漢方処方と漢方の証の相違

漢方的病理の把握の仕方により漢方処方が違ってきます。

2.頭汗

2007年08月08日 | Weblog

頭汗とは、身に汗無く、剤頸にして還るものであります。其の証は少陽に属します。

頭汗の場合には次のような漢方病理があります

①少陽の証の場合 〔太陽病下篇〕

●但頭汗出餘無汗剤頸而還・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大陥胸湯
●但頭汗出往来寒熱・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 柴胡桂枝乾姜湯
●今頭汗出故知非少陰也・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小柴胡湯
●産婦鬱冒其脈微弱嘔不能食大便反堅但頭汗出・・・・小柴胡湯

②陽明の証の場合 〔陽明病篇〕

●心中懊憹飢不能食但頭汗出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・梔子豉湯
●但頭汗出身無汗剤頸而還・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・茵蔯蒿湯

③水氣病の場合 〔金匱要略・水氣病篇〕

●風水脈浮為在表其人或頭汗出表無他病・・・・・・・・・・防已黄耆湯

以上の通り頭汗には、少陽、陽明、水氣の三通りの病証が有ります。

少陽の頭汗には、往来寒熱、微悪寒、手足冷、脈沈などがあります。

陽明の頭汗には、小便不利、発熱して渇などがあります。

水氣病の頭汗には、胸が満して、喘咳があります。

この様に、他の証を考えて処方を決定しなければなりません。 

※参考文献

・注解傷寒論  張仲景著
・金匱要略   張仲景著
・新古方薬嚢  荒木性次著
・方術説話   荒木性次著
・傷寒雑病辨証 浅田宗伯著

 



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