漢方処方と漢方の証の相違

漢方的病理の把握の仕方により漢方処方が違ってきます。

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59.身疼

2011年06月07日 | Weblog

「身疼」には、身疼腰痛、身煩疼、一身盡疼、身疼重、身体疼重、支節煩疼、身体疼煩、四肢疼、等があります

この「身疼」の証を傷寒論・金匱要略の中から取り出してみますと 

傷寒論の「辨太陽病脈證併治第六」の第5条に
●太陽病、頭痛発熱、身疼腰痛、骨節疼痛、悪風、汗無くして喘する者は、麻黄湯之を主る。

金匱要略の「痙湿暍病脈證第二」の第20条に
●湿家、身煩疼す、麻黄加朮湯を與うべし,其の汗を発するを宜しとなす。慎んで火を以て之れを攻むべからず。

金匱要略の「痙湿暍病脈證第二」の第21条に
●病者、一身盡く疼み発熱日晡所劇しき者は、風湿と名づく。病、汗出づるに風に當り傷られ或いは久しく冷を取り傷られて致す所なり、麻黄杏仁薏苡甘草湯を與う。

金匱要略の「痰飲欬嗽病脈證併治第十二」の第2条に
●飲水流行、四肢に帰し、當に汗出づべくして汗出でず身体疼重之れを溢飲という。

金匱要略の「痰飲欬嗽病脈證併治第十二」の第24条に
●病、溢飲の者、當に其の汗を発す、大青龍湯之れを主る。小青龍湯も亦た之れを主る。

金匱要略の「水氣病脈證併治第十四」の第29条に
黄汗の病、両脛自ずから冷ゆ、假令、発熱すれば、此れ歴節に属す。
食し已り汗出で叉身に常に暮れに盗汗出づる者は、此れは労氣なり。
若し汗出已り、反って発熱するものは久久、其の身
必ず甲錯す。
発熱病まざる者は必ず悪瘡を生ず、若し身重、汗出已り輒ち軽き者は、久久必ず身じゅんす、じゅんすれば即ち胸中痛みまた腰より以上必ず汗出で下に汗無く、腰臗弛痛し物有り皮中に在る状の如し、劇しき者は食する能わず、身疼重、煩燥し、小便不利す、此れ
黄汗と為す。
桂枝加黄耆湯之を主どる。

金匱要略の「痙湿暍病脈證第二」の第27条に
●太陽中暍、身熱疼重にして脈微弱、此れ夏月冷水に傷けられ水皮中に行くを以て致す所なり、一物瓜蒂湯之れを主る。

傷寒論の「辨太陽脈證併治下第七」の第19条に
●傷寒六七日、発熱微悪寒、支節煩疼、微に嘔し心下支結、外証未去らざる者は柴胡桂枝湯之れを主る。

 傷寒論の「辨太陽脈證併治下第七」の第47条に
●傷寒八九日、風湿相搏ち身体疼煩、自ら轉側する能はず、嘔せず渇せず、脈浮虚にして濇る者は、桂枝附子湯之れを主る。若し其の人、大便鞕く、小便自利する者は去桂枝加白朮湯之れを主る。

 傷寒論の「辨厥陰病脈證併治第十二」の第28条
●大いに汗出で熱去らず内拘急し、四肢疼、又下利厥逆して悪寒する者、四逆湯之れを主る。

「身疼」の証のある処方は 

陽に発する場合

Ⅰ.麻黄湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・無汗・身疼腰痛

Ⅱ.麻黄加朮湯・・・・・・・・・・・・・・無汗・身煩疼

Ⅲ.麻黄杏仁薏苡甘草湯・・・・・・無汗・一身盡く疼み

Ⅳ.桂枝加黄耆湯・・・・・・・・・・・・汗出身疼重

Ⅴ.大青龍湯・・・・・・・・・・・・・・・不汗出・身体疼重

表裏の間 

Ⅰ.一物瓜蒂湯・・・・・・・・・・・・・身熱疼重

表未だ解せず(少陽)、表証を帯びる(少陰)

Ⅰ.柴胡桂枝湯・・・・・・・・・・・・・少陽・支節煩疼

Ⅱ.桂枝附子湯・・・・・・・・・・・・・少陰身体疼煩

陰に発する場合

Ⅰ.四逆湯・・・・・・・・・・・・・・・・・四肢疼

★身疼は陽位・陰位・表裏の間の場合があります

陽に発する場合ーーーーーー熱を主とする・・・桂枝・麻黄剤

陰に発する場合ーーーーーー寒を主とする・・・附子剤

表裏の間ーーーーーーーーー水氣に属す・・・瓜蔕  

 


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