太 極 拳 最 高 

健 康 を デ ザ イ ン す る

宰相の資格 五

2009-09-10 09:21:36 | Weblog
五、貧にしては其の取らざるところを視る
 懐具合がよく金周りのいい時には、人間は慌てたりうろたえたりすることはまずないが、その同じ人間が、一旦貧乏して苦しくなると、途端に悪くなる。悪くならないまでも尾羽打ち枯らしプライドも捨てきって、飲み呆けて騒ぎ出す。そしてついには、不正の金と分かっていても手を出してしまうことになる。
 貧乏であろうと泰然自若としていればいい。
 目的を持って生きればいい。己の信ずるところに従って生き、修養に努めれば、そこに積極的な人生の楽しみが生まれる。
 貧乏にも「赤貧」と「清貧」とがある。徳のない貧乏人を赤貧といい、徳のある人の貧乏を清貧という。十六世紀の始め、日本を訪れたフランシスコ・ザビエル神父が、この清貧について驚きと感激を著した文章が残っている。「日本人には、キリスト教国民の持っていない一つの特質がある。それは武士が如何に貧しくとも、その貧しい武士が富裕な人々から、富豪と同様に尊敬されていることだ。彼らは武士、平民を問わず、貧しさを恥だと思う人は一人もいない」と。
 今度の選挙で野に下った多くの自民党代議士の内、選挙費用の借金が何千万という人がいるが、果たして「武士は喰わねど高楊枝」と、清貧に甘んじることができるか。