までの周波数範囲。
      この周波数範囲では、周波数の減少とともに胴体での吸収は急激に
      減少し、顕著な吸収は首と下肢に生じる。

    ・ 約20MHz~300MHzの周波数範囲。
      この周波数範囲では、全身の吸収が比較的大きくなる。
      ただし、人体の部分(例えば頭)での共振を考慮に入れれば、
      さらに高い周波数までがこの範囲に含まれる。

    ・ 約300MHz~数GHzの周波数範囲。
      この周波数範囲では、顕著な局所的、不均一な吸収が生じる。

    ・  約10GHzを越える周波数。
      この周波数範囲では、主に人体表面でエネルギー吸収が生じる。



  上記、同資料

  P7 より


 生体組織では、SARは体内電界強度の2乗に比例する。平均SARおよびSAR分布は計算あるいは実験測定値から推定される。SARの値はつぎの要因によって決まる。

    ・  入射電磁界のパラメータ、すなわち周波数、強度、界の向き(偏波)、
      および発生源と対象物体の相対的配置(近傍界または遠方界)。

    ・  曝露を受ける人体の特性、すなわち体格、内部および外部の
      幾何学的形状、様々な組織の誘電的性質。

    ・ 地面の影響および曝露を受ける人体の近くの他の物体の反射の影響。
 
 人体の長軸が電界ベクトルに平行で、平面波曝露の状態(つまり遠方界曝露)である時、全身SARは最大値に達する。吸収エネルギーの大きさは、曝露される人体の大きさを含む多数の要因によって決まる。「標準的人間」(ICRP 1994)は、非接地の場合、70MHzに近い共振吸収周波数をもつ。より背の高い人の場合、共鳴吸収周波数は幾分低くなり、より背の低い成人、子供、赤ん坊や座った人の場合、共振吸収周波数は100MHzを超える。電界の参考レベルの値は、人体でのエネルギー吸収の周波数依存性に基づいている。
接地した人では、共振吸収周波数は約半分になる(UNEP/WHO/IRPA 1993)。

  上記、記事より

    ・ 人体が地面に接地した場合、共振吸収周波数は約半分になる。
      (UNEP/WHO/IRPA 1993)

    ・ 全身のSAR値の最大値、吸収エネルギーの大きさは、
      曝露される人体の大きさを含む多数の要因によって決まる。

    ・ 人体は、非接地の場合、70MHzに近い共振吸収周波数をもつ。
      より背の高い人の場合、共鳴吸収周波数は幾分低くなり、
      より背の低い成人、子供、赤ん坊や座った人の場合、
      共振吸収周波数は100MHzを超える。



  上記、同資料

  P43 より


  共振 : 波の周波数が媒質の固有周波数に近づく、
        あるいは一致したとき起こる振幅の変化。
        周波数(MHz)が約114/L、(Lは身長(m))
        の時に共振が起こり、その時に電磁波の
        全身吸収は、値が最も高くなる。


  上記の『共振』の公式

  『 約114 / L = M 』

  Lは身長(m)、Mは周波数(MHz) より


    1.180cmの人の場合
      114 /1.8 =63.33333333 MHz ≒ 63.3 MHz

    2.169cmの人の場合
      114 /1.69 =67.4556213 MHz ≒ 67.5 MHz

    3.157cmの人の場合
      114 /1.57 =72.61146497 MHz ≒ 72.6 MHz

    4.136cmの人の場合
      114 /1.36 =83.82352941 MHz ≒ 83.8 MHz




局所共振現象


・ 遠方界暴露の人体全身数値モデルにおける器官共振のSAR計算

SAR Calculation of Organ Resonance Characteristics In Anatomically Based Human Model for Far-Field Exposure

収録誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
IEICE technical report. Electromagnetic compatibility 103(488)
pp.11-15 20031128
社団法人電子情報通信学会
名古屋工業大学大学院工学研究科

1 向出 尚正 2 王 建青 3 藤原 修


P13より

4.体内器官の局所共振特性

主器官として、頭部、脳、眼球、睾丸、心臓、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓を対象とし、これらの器官に対する平均SARの周波数特性を計算した。

図5






































表2は各共振周波数での器官平均SAR値及び全身共振時のSAR値に対する比を纏めて示す。心臓、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓の五つの器官においては、全身共振時のSAR値よりも低いレベルで局所共振が起きているが、頭部、脳、眼球、睾丸の四つの器官では、全身共振時のSAR値より高いレベルで局所共振が起きていることがわかる。特に900MHz付近で、眼球については5.33倍、睾丸については2.27倍も高くなっていることがわかる。

表2



























  上記、同資料

  P14 より


5.身長・体重の共振SARに及ぼす影響

共振周波数は人体寸法や器官サイズに大きく依存することから、身長と体重の相違による共振周波数及びSARへの影響について調べた。

図6
























これらのモデルに対して、並列FDTD計算で入射電力密度が1mW/cm2のときの共振周波数付近での全身共振SARを計算した。その計算結果を図7に示す。BAFBモデルとThin-BAFBモデルを比較してみると、身長が同じで体重が43kg軽いThin-BAFBモデルは、共振周波数は同じであるが全身平均SARは36%も高いことがわかる。また、BAFBモデルとShort-BAFBモデルを比較してみると、体重はほぼ同じで身長が10cmも低い場合には、共振周波数はシフトするが、全身平均SARは4%程度とあまり変わらないことがわかる。

図7
























  上記、同資料

  P15 より

6.むすび

遠方界曝露の解剖学的人体全身数値モデルに対して人体組織内SARを並列FDTD計算で求め、30MHz~3GHzにおける器官局所共振特性を調べた。また、人体モデルを横幅方向及び身長方向を縮減したモデルを新たに製作し、身長や体重の相違が全身共振へ及ぼす影響を調べた。その結果、65MHz、200MHz及び700~900MHz付近で器官局所共振がみられ、65MHz付近での共振は人体縦方向での全身共振、200MHz付近での共振は人体横幅方向での共振、700~900MHz付近での共振は、器官自身の寸法によるものと推察することができた。また、胴体内器官での局所共振時のSAR値は、全身共振時のそれより低いが頭部眼球睾丸四つの器官では全身共振時のSAR値より高いレベルで局所共振が起きており、最大で5倍以上に達することがわかった。さらに、身長が同じで体重が軽い場合は共振周波数が同じであるが全身平均SARは著しく高くなること、体重はほぼ同じで身長が低い場合は共振周波数がシフトするだけで全身平均SARはほとんど変わらないこと、などがわかった。

なお、器官共振現象や身長・体重の影響で全身や局所の平均SARは増加するが、それらの値は電波防護指針を超えるものではない。共振状態に対する体内器官の生理学影響は現時点では不明であり、このことの検討が今後の課題となる。




参考 : (私的計算

      上記、 人体非接地の場合 より
      
      『共振』の公式 約114 / L = M
      (Lは身長(m)、Mは周波数(MHz))

      と

      上記、 人体接地の場合 より

      接地した人では、共振吸収周波数は約半分になる
      (UNEP/WHO/IRPA 1993)

      から

全身 縦 : 114cm~228cm

        非接地 100M~50MHz ・ 接地 50M~25MHz

全身 横 : 30cm~45cm

        非接地 380M~253.3MHz ・ 接地 190M~126.65MHz

頭部 縦 : 20cm~30cm

        非接地 570M~380MHz ・ 接地 285M~190MHz

頭部 横 : 10cn~20cm

        非接地 1140M~570MHz ・ 接地 570M~285MHz



 




























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</object>

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注意 : この記事は未完成な記事です。
       後程、修正、加筆を加えます。



2009年5月6日 記

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