漢方処方と漢方の証の相違

漢方的病理の把握の仕方により漢方処方が違ってきます。

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64.身重

2011年06月27日 | Weblog

「身重轉側し難き」は、おおむね少陰に属します。熱に属する者あり、水氣に因る者あり。その深い者は沈重と為します。

寒論の「辨太陽病脈證并治第六」の第9条に
●傷寒、脈浮緩、身疼まず但だ重く、乍ち軽き時有り、少陰の証無き者、大青龍湯をもて之れを発す。
 

金匱要略の「痙湿暍病脈証第二」の第22条に
●風湿、脈浮、身重、汗出で悪風する者、防已黄耆湯之れを主る。

傷寒論の「辨太陽病脈證并治第六」の第82条に
●傷寒八九日、之れを下し、胸満、煩、驚、小便不利、譫語、一身尽く重く、轉側すべからざる者、柴胡加龍骨牡蠣湯之れを主る。

傷寒論の「辨陽明脈證并治第八」の第43条に
●陽明の合病、腹満身重以って轉側し難く、口不仁にして面垢、譫語、遺尿し、発汗すれば則ち譫語、之れを下せば則ち額上汗を生じ、手足逆冷す、若し自ら汗出づる者、白虎湯之れを主る。

金匱要略の「痙湿暍病脈証第二」の第27条に
●太陽の中暍、身熱疼重にして脈微弱、此れ夏月、冷水に傷けられ、水皮中を行ぐるを以っての致す所なり。一物瓜蔕湯之れを主る。

金匱要略の「婦人妊娠病脈証併治第二十」の第8条に
●妊娠水氣有り、身重、小便不利、洒淅
悪寒、起てば即ち頭眩す、葵子茯苓散之れを主る。

金匱要略の「五臓風寒積聚病脈証併治第十一」の第16条に
●腎著の病,其の人身体重く、腰中冷え水中に坐するが如く、形水状の如く、反って渇せず、小便自利、飲食故の如し、病下焦に属す。身労汗出で、衣冷湿し、久久にして之れを得、腰以下冷痛し、腰重きこと五千銭を帯ぶるが如し、甘姜苓朮湯之れを主る。

傷寒論の「辨少陰病脈證并治第十一」の第36条に
●少陰病二三日已まず、四五日に至り、腹痛小便不利、四肢沈重疼痛し自ら下利する者は、此れ水氣有りと為す、其の人或いは欬し、或いは小便不利し或いは下利或いは嘔する者は、真武湯之れを主る。
 

金匱要略の「血痺虚労病脈證併治第六」の第13条
●虚労、裏急、悸衂、腹中痛み、夢に失精す、四肢痠疼、手足煩熱、咽乾口燥するは、小建中湯之れを主る。

●「千金」は、男女、積冷、氣帯に因り、或いは大病の後、常に復せざるに、四肢沈重に苦しみ、骨肉痠疼吸吸として少氣し、行動すれば喘乏し、胸満氣急、腰背強痛、心中虚悸し、咽乾唇燥、面体色少なく、或いは飲食に味無く、脇肋腹脹し、頭重挙らず、臥すること多く、起きること少なく、甚だしき者は積年、軽き者は、百日、漸く痩弱を致し、五臓の氣竭くれば、則ち常に復す可きこと難く、六脈倶に不足し、虚寒氣乏しく、少腹拘急、羸瘠百病を療す、名づけて黄耆建中湯と曰う、又人参二両有り。

身重」の証のある処方は

表に属する場合 

Ⅰ.大青龍湯・・・・・・・・・・・・・・・・身疼まず但重ーー傷寒汗無く

Ⅱ.防已黄耆湯・・・・・・・・・・・・・・身重いーーー風湿、汗出

裏に属する場合

Ⅲ.柴胡加龍骨牡蠣湯(少陽)・・・・・・・・一身尽く重く、轉側すべからず

Ⅳ.白虎湯(陽明)・・・・・・・・・・・・・・・・・身重以って轉側し難く

Ⅴ.一物瓜蔕湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身熱疼重

陰に属す場合ーー水氣あり

Ⅵ.葵子茯苓散・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身重

Ⅶ.甘姜苓朮湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身体重く

Ⅷ.真武湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・四肢沈重

氣帯に属する場合(水氣によらず) 

Ⅸ.黄耆建中湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・四肢沈重に苦しみ、骨肉痠疼

 

★寝ねんと欲し身重ーーーーーーーーーーーーーーーー少陰の証

★寝ねんと欲するの陰なく、乍ち軽しの陽ありーーーーー表証

★少陰の証にて陽証に似たるものあり 

  桂枝附子湯ーーー身体疼煩


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