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食べたいと言う気持ちの大切さ

2011-09-20 00:06:47 | 天音ちゃんから学ぶ事


写真整理で出てきた写真
「メロンパンかめ」

かじる力は弱く、
パンは咀嚼するのが難しい娘さん。

でも、
そのカメの愛らしい姿から興味を持ったのか?
食べると言うしぐさを見せたので買ってみた

食べれるわけないのだが、
とにかくかじってみる



カメの顔を向けたら
「違います!」と押し返される。
んじゃ、どこよ?とくるくる回してみたら、
緑の甲羅にパクリ

メロンパンだもんね。
そりゃそうだよね

あんのじょう、
大きな前歯に引っかかった少しと砂糖だけで
「もういらない!」と押し返す

いいのいいの。
後はママが美味しくいただくから

「食べたい♪」って思う気持ちで、
「自分からチャレンジ」するその気持ちが大切

その気持ちがあったから、
今は、おでんの大根とはんぺんは
自分でかじって食べられるようになったもんね



哺乳(嚥下)障害と診断され、
摂食障害と今も言われているけれど、
「食べたい!」と言う意欲、
「美味しい♪」と感じる舌。
介助する私達は、あくまでも介助でしかなくて、
今のかじりついて食べられる娘さんは、
娘さんの持っている力で、ここまで育っている。

今までの11年間の一食一食が訓練。

これからもまだまだ続くけど、
パパに頑張って働いてもらって、
美味しいご飯たくさん食べさせてあげるから、
「食べたい気持ち」と「美味しい♪と感じる気持ち」
今まで通り持ち続け、
「あれが食べたいの♪」と
可愛くパパにおねだりし続けるように

ママよりパパの方が財布の紐ゆるいから

From ikusuke

肢体不自由児童・生徒の災害の備えを考える

2011-09-19 00:15:09 | 天音ちゃんから学ぶ事
2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。
あれから、半年と少しの月日が経ちました。

私の住む東京も、続く余震もなくなり、
交通も、買い物も、病院も、
震災前と変わらぬ生活になっています。

家の近くで、地震から石垣が崩れましたが、
そこもきれいに補強され直っています。


夏休み前までは、
校内にある保護者控え室で待機するママたちと、
「地震じゃないのに揺れている感じが止まらなくて困る」や
「高層階だとエレベーターが使えなくなるので、引っ越そうか」や
「病院の対応はどうだった?」「パパや兄弟たちは帰ってこれた?」
などの情報交換的な話が多かったのですが、
二学期になり、そうした話も少なくなりました。

各々が、自分の子どもの「必要」を考え、
今まで1台しかなかったポータブル吸引機を買い足したり、
薬や備品を一まとめにしたり、
いつくるかわからないけれど、
起きた時に、少しでも子ども守れる備えと環境を作っています。



私は今年もPTAの役員に就いています。
今年は有志?で参加する、地域部に所属しました。
今までは、PTAの組織の中でも始終忙しい部署にいましたので、
PTAの部署ではありますが、
自分の居住する地域の有志で活動している地域部には
一度も参加をしていませんでした。

実際に5月から地域部の活動に参加してみて、
「地域部の活動に参加していると、
地域の行政の動きに詳しくなれる!」と感じています。
今まで私が経験したPTAの活動は、主に校内の活動でした。
おかげで、学校内の事はとても詳しくなりましたが、
区と学校の連携、区の施設の事などの最新事情は、
ママ友とのお茶やランチの時に知る事が多かったのですが、
地域部に所属していると、自然に情報が入ってきます。


先日、PTAの運営委員会の会議に出席しましたら、
校長先生も、副校長先生も、災害時の備えや対応のお話をしていました。

学校での災害時の対応や備えのお話は、
全校保護者会などでもお話されていましたが、
「地域の防災訓練へのお誘いがあった」とのお知らせがありました。

娘の通う学校は「都立」です。
なので、「都」の指導で災害対策などが動いているようですが、
学校のある「区」の「地域」からのお誘いと言う話を聞き、
「ここに、支援学校があると言う事を、
地域の方に気にかけていただけている。」と思いました。

防災訓練だけではなく、
日ごろから、学校間交流なども盛んですし、
地域のお祭りを娘の学校で開催したり、
地域のイベントへのお誘いもいただいたりと、
ずっと昔から地域との繋がりがある学校ではありますが、
地域に住居がある生徒は少なく、
その他の地域からスクールバスで登校している子どもが多い実情です。

家で万全であろう備えをしていたとしても、
家から遠い学校で災害にあった時、
保護者が迎えに行けたとしても、帰れなかった場合、
何日も何日も帰れなかったとしたら、
地域単位での支援の場合には、地域の方に助けて貰わねばなりません。
ですから、
他所の地域から通う子どもたちが多い学校ではありますが、
地域にある学校として、
地域の防災訓練への参加のお誘いを喜ばしい事に感じました。


夏休みにありました、
全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会の神奈川大会のお話もあり、
参加した副校長先生から、
「3月11日の震災で被災地になった地域の校長先生がお話してくれ、
支援物資が届くのに3日かかった。
その3日間は、自力でなんとか踏ん張らねばならない状況であった。」
とのお話だったとの事を聞きました。

そのお話とあわせて、
2010年4月
茨城県立医療大学地域貢献研究
「医療を必要とする子どもへの災害の備え」研究グループの
「特別支援学校用 災害シミュレーションパッケージ」
と言うのが発表されており、インターネットでタウンロード出来る情報のお話がありました。


私も3月20日のブログで、
「私たちに出来る事」と言う記事を書きました。
友人から届いた、
郡山にいらっしゃるお世話になった医師から届いたメールを読み、
自分で今何が出来るのか考えて書いた記事です。

その後しばらく、
震災時における、肢体不自由児の避難生活などを
ネットで検索して調べようとしましたが、
なかなか欲しい情報は見つからないままでしたので、
この
「特別支援学校用 災害シミュレーションパッケージ」に興味を持ちましたので、
すぐ検索して読んでみました。

内容は『学校の先生方へのマニュアル』です。

でも、
学校の先生じゃなくても役立つ情報だなと思う部分がありました。

この本文の中にも、

「救援物資が届けられるまでおおよそ3日かかるといわれています。」
との一文があります。

とにかく自分の家でも、3日分は用意せねばと思いました。
「季節にあった物品の見直し」も考えなくてはならない事です。

本文が終わってから、チェックリストがついています。

衣食住や健康管理など細かくカテゴリーがあり、
支援学校のお子さん用の物品とは、
一般的に、避難袋に入れておく物とは
やはり違う部分の配慮を必ず必要とするのだとわかります。


今、地域部の活動に参加していて、
区への要望書を作り提出しましたが、
やはり、災害対策についての要望がありました。

これから、年度末近くに、
実際に被災地でボランティア活動をしてらっしゃる方を講師に招き、
メディアでは流れない、
ハンディある家族と一緒に避難する事の実情などをお聞き出来る、
講習会の予定がたっています。

聞きたい事はたくさんあります。

今回「特別支援学校用 災害シミュレーションパッケージ」を読んでみて、
ここに書かれている事を、どう学校に生かしてもらうのかなども、
実際に被災地で
ボランティア活動を通して体験して来た方に聞くのも良い事だと思いました。

そして、自宅でも必要な、
「家族を守り生き抜く災害対策」を
考える事が出来きる講習会であればいいなと思っています。


大災害に見舞われたら、
ハンディがあろうがなかろうが、
皆必死で、皆が同じように大変になるのです。
その異常事態になっても、
大切な家族を守るのに、備えがあるだけで違いがあるはずです。


・・・にしても・・・
うちも、娘さんの物品、重くて多いねぇ~
コレ見ると、
まず、持って走れる体力が私に必要なのねぇ~と思いました。

From ikusuke

障害者手帳で受けられるサービスで思う事

2011-09-18 00:05:19 | 天音ちゃんから学ぶ事
ざっくりの説明になりますが、

「身体障害者手帳」とは、
身体障害者福祉法に定められたもので、
一定の障害を有する方に対して、申請により交付されるものです。

病気やけがなどにより、身体に障害が永続的に残ってしまった場合、
身体障害者手帳の申請ができるのです。
誰でも持てる手帳ではありません。

医師の意見書(診断書)の申請が必要で
その診断書は「指定医」の資格を持った医師に記入してもらいます。
どこの病院でも貰える診断書とは違います。

また障害は、1種・2種と1~7級で区分されます。

手帳を利用できる制度・サービスがあるのですが、
障害の区分や、市町村によって異なる場合があります。

サービスの一つに、
公共料金の割引
1種か2種によって割引率・人数(介助者)に違いがあります。
・有料自動車道路 ・JR などなどです。


私の住まう都内では、バスや私鉄などでも割引サービスがあります。


今日は、そのサービスの事での出来事のお話です。



ある日、小田急線を使ってお出かけをしました。

車の免許を取得してから、お出かけはほとんど車なのですが
たまに、乗り物に乗る練習のつもりで、バスや鉄道を使ってみます。

私が仕事で自宅で一人になりたい時
パパと娘さんは、よく電車を使って出かけていましたが、
娘さんもずいぶんと大きくなりましたから、
大きな荷物と、大きな娘さんを連れて、
私一人でのお出かけはしていませんでした。
なので、電車に乗るのも久しぶりでした。

駅に着いて、切符を購入しようとした時
パパにこう言われました。

「先日新宿に二人で行くときにね、
障害者手帳を見せて、ここで切符を買おうとしたらば

近すぎて、そんなサービスはありません

って言われたんだよ。」


私は、あぁぁ゛??と不思議に思いました。

だってね、
この沿線は、娘の通う学校があって、
学校の最寄駅から、「コノ」駅まで校外学習に来ているのです。
その時必ず、障害者手帳のコピーを持たせて
割引サービスを受け、切符を購入しているのだと聞きました。

ここから新宿に行くより、距離も短く
運賃は安いのです。

個人で割引サービスを受けるのと、校外学習でのサービスの違いは
「学校での場合は、手帳のコピーでサービスが受けられる」と
私はそう覚えました。


ここから新宿までは210円の運賃でした。
その日に行こうとしていた新百合ヶ丘も同じ運賃です。

「だから、割引の切符は買えないと思うよ。」とパパは言います。

でも私はスッキリせず、
とりあえず、駅員さんに事を聞いてみようと
娘さんと二人で切符売り場へ行きました。

パパの話は語らずに、
手帳を見せて、行き先を言いましたらば
すんなり、割引の切符を作ってくれたのです。

二人の駅員さんが対応してくれていましたので
切符が出来るまでの間に、
パパの話を駅員さんにしてみましたら

「お母様お一人でしたか?」などの質問もありましたが

大変申し訳ありませんでした

と、深々と謝ってくれたのです。

その駅員さん二人が悪いわけでもありませんし
私がされた対応でもありませんから、
疑問に思っただけですから気にしていませんし、
話を聞いてくれてありがとうございました。
と伝えて後にしました。

「その対応した駅員が知らないわけないし・・・」
と、口を濁らせていたのを見るに、
実践ではあまり無いのかもしれないけれど
教育マニュアルにはあるのでしょうか?
車椅子で、手が必要な方などには、
乗車するまで駅員さんが付き添ってくれたりしますし。
きっと、そう言う対応の事も知っているに違いありません。

「お母様お一人ですか?」との質問から察するに
手帳の所有者でなく、
別の人がサービスを使ってしまう事があるのかもしれないと思いました。
でも、手帳には、所有者の写真があるんですけどね。

買えた切符を持ち、先に構内に入っていたパパの所に急いで
やっぱり小田急も割引サービスはあるんだよと教えました。


近すぎて、そんなサービスはありません
と言われたのが、パパでなく私であれば
たぶん、もめたのだろうと笑いました

パパは、言われて疑問も持たなかったのですが
私だったら、学校の事を思い出したり
別の私鉄、東急ではサービスあるけど、小田急ではないんですね?
と確認をしたり、
たった210円の事なのに、
そこでしばらく足止めしていたに違いありません(苦笑)

たった210円。
でも210円。
払えないわけではありませんから、
割引して貰えない事が気に残るのではありません。

同じ小田急のバスで割引で駅まで来てるのに・・・と
疑問を晴らしたくなるのです。


今回は100円単位の小さな金額ですが、
遠出をする時は、割引サービスはありがたいものです。
一人で移動する事が出来ず、必ず介助に誰かが一緒でのお出かけです。
一人で行けるなら、一人分の運賃で済むのに
移動の時は最低でも二人分の運賃が、必ず必要になりますから。

障害者手帳と云う、特別な手帳を持ち
特別なサービスを受けているのだと、私は思っています。
ありがたいサービスの一つです。

私は、娘が障害者手帳を必要としたので、
そうしたサービスが受けられる事を知りました。

パパに対応した駅員さんは、知らなかったのかもしれないと想像しました。

でも、業務内容じゃないのかしら?
とも思いました。


知らないから、
相手を傷つけてしまう対応をしてしまう。
知らないから仕方なのない事とも考えられますが、
でも「仕事」の範疇だったのでは?とも考えます。

こうしたサービスを受けて移動している人がいる事。

一瞬見ただけでは気が付かないハンディもあるのだと言う事。
特に小さな乳児の場合は、
まだ市販のベビーカーでの移動が可能な場合もあり、
車椅子やポジショニングバギーなどでは無い場合も多く、
それでも手帳を必要としているお子さんもいるのです。

お仕事なのであれば、
そうした人に対しても、適切な対応をする事。
私がそのサービスを提供している会社の社長であれば、
ちゃんと社員に教えておきます。
でしょ~



個人の良識で、個人の時間にそれらを忘れていたとしても
それはその人の問題ですから、
私はその人にどうこう言う気持ちはありませんが、
「社会人」として、「会社(職業)」の中で
指導を受け、職務としているのであれば、
「仕事はしっかりやってくれ」と思います。

たった一人の社員の行動から、
その会社のイメージが悪くなる事だってあると思うのです。
社員を育てる部署の方は、
社員教育がとても大変な事と想像します。
どうか頑張って下さいm(_ _)m

心からお願いいたします。

From ikusuke


摂食指導の思い出③ 口の中のマッサージと舌の訓練

2011-09-15 00:10:17 | 天音ちゃんから学ぶ事
長々続いております、娘の事の思い出話です。
この数日は、
摂食障害と診断され、摂食指導を受けて勉強した事を書いています。

昨日は、離乳食開始の食器(スプーン)の選び方のお話。

今日は、食べる前におこなう、
口周りの筋肉をほぐして
食べる動きを楽にしたり促がす訓練のお話です。

摂食指導とは、摂食障害がある本人も指導を受けますが、
我が家の場合は、哺乳障害→摂食障害なので
受ける娘さんは赤ちゃんでしたので、
介助する私達両親の勉強になりました。



自分の好む形態の食事と、大丈夫な使用感のスプーンを手に入れて、
ちょっと「食べる事が好き♪」になった娘さんですが、
形態とスプーンだけで、そうなった訳ではありません。


同じ日に教えてもらった事に、
「口の中のマッサージと舌の訓練」も大きなポイントになりました。


呼吸の確保のために、口からの哺乳を止めていました。
でもまるっきり止めた訳ではなく、
ほんの少しですが、哺乳瓶から飲むようにして、
「口を使う事」を忘れないよう努力はしていましたが、
やっぱり口周りの動きはよくありませんでした。

ムギュ~と、こじ開けるのも一苦労なくらい唇はとじられますけれど、
小さな体で、理解も難しい年頃に
色んなストレスを受けていたに違いなく・・・

筋肉って、使わなかったり、過剰なストレスで強張るんですよね。
それは、口の周りの筋肉でも同じにおきるのです。
筋肉ガチガチでは動きが悪く、食事だって楽じゃないはずです。

「ですから、口腔内を揉みほぐしてあげましょうねぇ。」と。

口腔内マッサージの仕方

・まず、爪はきっちり切って下さい。
・マッサージしてあげる人(うちはママ)はよく手を洗って清潔にします。
・娘さんの目の高さで、ママの顔がよく見える前に座って
・お口あ~ん♪と、娘さんが真似するように促しながらぁ
・人差し指を娘さんの口に入れ、ほっぺを内側から円を描くようにマッサージします。
・片方10回くらいで両側マッサージできたらば、
・まだ歯の生えていない歯茎を、歯ブラシみたいに指でマッサージ。

これを食事前に必ずやる事。
だいたい、3分~5分くらいの時間で終わります。

娘さん、泣き叫んでましたねぇ~。
歯が生えてないし噛む力も弱かったので、
噛まれたところで痛くもなかったですけれど、
歯が生えてからは、私の指が危険過ぎてやめましたが、
下の前歯が生えてくるまでの4ヵ月くらいの間だったかな?
毎食毎食、繰り返していました。


このマッサージは、口周りの筋肉をほぐす事と
敏感な口腔内の過敏を無くす訓練でもありました。


口の中だけでなく皮膚の過敏は、
優しくなでる方が不快な刺激になるとの話でした。
そして、「慣れ」はあるので、根気よく触り続ける。

優しくなでる方が不快な刺激です。
円を描く動きですけれど、指を強く押し当て、
一ヶ所ずつ指圧するように撫でていました。

歯茎は気をつけねばなりません。
その下に歯があるかもしれませんから、
あんまり強いと痛い刺激になってしまいます。

泣き叫んでましたから、すぐに食事になりません。
出来るなら、マッサージをして口周りが柔らかくなったベストな状態で食べさせる。
そんなの無理な話だ・・・
余計ストレスなんじゃないか?と、私も泣きそうな気持ちになりましたけれど、
根気よく続けているうちに、不快感が減ってきたのか?
入れられた指を噛むのが楽しくなったのか?
(歯が生える前で痒かったでしょうに、歯固めは嫌なので指が代わり?)
そのうちマッサージ後でもすんなり食事をするようになっていました。

もちろん、私の指に乗せた物も口に入れて舐めれるようになっていました。

赤ちゃんと言うのは、本当にまっさらで、
機能の損傷や変形などで、どうにも無理な場合以外は、
繰り返し教えてあげる事で、
受け入れて、慣れて、
出来るようになる事があるのだと体感しました。



もう1つ教えてもらったのは「舌の訓練」

これは、娘さんの自分の意思でして貰わないとなりませんでした。

で、やり方。

・ミルキーを用意
甘いキャンデーならなんでも良いのですけれど、
ミルキ~はママの味~♪って事で、
コレを使うと皆良い反応をするんですよぉ♪とお勧めされました(笑)

・下唇をペロ~んとめくって、下唇内側にキャンディーを塗りたくる。

これだけ。

1つ、注意点があります。

下唇ぺろ~んとすると、
ちょうど真ん中に筋があります。
そこ、「痛いポイント」です。
歯茎マッサージの時もですが、
そこは触らないよう気をつけてあげてください。


キャンディーを内側に塗っただけでも、
口を閉じると唾液にまじり甘みが広がります。

美味しい♪と思えば、自然に舌がその味を探すのです。

「なんだこりゃ?美味しい♪」
舌先でぺろぺろぺろ。

歯は生えてませんでしたから、
「虫歯?いま気にしないで訓練しとこうねぇ♪」と。


唇をめくるのはそうとう嫌がられましたけれど、
塗ると面白いように舌で探っているのがわかりました。

私はミルキーではなく、棒付きのキャンディーを使っていました。
ミルキーって丸いじゃないですか、涎が付けば溶けてベトベトするし。
棒付きキャンディーなら、ベトベト問題は解決。
しかも、頬の内側まで塗れます。

ただし、ミルキーより硬いんですよね。
ですから、少しお湯で溶かしてベトベトさせてから使いました。


この訓練も歯が生えるまででした。

口腔内マッサージは、
本当は、ずっと続けるべきだったのですが、
歯が生えて、少しは噛む力が強くなった娘さん、
噛んじゃダメだと理解させる事が出来なくて、
私の指が、青あざで歯型付きになった時に断念しました。


頬のマッサージは、乳児だけでなく、障害があるなしに関わらず、
肩の筋肉をほぐすマッサージみたいなものですから、
歯軋りなどで歯を食いしばって緊張させている人がマッサージをすると、
頬の筋肉マッサージから
肩こりや頭痛が解消されたなんて話も聞いた事があります。

是非、お試し下さい。



と、〆てはいますが、
摂食指導の思い出はたくさんありますので、
まだ続く・・・予定♪
またそのうち書きますm(_ _)m

From ikusuke

摂食指導の思い出② スプーンのお話

2011-09-14 00:15:57 | 天音ちゃんから学ぶ事
前日からの続きです。


まず、スプーンのお話。

「赤ちゃんの口の発達を促す食器を選ぶこと」

赤ちゃん用のスプーンはたくさん市販されていますが、
その子の口に適したスプーンでなくてはならない事。

その子に適した食器ではないために、離乳食がうまく進まない。
そうしたお子さんは、娘のような障害がある子どもに限らずある事だそうです。


今の私なら、そんな話は当たり前の事と言えばそうなのですが、
その頃の私は、そんな事すら知りませんでした。


たくさん種類のある市販のスプーンの中から、
敏感な口の中に入れても嫌がらない素材で、
スプーンの中の食材をすくいきれる浅めで、、
入り口は小さいから、口より小さなスプーンでないとならなくて、
でも奥は深いから、介助するにはそれなりに柄の長さは必要。


娘さんが口に入れて慣れている素材は、
哺乳瓶用の乳首の「ゴム」でした。
ステンレスなんて硬いのは嫌だったのです。

しかも口が小さいんです。
病院のスプーンも、私が買い揃えたスプーンも、
娘さんの口に対しては、少し大きなものでした。
と言っても、
市販のベビー用スプーンの標準的な大きさだと思います。

自分で意識して口の動きなんて確認した事もありませんでしたから、
スプーンが口に入った時に、
口を閉じて舌で少し押し上げてるなんて知りませんでした。

で、
「これが良いかも♪」と
先生が机からスプーンを出してきてくれました。

今でこそ、赤ちゃんグッズを扱うどこの店でも見かけますが
当時まだ販売されていなかった
「ピジョンのフィーディングスプーン」でした。

赤ちゃんグッズを扱うお店のスプーンの並びの中で、
ペースト用スプーンと果汁・スープ用スプーンの2本セットで売られている
変わった形をしたスプーンです。


ちょうど良いタイミングでした。
このスプーンは向井先生たちの研究から作られたスプーンで、
あと数ヶ月で市販になる予定の物を、先生がサンプルで持っていたのです。

小さくて、浅くて、唇に触れても慣れているであろうゴムのような素材。
まさに娘さん用でした。


次に教えてもらった事は、「スプーンを口に入れる角度」です。

唇が閉じれないとスプーンで食べる事は難しい。
まずその説明を聞いたように覚えています。

離乳食を始める月例の赤ちゃんは、
口唇圧が弱くてしっかりと口を閉じられない。

スプーンが深くなると底まで口唇が届かないので
スプーンに残る量が多くなってしまう。

だからと言って、
スプーンに角度を付けて、上唇に引っ掛けて口に残すのでは、
食べる力はついてこない。

こんな説明だったと思います。


「天音ちゃんは、
ギュ~と唇を閉じる事が出来るから、スプーンは使えますよぉ。」と。
「ですから、
食べさせてあげる方も、食べる力になる食べさせ方を覚えましょう。」


その食べさせ方は、

・スプーンをなるべく水平に保って下唇の上に置く事。
・口に深く入れすぎない事。
・唇が閉じたら、水平に引く事。

たった3つのポイントですが、
始めた頃は、一口一口真剣勝負!って感じでした。

急いでいたり、あんまり食べてくれないと、
つい引く時に雑になってしまいがちでしたから、
どうせ食べる量は少ないんだからと自分に言い聞かせながら
丁寧に丁寧に食事の介助をするようになりました。



スプーンの説明と一緒に、「食事の形態」についても教えて貰いました。

嚥下に不便がありますし、口の中は過敏症。
離乳食初期ペーストと言っても、食材によって硬さや粘度が違います。

哺乳の訓練の時から、
さらさらした液体よりも、
少しとろみのある重い液体の方が飲み込みやすいと教えて貰っていました。

でも、離乳食になり、吸って喉に入れる「飲む」動きとは違います。
多少重みのある液体では、閉じても唇から流れ出てしまいます。

粒粒した感じは過敏に嫌がるのは間違いなさそうでしたから、
どんな食材も滑らかなペーストにして、
ヨーグルトくらいに硬さに仕上げたご飯を用意するよう教えられました。

滑らかなペーストに仕上げるのは、なかなか難しいものですし、
毎食三品用意して、それを3回毎日作るのは本当に大変ですから、
帰宅してすぐに、ミルサーを買いに行き準備をしました。


この受診を受けるまでの間、
私は毎日夜になると凹んでいました。
「私の料理は美味しくないのか?」
すでに主婦暦10年になろうとしていて、
そこそこ美味しい料理は作れましたから、
「病院のご飯よりは美味しいはず!」と思ってました。
離乳食のペーストなんて、そんなに手を加えるモノではありません。
素材を味わう食事です。
だから私の料理の腕なんて関係ないのだと思いつつも、
毎食毎食違うメニューを作っては、塗りたくり遊びとゴミ箱行き。

だったのがぁ~
摂食指導を受け、スプーンを頂いて、数日・・・
大きな口をあけて待つ、娘を見る事が出来たのです。



続く~

From ikusuke