漢方処方と漢方の証の相違

漢方的病理の把握の仕方により漢方処方が違ってきます。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

60.身疼痛

2011年06月10日 | Weblog

「身疼痛」でも傷寒煩熱身痛するのは、熱からの痛みであります。
此れは汗を出して癒させます。

熱が無く吐利して身痛するのは虚寒からの痛みであります。此れは温めて治癒させます。

「身疼痛」の証を傷寒論・金匱要略の中から取り出してみますと

傷寒論の「辨痙湿暍脈證第四」の第16条
●太陽の中暍者は発熱悪寒し身重くして疼痛、その脈弦細芤遅、小便已れば灑灑然として毛そばたち手足逆冷す、小しく労するあれば、身即ち熱し口開き前版の歯燥く、若し汗を発すれば則ち悪寒甚しく温鍼を加うれば則ち発熱甚しく数しば之を下せば則ち淋甚し。

傷寒論の「辨太陽病脈證併治第六」の第64条に
●傷寒医之れを下し、続いて下利を得、清穀止まず、身疼痛する者は急に當に裏を救うべし。後ち身疼痛、清便自ら調う者は急に表を救うべし、裏を救うは四逆湯、表を救うは桂枝湯に宜し。

傷寒論の「辨厥陰病脈證併治第十二」の第48条に
●下利、腹脹満し、身体疼痛する者は、先づ其の裏を温め、乃ち其の表を攻む、裏を温むるには、四逆湯、表を攻むるには桂枝湯

傷寒論の「辨霍乱病脈證并治第十三」の第7条に
●吐利止みて而して身痛休まざる者は當に消息して其の外を和解すべし、宜しく桂枝湯にて小しく之れを和すべし。

傷寒論の「辨太陽病脈證併治第六」の第16条に
●太陽病、脈浮緊、汗無く発熱し、身疼痛、八九日解せず、表証仍ほ在り、此れ當に其の汗を発すべし、薬を服し已って微しく除き、其の人発煩目瞑し、劇しき者は必ず衂す、衂すれば乃ち解す、然る所以の者は陽気重なるが故なり、麻黄湯之れを主る。

傷寒論の「辨太陽病脈證併治第六」の第8条に
●太陽の中風、脈
浮緊、発熱悪寒、身疼痛、汗出でずして煩躁する者は、大青龍湯之れを主る。若し脈微弱、汗出で悪風する者は服すべからず、之れを服すれば則ち厥逆、筋肉じゅんす、此れを逆と為すなり。

傷寒論の「辨太陽病脈證併治第六」の第32条に
●発汗後、身疼痛し、脈沈遅の者は、桂枝加芍薬生姜各一両人参三両新加湯之れを主る。
 

傷寒論の「辨霍乱病脈證并治第十三」の第6条に
●霍乱、頭痛発熱、身疼痛し、熱多く、水を飲まんと欲する者は五苓散之れを主る。寒多く水を用いざる者は、理中丸之れを主る。

傷寒論の「辨太陽病脈證併治第六」の第65条に
●病、発熱頭痛、脈反って沈、若し差えず、身体疼痛するは、當に其の裏を救うべし、四逆湯に宜し。
 

傷寒論の「辨少陰病脈證併治第十一」の第36条に
●少陰病、二三日已まず四五日に至り、腹痛小便不利し、四肢沈重疼痛し、自ら下利する者、此れ水氣有りと為す、其の人或いは欬し、或いは小便不利、或いは下利、或いは嘔する者、真武湯之れを主る。

金匱要略の「腹満寒疝宿食病脈證治第十」の第19条に
寒疝、腹中痛み逆手足不仁、若しくは身疼痛し灸刺、諸薬治する能わざず、抵當するは、烏頭桂枝湯之れを主る
 

「身疼痛」の証のある処方は

陽の場合 表証のある場合

Ⅰ.桂枝湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身疼痛

Ⅱ.麻黄湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身疼痛

Ⅲ.大青龍湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身疼痛

Ⅳ.桂枝加芍薬生姜各一両人参三両新加湯・・・・表已に解して疼痛を治す

Ⅴ.五苓散・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・表を措いて渇を治す

陰の場合

Ⅵ.理中丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身疼痛

Ⅶ.四逆湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身体疼痛

Ⅷ.真武湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・四肢沈重疼痛

Ⅸ.烏頭桂枝湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身疼痛

★疼痛に3種類あります

1.病邪が表位にあり実する時・・・・・・・・麻黄の証

2.病邪が陰位にあり表裏に係る時・・・・附子の証

3.陰証已に復し陽証未だ復せず・・・・・・桂枝の証

身疼痛の証は、治法も表裏にわたる。
 身体疼痛の証は、治法は裏を救うべし。

 

 


この記事についてブログを書く
« 59.身疼 | トップ | 61.骨節疼痛・支節煩疼・骨節... »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事