漢方処方と漢方の証の相違

漢方的病理の把握の仕方により漢方処方が違ってきます。

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63.四肢拘急

2011年06月23日 | Weblog

「四肢拘急」は、腕や足が曲がって伸びないことであります。
『素問』に云う「寒多ければ則ち筋骨攣痛す。熱甚だしければ則ち筋馳せ筋緩なり」と。

この「四肢拘急」の証を「傷寒論」と「金匱要略」より取り出してみますと

金匱要略の「中風歴節病脈證併治第五」の第17条
●『古今録験』続命湯、中風痱、身体自ら収むる能わず、口言う能わず、冒昧痛む所を知らず、或いは拘急転側し能わざるを治す。

金匱要略の「中風歴節病脈證併治第五」の第18条
●『千金』三黄湯、中風手足拘急、百節疼痛、煩熱心乱、悪寒、日を経て飲食を欲せざるを治す。

金匱要略の「痙湿暍病脈證第二」の第13条
痙の病為る、胸満口噤し臥席に着かず、脚攣急し必ず齘歯す、大承氣湯を与うべし。

金匱要略の「趺蹶手指臂腫轉筋陰狐疝蚘蟲病證第十九」の第3条
●轉筋の病為る、其の人臂脚直、脈上下行、微弦、轉筋腹に入る者、雞屎白散之れを主る。

傷寒論の「辨太陽病脈證并治法上第五」の第30条に
●傷寒脉浮、自汗出で、小便數、心煩し微悪寒し、脚攣急す。反って桂枝湯を与へ其の表を攻めんと欲す。此れ誤りなり.之れを得れば便ちす。咽中渇き、煩燥、吐逆する者は甘草乾姜湯をつくり、之れを与え、以て其の陽を復す。若し兪え足温なる者は更に芍薬甘草湯を作り之れを与う。其の脚即ち伸ぶ。

傷寒論の「辨太陽病脈證并治法上第五」の第31条に
●問ふて曰く、證陽旦に象りたれば、法を按じ之れを治したるに増劇厥逆し、咽中乾き、両脛拘急して譫語す、師の曰く、夜半に手足まさに
温まるべく両脚まさに伸ぶべしと言はれたる後に師の言はれたるが如くになりぬ、何を以て此れを知られたるや、答えて曰く、寸口の脈浮にして大、浮は則ち風となし、大は則ち虚となす、風は則ち微熱を生じ、虚は則ち両脛攣る、病證桂枝を象りたるに因り、附子を加へて其の間につらぬ、桂を増して汗を出ださしむれば、附子は經を温むれども、亡陽するが故に、厥逆咽中乾き煩燥し、陽明内に結ぼれ、譫語煩乱す、更に甘草乾薑湯を飲ましむれば夜半に陽氣還り、両足當に熱すべし、脛尚ほ少しく拘急すれば、重ねて芍薬甘草湯を與ふ、爾かすれば乃ち脛伸ぶ、承気湯を以て少しく溏せしむれば則ち其の譫語止む、故に病の愈ゆべきを知りぬ。

傷寒論の「辨太陽病脈證併治法上第五」の第22条
●太陽病、発汗遂に漏れて止まず、其の人悪風小便難、四肢微急、以って屈伸し難き者、桂枝加附子湯之れを主る。

傷寒論の「辨霍乱病脈證并治第十三」の第8条に
●吐利し、汗出で発熱悪寒、四肢拘急、手足厥冷する者は、四逆湯之れを主る。

傷寒論の「辨霍乱病脈證并治第十三」の第10条に
●吐已み下断ち、汗出でて
、厥す、四肢拘急し解せず、脈微絶せんと欲する者、通脈四逆加猪胆汁湯之れを主る。

金匱要略の「腹満寒疝宿食病脈證治第十」の第21条
●『外臺烏頭湯寒疝腹中絞痛賊風入りて五臓を攻め、拘急轉側するを得ず、発作時有り、人をして陰縮し、手足厥逆せしむるを治す。

傷寒論の「辨陰陽易差後労復病證併治第十四」の第1条
●傷寒陰陽易之病為る、其の人、身体重く、少氣し、少腹裏急し、或いは陰中に引き拘攣し上って胸を衝き、頭重くして舉ぐるを欲せず、眼中花を生じ、膝脛拘急する者は焼褌散之れを主る。

「四肢拘急」の証のある処方は 

表邪の場合

Ⅰ.続命湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・拘急転側

Ⅱ.三黄湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・手足拘急

裏実の場合

Ⅲ.大承氣湯・・・・・・・・・・・・・・・・・脚攣急

Ⅳ.雞屎白散・・・・・・・・・・・・・・・・・臂脚直

陰位の場合

Ⅴ.芍薬甘草湯・・・・・・・・・・・・・・・脚攣急・脛尚ほ少しく拘急

Ⅵ.桂枝加附子湯・・・・・・・・・・・・・四肢微急

Ⅶ.四逆湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・四肢拘急

Ⅷ.通脈四逆加猪胆汁湯・・・・・・・四肢拘急

Ⅸ.烏頭湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・拘急轉側するを得ず

Ⅹ.焼褌散・・・・・・・・・・・・・・・・・・膝脛拘急

四肢拘急が陽にある場合は、邪氣が凝滞している。

★四肢拘急が陰にある場合は、津液が枯渇している。

 

 


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