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Shpfiveのgooブログ

主にネットでの過去投稿をまとめたものです

米中貿易戦争について、トランプ大統領は「世界大恐慌の引き金を引いた大統領」と呼ばれたいのだろうか?

2018-09-30 23:08:32 | 国際情勢
さて、私自身は「米中貿易戦争」について、かつてこのような予測をたてていました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14192499029


(質問文)

以下、米中の貿易戦争に関する会話です。トランプ政権の取り巻きの「反中思想」につき、貴方のご意見をお聞かせください。

<質問者ー私>ロイター記事に、以下のようなものがありました。
こんなこと、最初からわかっているじゃない、と言いたいような内容ですが・・。

GMとトヨタ、米自動車関税に反対表明 悪影響を危惧
[29日 ロイター] - 米ゼネラル・モーターズ(GM)は29日、 トランプ政権が導入を検討する自動車輸入関税について、「自社の規模縮小」につながり、世界市場から米企業を隔離する可能性をはらむと指摘した。 商務省に提出したコメントで、「GMの規模縮小や、米国を象徴する当社の存在感が国内外で低下する事態につながり、国内雇用が増加でなく減少する恐れもある」との見方を示した。さらに、関税が自動車価格の上昇につながり、販売減を招く恐れがあると指摘。仮に関税の影響に伴うコスト高を価格に転嫁しなければ「投資の減少、さらに雇用の減少、賃金低下につながり、いずれ画期的技術の遅れに至る可能性がある」とした。

<回答者>
そんなことわかっているでしょう。不動産屋のトランプさんはともかく、思想はともかく、とても優秀な閣僚です。問題は、思想ですけどね。

トランプさんはともかく、ナバロさんは、ここで、少々米国経済がダメージを受けても、中国を叩くべきとする思想の持ち主(そういう著作があります)です。ボルトンさんは、過激な反中思想持ち主で、ライトハイザーUSTR代表、ロス長官も、このまま中国を放置しておけば、米国は中国の軍門に下ると考える思想家です。ムニューシンさんも、基本思想は反中(でなければ、外されている)ですが、今のやり方がまずい、と考えているようですね。

つまり、すべて反中。ですから、米中経済戦争は根が深い。すくなくとも、中間選挙までは、続くでしょう。

もし中間選挙に勝てば、これまでと同じように、ナバロさんの首を切るでしょう。 負ければ、トランプ政権、急速にレームダック化します。しかし、米国の政治は混乱するでしょうね。
とはあれ、選挙と人気のためのポピュリスト政権ですから、株価が下がるのはまずい。とりあえず、株価を横にらみしながら、過激な発言と訂正が続くと思います。信条のないトランプさんはともかく、取り巻きは、狂信者です。


(私の回答)


リクエストいただき、ありがとうございます。

あえて大胆な予測をたてますが、米中貿易戦争は、おそらく来月、つまり7月上旬にはいったん「停戦」という形で、おそらくは中国側が譲歩する形で決着がつきます。

既に言われている「500億ドルの25%関税」分についててあれば、アメリカ側が「大人の対応」をするでしょう。

実は中国経済は非常にヤバい状態にあるんですが、ここでアメリカが圧力をかけすぎて中国経済を破綻させてしまうと、その余波はアメリカにまともに返ってきます。

トランプ大統領を支持するアメリカ保守層は「中国叩き」を確かに喜びます。

が、本当に中国を破綻させてしまったら、世界経済に与えるショックが大きすぎ、巡りめぐってはアメリカにも不利益をもたらします。

>株価を横にらみしながら、過激な発言と訂正が続くと思います

→中国経済が本当に破綻したら、アメリカの株価だって影響は大きいですよ。

そして中国は今、本当にヤバいところに来ているんです。

そのくらいのことは、いくらトランプ大統領の取り巻き連中が「反中」だったとしても、わからないはずがないと思います。


言うまでもなく、この予測は外れ、米中貿易戦争は今や報復合戦と化し、いつ終わるともしれません。

それについて、Yahoo!知恵袋でこのような「質問」をたてた投稿者もいます。
(個人的には某悪質投稿者の別IDだと思っていますけど)

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13196547748?__ysp=c2hwZml2ZQ%3D%3D


shpfive氏が
「米中貿易戦争は長くても7月上旬で手打ち」
「どちらも形だけ、本気じゃない」
「トランプの中間選挙に向けて顔が立てば良い」
って言ってたのに、そうなってないじゃないですか。
彼の理論は、合ってるのでしょうか?

中国との貿易戦争が終われば、次は日本だとは思いますが。


私がYahoo!知恵袋で「米中貿易戦争」について回答したのは上に引用した一件のみですので、この
ara********氏なる人物の「質問文」には恣意的な「解釈」が入っているのは良識ある閲覧者の皆様にはお分かりいただけることと思います。

「米中貿易戦争は長くても7月上旬で手打ち」

私はこのように回答しています。

あえて大胆な予測をたてますが、米中貿易戦争は、おそらく来月、つまり7月上旬にはいったん「停戦」という形で、おそらくは中国側が譲歩する形で決着がつきます。


いったん「停戦」と、「米中貿易戦争は長くても7月上旬で手打ちでは、全然意味が違います。

回答文をきちんと読めばわかると思いますけど、私自身は米中双方が「どちらも破局を望まないだろう」という理性的な判断をすることを前提に予測をたてています。

また米中の根本的な対立が解消するとも思っていません。

勿論、それであるにしても私自身が予測を外したのは確かではありますが、だからと言って発言を改竄されていいというものでもないでしょう。

なお、当該案件の質問者の方は理性的で良識をお持ちの方であると認識していますので、まず、間違いなく、このような意図的な曲解をするような下品な投稿者と同一人物ではないでしょう。

それに、この人物は

中国との貿易戦争が終われば、次は日本だとは思いますが。

などという寝言を言っていますが、米中の貿易戦争が、仮にアメリカの完全勝利で終わったとしても、その時点で両国の貿易戦争の余波により我が国も大打撃を受けた後に決まっています。

そもそも米中貿易戦争がアメリカと中国の二国間だけで完結するなどと思えるのだとしたら、少々物を知らなさすぎるように思います。

アメリカのトランプ政権は、既に中国のみならず、EUなども敵に回そうとしていますし、また当初はロシアに接近したものの、結果的には相手にされず、既にロシアも反米陣営の一方の旗手です。

世界はトランプ政権の思うように動いてはいないようです。

さて、それはともかく

私自身が上記の予測をたてたのは

2018/7/120:14:37返信分より


おそらくはアメリカ側も落としどころさえ決まれば、適当ななところで「大人の対応」をとるはず。

トランプ大統領にしたところで、まさか

世界大恐慌の引き金を引いた大統領とは言われたくないでしょうから。


というところにありました。

この予測が外れたということは

トランプ大統領は

最悪「世界大恐慌の引き金を引いた大統領」と呼ばれても構わないと判断しているか、さもなくば

そこまでの判断力を持ち合わせていないか

のどちらかとしか思えなくなります。

後者であるならトランプ大統領は「無能」のレッテルを貼られかねません。

まるで「スムート・ホーリー法」の再来を見るかのようです。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO32467790Q8A630C1EA2000


1930年代、恐慌に陥った米国は「スムート・ホーリー法」で2万品目の輸入関税を平均60%まで引き上げた。保護貿易で米製造業は瞬間的に回復したが、欧州などが一斉に報復関税を発動。米国の輸出は3年で半減した。米英独の失業率は一時20%を超え、第2次世界大戦の一因となった。

現在の世界貿易機関(WTO)体制はその反省から生まれたが、トランプ氏は脱退すらちらつかせる。自由主義経済を先導したG7も分断が鮮明だ。30年代の貿易戦争に比べ、足元の通商摩擦の規模はまだ小さい。ただ、戦後の世界経済は格段にグローバル化が進んでおり、国際貿易が滞れば各国に甚大な打撃を与えることになる。


ただでさえ世界経済における「2020年問題」が取り沙汰されている時に、こんなバカなことをするなら、その大きなしっぺ返しはアメリカ自身にも跳ね返ってくるでしょう。

トランプ大統領が上手な対応をすれば、弱味のある中国側も面子を失わない範囲での「大人の対応」が出来たはずですけど

この貿易戦争の過熱ぶりは、そんな可能性を潰しました。

このまま「米中貿易戦争」が過熱し、拗れていけば

世界経済全体に大きな悪影響が出ることも考えないといけないでしょう。

勿論、そうなったときに

我が国が無傷でいられるはずもありません。

そしてトランプ政権は世界の災厄となる可能性が大きくなったといわざるを得ません。

私はトランプ大統領が、そこまでバカだとは思えないんですけどね。


過去30年以上、プルトニウムによる人体実験を行っていたアメリカがジョージアで人体実験を行っていたことが明らかになったからといって、今さら驚くことはない

2018-09-17 16:58:36 | 国際情勢
なにやらYahoo!知恵袋なるところで、このような質問がたっているのを見かけました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12196287787

米軍が生物兵器による人体実験をしていたとジョージア(グルジア)で大騒ぎになっています。
このときのサアカシュヴィリ大統領はアメリカの傀儡なのですが、その後、ジョージアから逃げて国際指名手配犯になり、ウクライナの国籍をもらって知事になったかと思うと、ウクライナ大統領と喧嘩して無国籍者にされてしまうなど、シッチャカメッチャカの大変な騒動を起こしているのですが、このようなスキャンダルが大好きな日本のメディアが何故かスルーして全くと言っていいほど報道していません。

すごく興味深い国際的な事件なのに、どうして日本のメディアは報じないのですか?


ジョージア元国家安全相、同国でのアメリカの人体実験を暴露
http://parstoday.com/ja/news/world-i47827

ロシアのニュース
http://www.vesti.ru/doc.html?id=3059319&cid=5


個人的には、以前からアメリカが「人体実験」を行うことを躊躇しない国であることを知っていたので、今さら感があったりもします。

またジョージア(旧グルジア)でアメリカが行っていたことは、かつて我が国が中国で731部隊の主導で行っていた「人体実験」を連想させるものもありますが、それはおきましょう。

ただ、ああいうところで問題提起しても、正直、いい回答がつくのかどうか、そういう意味での疑問と関心はありますね。

さて、せっかくですので、今回はアメリカで1940年から約30年にわたり「プルトニウムによる人体実験が行われてきた」ことを明らかにした書籍が(少し前ですけど)新装本として再登場しているニュースも紹介させていただくことにしましょう。

ピューリツァー賞受賞ジャーナリストであるアイリーン・ウェルサムの衝撃のノンフィクション『プルトニウムファイル いま明かされる放射能人体実験の全貌』がそれです。

かつて中古市場で一万円以上の価格でないと入手できない本でしたが、新装版が登場し

現在はこうやってAmazonでも入手できるようになりました。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB-%E3%81%84%E3%81%BE%E6%98%8E%E3%81%8B%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E4%BA%BA%E4%BD%93%E5%AE%9F%E9%A8%93%E3%81%AE%E5%85%A8%E8%B2%8C-%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%A0/dp/4798130885/ref=as_sl_pc_ss_til?tag=hamutaro00-22&linkCode=w00&linkId=&creativeASIN=4798130885

以下は、デモクラシー ナウ オルグ ドット コムによる
「プルトニウムファイル」の著者アイリーン ウェルサム氏へのインタビュー(翻訳)を一部抜粋したものです。

ご参考までに。
http://onodekita.sblo.jp/s/article/59641109.html

著者 基本的に確認されたことは、アメリカ国民に対して何千もの実験が行われたということ、そして、被験者になったのは社会でも一番の弱者であったということです。つまり、子供、若者、公民権のない人、貧困者、有色人種であり、質問をするということさえ知らない人々だったということです。
言葉を換えて申せば、被験者は、医者の子供ではなかったし、医者の友人ではなかったのです。弱い立場の人々が被験者になったのです。

司会 アメリカの何カ所で行われたのですか。マサチューセッツのファーノルド校、シンシナティの実験...アレンさんは、カリフォルニア大学バークリー校で注射されましたし...何カ所の場所で、政府の科学者達は働いていたのでしょうか。

著者 何百もの場所でです。私立病院、公立病院、軍事施設、孤児院など、医者の職場であるなら、どんなところでもです。放射能を扱っており、研究予算を得て論文を書けるところなら、どこででもです。

司会 監獄はどうですか。

著者 ええ、本当に本当にむごたらしい実験がありました。あの...あのう、囚人の睾丸に放射線が照射されたのです。

司会 その実験は、どこででしたか。

著者 えー、主にオレゴンですね。この実験は、NASAのために行われたのです。アメリカ航空宇宙局は、宇宙飛行士が宇宙で受ける放射線に関心を持っていたからです。

司会 それで、囚人達はどうなりましたか。

著者 私がインタビューした囚人の多くは、いまだに獄中におりますが、彼らはありとあらゆる健康上の問題を抱えています。ガンであったり、その他の健康障害もあります。

司会 訴訟についてお聞かせください。

著者 たくさんの、本当にたくさんの訴訟が起こされました。何家族かは、賠償金を受け取りました。あの...プルトニウムを注射された患者達の家族は、平均で40万ドルを受け取りましたが、これが最高金額だと思います。他の被験者に関しては、これよりも少ない金額でした。

司会 今という時代をどう思われますか。私たちは、なにかの教訓を得たのでしょうか。今、お話を聞いている人々のなかには、疑問を抱き始める人も多くいるだろうと私は思うのですが。

著者 ええっと私が...私が思うに...自分自身を守ること、患者としての自分や大切な人を守るということは、質問をすることによってなし得ると思います。また、自分たちを守るためには、このような恐ろしいことが二度と起きないようにするためには、日々の生活で行われていることがl隠されておらず、情報が公開されているようにすることが大切だと思います。なぜなら、情報が公開されていることにより、恐ろしい芽が摘み取られることになりますし、過去の非道で非倫理的な人体実験が繰り返されないようになるからです。

司会 でも、以前よりずっと情報が隠されてしまう時代になったと仰っていますね。

著者 その通りです。実際、この本を書いていたときに気づいたことなのですが、直感したことなのですが、「あっ、小さな窓が閉じつつあるんだ。私は、その窓が閉じてしまわないよう抗っているんだ」と思ったのです。本を書いていたときに入手できた資料のうちのいくつかは、今では入手できない、と思います。

司会 兵士達についてお聞かせください。

著者 兵士...何千もの...何千もの兵士がネバダの核実験場に動員されました。

司会 どのようにですか。

著者 えっと、彼らは、爆発直後の爆心地に行かされましたし、空軍のパイロットは、キノコ雲に突入させられました。太平洋では、核実験が繰り返されましたが、兵士や水兵は、放射能汚染を受けた道具等を回収するよう命じられました。


司会 では、個人的に放射性同位体を与えられた人たちの他に、つまり、マサチューセッツのファーノルド校の子供達や、ビタミンカクテルと称する放射性物質入りの飲み物を飲まされた女性たちの他に、不特定の人々も被爆させられたのですね。大気に放射性物質が拡散されたということですね。その空の下には、街や学校があるというのに。

著者 その通りです。 ええっと..もっとも有名なのは、ハンフォードのグリーンラン実験です。そこでは....

司会 ワシントン州のですか。

著者 ワシントン州のです。そこでは、放射性ヨウ素が拡散され、平原は大変汚染されました。あのう、でも...委員会の報告書には大変な議論を呼んだことがあったのですが...この報告書には、政府がこのようなことを行うことは禁止されているとも、禁止されるべきだとも書かれておらず、基本的には、委員会を設置する必要があるし、将来的にその委員会の報告書を公開すればよい、と述べるにとどめたのでした。
私は...私は、このような勧告は、調査委員会が出すものとして、最悪のものだと思いました。

詳しくは『プルトニウムファイル いま明かされる放射能人体実験の全貌』(翔泳社)のご一読をおすすめします。

あるチベット在住の方のネット投稿を引用します(2)

2017-07-17 19:29:27 | 国際情勢
Q&AサイトであるYahoo!知恵袋にチベット在住の方が参加しています。

その方のチベットについての肌身に感じたリアルな考察が知恵ノートという形で投稿されていました。

が、この度の知恵ノート廃止という知恵袋運営の判断により、この貴重な投稿が見られなくなってしまうのは損失であると個人的に思い、ご本人の承諾を得た上で、勝手ながら私のブログに引用させていただくことにしました。

以下をお読みいただいた上で、特にチベット問題に関心のある方にご判断願えればと思います。

第二弾です。

チベットの問題 その2(文盲および半文盲について)

文盲および半文盲について

 2010年に青海省のチベット族高校生たちが、中国語教育の強化に反対するデモを行いましたが、この時彼らはデモの呼びかけや相談に、携帯メールを利用しました。

ここで「あれ?」と思った方はどれくらいいるでしょうか?

そう、彼らはこのデモの呼びかけのために「中国語」を利用しましたが、大勢のチベット人は中国語が分からないためにこのメールが読めませんし、例えこのメールを受信したとしても、誰かに内容を聞かなければいけなかったのです。

このようにチベット問題は多くのジレンマを抱えており、だからこそ「問題」だと言えます。
                           
                          *

 多くの日本人は、日本語以外は文盲ではないかと思いますが、だからと言ってそれで困ることもないでしょう。

 前回「その1」で、戸籍のない子供たちについて少し触れましたが、彼らが学校へ行けないというのは正確ではありません。私の知人達の中にも戸籍はなかったけれども学校へ行った人たちは何人もいます(注:今現在は戸籍がありますし、小学校までですが)。

 では彼らは文盲ではないねと言えばその通りなのですが、彼らはチベット語でしか教育を受けていないので、中国語の読み書きができません。だから、戸籍(戸口簿)の記載は中国語で行われますが(身分証は両言語)、それが読めないので、前回で取り上げたような問題も起こります。
 
 ここではたと疑問が起こります。中国政府は識字率(文盲率)を発表していますが、チベット人たちの中には、上記したようにチベット語しか読めない人たちもいれば、漢字は読めるがチベット語はまともに読めない人たちもいる中で、一体誰を指して文盲と言っているのかと。正解は、明確ではないといったところでしょう。

 就学については、戸籍の有無よりも、元々その地域に学校が無かったり、親の考えが大きな比重を占めているように思います。学校へ行くよりも家畜の世話や畑仕事を手伝ってもらいたいと考える親もいるでしょう。ですから、どうしても女の子の就学率の方が下がってしまいます。

 
 私がお役所関係に出掛けて行くとちょくちょく、読み書きができないので代わりに申請書を書いてくれや、代わりにサインをしてくれとお願いされます。 
 申請書については、私も同じように言葉の問題があると言って断りますが、その人のサインについては快く引き受けます。でも、もはやサインの意味をなしてはいません。

 いくら読み書きができないと言えども、本当は自分の名前を形として覚えている人は多く、書けないことはありませんが、彼らは自分でサインをしたがりません。何故か?
それは、1.書くのが遅い。 2.書き順がめちゃくちゃ。 この為に担当者から文盲だとばれてしまい、恥ずかしく感じるからです。
前回は名前と生年月日しか取り上げませんでしたが、戸口簿には学歴欄もあり、学校へ行ったことが無くても、「小卒」と記載された人は大勢います。それが嘘であることもばれてしまいます。

 私もこちらで契約書を作りサインをしてもらうことがありますが、読めない人にはちゃんと契約内容を説明し、もちろん一切のごまかしはありませんが、どうしても後ろめたい気持ちになってしまいます。

ロシア人の靖国神社観について

2017-07-17 19:19:43 | 国際情勢
かつてロシア外務省は日本の安倍首相の靖国神社参拝に遺憾の念を表しています。
https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2013_12_27/126531624/

>外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィチ報道官は26日、「靖国参拝が第二次世界大戦で日本の侵略を受けた国々の国民に深刻に受け止められることを、東京は知悉していた筈だ」と指摘。「世界が共有している第二次世界大戦の結果に関する評価と異なる日本社会の傾向性を拡張しようとする一部の勢力の試みが加速していることが背景にあるため、日本の首相のこうした行為は憂慮を呼ばないではいない」とした。

イタル・タス、BBCロシア語放送

→あくまでも、これがロシア国家としての公式な立場であることは言うまでもありません。

が、一般のロシア人、特に「在日ロシア人」の方々は、むしろ靖国神社を好意的にとらえているという事実もあります。

例えば在新潟ロシア連邦総領事館副領事をつとめたゲオルギー・ブリレーフスキー氏の発言。

>ところでロシアは、歴史的な問題は、中国や韓国とは違う。靖国問題で中国や韓国が騒ぐのは日本から何かが欲しいから。
私は大使館勤務であった当時から、個人的に靖国神社を参拝していた。今でも毎年初詣は靖国神社に行く。
戦争という行為そのものが悪いこと。でも、国のために戦って、戦死した人に対しては尊敬しなければならない。私は戦死者に敬意を表して靖国神社に参拝する。

(『実は日本人が大好きなロシア人』P90より)

拓殖大学日本文化研究所教授、ロシア科学アカデミー東洋学研究所主任研究員のワシーリー・モロジャコフ氏

>ロシアには神道を“敵の宗教”だと決めつけて、暗い、危ないという“神道コンプレックス”はない、と私は結論しています。
ロシアの日本学者たちは、神道を日本の精神、文化、文明の大きな柱だとして、偏見なく若い世代に神道を教えていますよ。
そう言えば、2013(平成25)年の年末に安倍総理が靖国神社を参拝して中国、韓国そしてアメリカまでが政治問題にして色々と問題になっていますが、はっきり言うと、いわゆる「靖国神社の問題」は日本人自身の問題で、日本の国内問題なだけですよ。

(上掲書P154)

在日七十年の医師、アクセョーノフ・エフゲーニー氏

>私は通訳として、巣鴨プリズンや戦犯の病棟があった同愛病院で、梅津美治郎大将や松井石根大将、松岡洋右外務大臣と毎日会っていました。
その後、彼たちが靖国神社に祀られましたから、私はよく靖国神社に行きました。今でも私は靖国神社に行きたいと思っています。行って彼たちにお参りしたい。
彼たちは日本の愛国者として日本のために戦って死んだのだから、靖国神社にお祀りされて当たり前です。

(上掲書P214)

例は、まだまだありますが

在日ロシア人の靖国神社観というのは、私たち日本人がロシアという国に対して持っているネガティブなイメージとは裏腹に

好意的なものです。

参考文献:田中健之 著『実は日本人が大好きなロシア人 在日ロシア人だからわかる日本人の素晴らしさ』(宝島社新書)

あるチベット在住の方のネット投稿を引用します(1)

2017-07-12 22:05:20 | 国際情勢
Q&AサイトであるYahoo!知恵袋にチベット在住の方が参加しています。

その方のチベットについての肌身に感じたリアルな考察が知恵ノートという形で投稿されていました。

が、この度の知恵ノート廃止という知恵袋運営の判断により、この貴重な投稿が見られなくなってしまうのは損失であると個人的に思い、ご本人の承諾を得た上で、勝手ながら私のブログに引用させていただくことにしました。

以下をお読みいただいた上で、特にチベット問題に関心のある方にご判断願えればと思います。

では、その第一弾です。
https://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/note/n24924


>チベット問題と聞くと、皆さんはチベット人VS.中共といった構図や、曖昧ながらも人権問題を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
でもここでは現地チベット人が抱えるもっと実際的な問題を取り上げようと思いますので、中共との対立といった構図に興味がある方には面白みに欠けるかもしれません。

 これから述べていくことの中には、もしかしたら中共にとってや亡命チベット人団体にとって、都合の悪い情報が含まれているかもしれません。でもそれは、私がこの場でどちらかに加担しようという意図のものではなく、事実を述べようと努めている為だとご了承下さい。

 それから現地チベット人が抱える問題とは言っても、あくまでも第三者である私(完全な第三者でもないですが)から見た問題意識と、実際の現地チベット人たちの問題意識には当然ながら温度差がありますので、そのことも理解してお読み下さい。

チベットの問題 その1(戸籍について)

 中国で戸籍問題と聞くと、皆さんの中には戸籍の無いブラックチルドレンを思い浮かべ、彼らは学校へ行けないし、碌な仕事にも就けないと思っている方が多いのではないでしょうか?
 
 でもちょっと考えてみましょう。
日本でもいわゆる300日問題などで、戸籍を持たない子供達がいますが、我々は、彼らは戸籍を持たないから学校へは行けないと果たして考えるでしょうか?
では何故このようなことが、まことしやかに言われているのでしょう。


 戸籍で最も重要な情報、それは名前と生年月日であることに、誰も異論はないものと思います。
 
 実はチベットでは戸籍を持たない人が大勢いたのですが、数年前までに政府の活動によって、大抵の人が戸籍を持つようになりました。
 でもこの時、多くの人の名前が変わってしまいました。何故このようなことになったのでしょう?
 まずは担当者による聞き間違いです。チベット人の名前と一言で言っても、例えばラサの人から見れば、地方の人で聞き馴染みのない名前が無数に存在します。さらに方言によっては、同じチベット文字でも発音が違ったりしますので、名前を聞いても、何の事だかよく分からない名前なのは別に珍しいことではありません。そこで担当者は、担当者自身が聞き覚えのある名前を想像し、変換してしまうということが起こりました。
 次に自分の意思で名前を変えた人たちです。上記した通り、名前によって、地方出身であることや文化背景が分かりますので、そのことで蔑まれる場合もあります。そこで、名前をいかにもラサ風に変える人たちが出ました。

 次に生年月日です。
 大抵のチベット人は日本人同様、自分の干支は知っていますので生まれた年は分かります。
 でも大勢の人たちは誕生日を知りません。そこで戸籍を作る際、どうやって誕生日を決められたのか、それは好きな季節や数字を聞かれるというものでした。
 
 このように大抵の人が明確の戸籍(ここまで読めば分かるとおり、明確なのと事実は別です)を持つ以前、仲良くなった旅行者から誕生日を聞かれて、数日後を答える女性達を見かけたものです。本当は彼女達は自分の誕生日を知らないのですが、何故数日後を答えるかについては説明はいらないものと思います。


さて最初に学校の問題を述べ、あえて途中で止めてしまいましたが、それについては次回のテーマを「文盲」として、述べてみようと思います。戸籍(戸口簿)に書かれた自分の名前が読めれば、名前が変わってしまう事体もずっと少なくなったのではないでしょうか。