太 極 拳 最 高 

健 康 を デ ザ イ ン す る

宰相の資格

2009-09-02 10:35:33 | Weblog
 いま日本の主相が変わろうとしています。宰相論を展開してみることにしましょう。
 魏の文帝 (187~226年) の幕賓 (ばくひん・ブレーン) に李克 (りこく) がいました。彼は中国史上稀に見る幕賓として名を馳せ、師傅 (しふ・父ともいえる師) として遇され、右に出る者はいないであろうといわれたほどの、傑出した人物です。
 ある日彼は文公に呼び出されてこう質問されました。
「先生はかつて、家が貧乏したときには、家政の切り盛りをうまくして家を治めてくれる、しっかり者の妻がいればいいと考え、国が乱れて民が喰うや食わずの苦しみにあるときには、うまく国を治めてくれる宰相が欲しいものだと教えてくれました。
 今まさしく戦国乱世の時代に入り、国家存亡のときに当たり、国を治めるに足る良い宰相がいなければ、この魏の国が立ち行かないギリギリの決着を付けなければならない時機にあります。日夜腐心の末ようやく「魏成・ぎせい」か「翟璜・てっこう」の二人の候補に絞りましたが、何れを宰相にすべきかの最終判断に迷い、是非とも先生の意見を承りたい」。と、文候は幕賓の李克に対し師礼を以て尋ねました。
 一国の宰相を選ぶに当たり、その重大さを考えると、軽々には答えられない問題です。そこで李克は、「宰相たる条件を五つお教え申すから、その条件に適った方を宰相にするのが宜しかろう」といって、宰相の器たるべき五つの物差しを提示しました。