もう騙されないぞ(Won't Get Fooled Again)

旅、音楽、日常・・・まったり雑談します

石見銀山

2007年05月13日 | バックパッカー
午前中は日御碕を観光し、出雲大社付近にある島根ワイナリーに立ち寄った後、レンタカーで島根西部に位置する石見銀山跡に向かった。島根ワイナリーは島根産ワインやワイン関連商品、それに島根特産品も豊富に扱っているため、団体ツアーの主要な立ち寄り先にもなっている模様。試飲コーナーで島根ワイン約10種類が試飲できますが、調子に乗って全種類ハイペースで試飲し、後でしっかり酔っ払った方もいらっしゃるので飲みすぎには注意しましょう。なお、お子様、運転手、僕のような下戸のためにブドウジュースも試飲できます(果汁100%ではないのでやや不満)。

さて、出雲市から車で約1時間半、石見銀山入り口にあたる大森地区に到着。途中の電光掲示板には只今石見銀山は混雑中とのサインがあったそうだが、いくら今年の夏に世界遺産に登録される可能性が高いエリアだからといって、まさか人が溢れるほどやってくるわけがなかろう、とたかをくくっていた。石見銀山に向かう道など交通量も少なく快適であった。

しかし、大森地区に入って驚いた。人で溢れかえっている。入り口周辺の駐車場はすでに満員で、あたりは路駐だらけ。入り口から2.5kmほど上ったところにある駐車場もほぼ満員だったけど、ようやく駐車場奥のスペースに車を入れて事なきを得た。駐車場から石見銀山エリアへはバスが運行されており、5分ほどの乗車ののち先ほどの大森地区まで行ける。バスを待っている途中、地元のボランティアと思われるおじさんが、「このエリアには約500人しか住んでいないが、今日は8000人もの観光客が訪れている」と困惑しながら話していた。夕方のニュースでは、この日だけで1万人は訪れたと言っていたから、収容能力を大幅に超えているのだろう。恐るべし世界遺産効果。

石見銀山エリアは昔ながらの街並みが細長く続いており、周囲で獲れた鉱石のアクセサリーや銀製品がお土産として売られている。ここの目玉は銀採掘が実際にされていた鉱山(間歩(まぶ)という)内に入れること。大森地区から歩いて約1時間のところに、通り抜け坑道の「龍源寺間歩」がある。坑道内は狭くてところどころかがんで歩かなければいけない場所もあるが、こんな狭い場所で銀の採掘がされていたのと同時に、かつては世界の銀生産量の3分の1をここで採掘していたことに驚かされる。龍源寺間歩内部は20分程度で通り抜けできます。

周囲は石見銀山が世界遺産に登録されることを願っている様子ではあるが、僕としては時期尚早のように感じた。もっと言わせてもらえば、観光的視点でみれば、ここは世界遺産に登録されるほどのレベルには達しておらず、インフラ整備を含めた国内はもとより世界各国からの観光客をさばく能力・準備が遅れている。訪れたのが5月4日という、ゴールデンウィークでも最も混雑する時期だったためやや否定的な印象が残った感があるのは致し方ないが、注目度は数年前より格段と上がっているし、ひょっとしたらこれからさらに上がることも予想されるので、地元の人はともかく、周辺自治体や島根県も「おらが町おこし」的な感覚ではなく、世界にアピールできる実力をじゅうぶん備えた準備を急ピッチで行なっていただきたい。

・・・なんてことを書いていたら、今日のニュースでこんなのがあった。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070513k0000m040097000c.html
石見銀山の世界遺産登録が延期になったとのこと。実際に登録の可否がでるのは来月下旬。それまでに石見銀山側が適切な対応を取れるのか、また、審査する側が石見銀山をどう評価するのか気になるところではあります。