漢方処方と漢方の証の相違

漢方的病理の把握の仕方により漢方処方が違ってきます。

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56.手足逆冷

2011年05月28日 | Weblog

「逆冷」とは手足の指の先から本の方へ向かって冷えが上がって行くことで逆冷は逆上の意味が強くなったものであります。

この「手足逆冷」の証を傷寒論・金匱要略の中から取り出してみますと

傷寒論の「辨痙湿暍脈證第四」の第16条
●太陽の中暍者は発熱悪寒し身重くして疼痛、その脈弦細芤遅、小便已れば灑灑然として毛そばたち手足逆冷す、小しく労するあれば、身即ち熱し口開き前版の歯燥く、若し汗を発すれば則ち悪寒甚しく温鍼を加うれば則ち発熱甚しく数しば之を下せば則ち淋甚し。

傷寒論の「辨陽明脈證併治第八」の第43条に
●三陽の合病、腹満身重以って轉側し難く、口不仁にして面垢、譫語遺尿し、汗を発すれば則ち譫語し、之れを下せば則ち額上汗を生じ、手足逆冷す、若し自汗出づる者は、白虎湯之れを主る。

傷寒論の「辨少陰病脈證併治第十一」の第12条に
●少陰病、吐利、手足逆冷せず、反って発熱する者は死さず、脈至らざる者は、少陰に灸すること七壮。

傷寒論の「辨少陰病脈證併治第十一」の第15条に
●少陰病、悪寒、身踡まり、而して利し、手足逆冷する者は、治せず。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第12条に
●凡そなる者は陰陽の氣相順接せず便ちを為す、なる者は手足逆冷する是なり。

金匱要略の「腹満寒疝宿食病脈證治第十」の第19条に
寒疝、腹中痛み冷、手足不仁、若しくは身疼痛し灸刺、諸薬治する能わざず、抵當するは、烏頭桂枝湯之れを主る
 

金匱要略の「水氣病脈證併治第十四」の第30条に
●師の曰く、寸口の脈、遅にして濇、遅は則ち寒と為し、濇は則ち血不足と為す、趺陽の脈、微にして遅、微は則ち氣と為し、遅は則ち寒と為す、寒氣不足すれば則ち手足逆冷す、手足逆冷すれば則ち榮衛利せず、榮衛利せざれば則ち腹満脅鳴相逐、氣、膀胱に轉じ、榮衛倶に労る、陽気通ぜざれば即ち身冷え、陰気通ぜざれば即ち骨疼む、陽、前に通ずれば則ち悪寒す、陰、前に通ずれば則ち痹不仁す、陰陽相得れば、其の氣、乃ち行き、大気一轉すれば、其の氣、乃ち散ず、實なれば則ち失氣し、虚なれば則ち遺溺す、名づけて氣分と曰う。

金匱要略の「水氣病脈證併治第十四」の第31条に
●氣分、心下堅く、大いさ盤の如く、邊、旋杯の如きは、水飲の為す所、桂枝去芍薬加麻辛附子湯之れを主る。

「手足逆冷」の症状のある処方は 

Ⅰ.白虎湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・三陽の合病・手足逆冷

Ⅱ.烏頭桂枝湯・・・・・・・・・・・・・・・寒疝、腹中痛み冷逆

Ⅲ.桂枝去芍薬加麻辛附子湯・・・・氣分、心下堅く・水飲の為す所

 


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