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摂食指導の思い出② スプーンのお話

2011-09-14 00:15:57 | 天音ちゃんから学ぶ事
前日からの続きです。


まず、スプーンのお話。

「赤ちゃんの口の発達を促す食器を選ぶこと」

赤ちゃん用のスプーンはたくさん市販されていますが、
その子の口に適したスプーンでなくてはならない事。

その子に適した食器ではないために、離乳食がうまく進まない。
そうしたお子さんは、娘のような障害がある子どもに限らずある事だそうです。


今の私なら、そんな話は当たり前の事と言えばそうなのですが、
その頃の私は、そんな事すら知りませんでした。


たくさん種類のある市販のスプーンの中から、
敏感な口の中に入れても嫌がらない素材で、
スプーンの中の食材をすくいきれる浅めで、、
入り口は小さいから、口より小さなスプーンでないとならなくて、
でも奥は深いから、介助するにはそれなりに柄の長さは必要。


娘さんが口に入れて慣れている素材は、
哺乳瓶用の乳首の「ゴム」でした。
ステンレスなんて硬いのは嫌だったのです。

しかも口が小さいんです。
病院のスプーンも、私が買い揃えたスプーンも、
娘さんの口に対しては、少し大きなものでした。
と言っても、
市販のベビー用スプーンの標準的な大きさだと思います。

自分で意識して口の動きなんて確認した事もありませんでしたから、
スプーンが口に入った時に、
口を閉じて舌で少し押し上げてるなんて知りませんでした。

で、
「これが良いかも♪」と
先生が机からスプーンを出してきてくれました。

今でこそ、赤ちゃんグッズを扱うどこの店でも見かけますが
当時まだ販売されていなかった
「ピジョンのフィーディングスプーン」でした。

赤ちゃんグッズを扱うお店のスプーンの並びの中で、
ペースト用スプーンと果汁・スープ用スプーンの2本セットで売られている
変わった形をしたスプーンです。


ちょうど良いタイミングでした。
このスプーンは向井先生たちの研究から作られたスプーンで、
あと数ヶ月で市販になる予定の物を、先生がサンプルで持っていたのです。

小さくて、浅くて、唇に触れても慣れているであろうゴムのような素材。
まさに娘さん用でした。


次に教えてもらった事は、「スプーンを口に入れる角度」です。

唇が閉じれないとスプーンで食べる事は難しい。
まずその説明を聞いたように覚えています。

離乳食を始める月例の赤ちゃんは、
口唇圧が弱くてしっかりと口を閉じられない。

スプーンが深くなると底まで口唇が届かないので
スプーンに残る量が多くなってしまう。

だからと言って、
スプーンに角度を付けて、上唇に引っ掛けて口に残すのでは、
食べる力はついてこない。

こんな説明だったと思います。


「天音ちゃんは、
ギュ~と唇を閉じる事が出来るから、スプーンは使えますよぉ。」と。
「ですから、
食べさせてあげる方も、食べる力になる食べさせ方を覚えましょう。」


その食べさせ方は、

・スプーンをなるべく水平に保って下唇の上に置く事。
・口に深く入れすぎない事。
・唇が閉じたら、水平に引く事。

たった3つのポイントですが、
始めた頃は、一口一口真剣勝負!って感じでした。

急いでいたり、あんまり食べてくれないと、
つい引く時に雑になってしまいがちでしたから、
どうせ食べる量は少ないんだからと自分に言い聞かせながら
丁寧に丁寧に食事の介助をするようになりました。



スプーンの説明と一緒に、「食事の形態」についても教えて貰いました。

嚥下に不便がありますし、口の中は過敏症。
離乳食初期ペーストと言っても、食材によって硬さや粘度が違います。

哺乳の訓練の時から、
さらさらした液体よりも、
少しとろみのある重い液体の方が飲み込みやすいと教えて貰っていました。

でも、離乳食になり、吸って喉に入れる「飲む」動きとは違います。
多少重みのある液体では、閉じても唇から流れ出てしまいます。

粒粒した感じは過敏に嫌がるのは間違いなさそうでしたから、
どんな食材も滑らかなペーストにして、
ヨーグルトくらいに硬さに仕上げたご飯を用意するよう教えられました。

滑らかなペーストに仕上げるのは、なかなか難しいものですし、
毎食三品用意して、それを3回毎日作るのは本当に大変ですから、
帰宅してすぐに、ミルサーを買いに行き準備をしました。


この受診を受けるまでの間、
私は毎日夜になると凹んでいました。
「私の料理は美味しくないのか?」
すでに主婦暦10年になろうとしていて、
そこそこ美味しい料理は作れましたから、
「病院のご飯よりは美味しいはず!」と思ってました。
離乳食のペーストなんて、そんなに手を加えるモノではありません。
素材を味わう食事です。
だから私の料理の腕なんて関係ないのだと思いつつも、
毎食毎食違うメニューを作っては、塗りたくり遊びとゴミ箱行き。

だったのがぁ~
摂食指導を受け、スプーンを頂いて、数日・・・
大きな口をあけて待つ、娘を見る事が出来たのです。



続く~

From ikusuke

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