政策運営、手詰まり感=物価に有効策打てず―日銀
8/1(水) 7:21配信 時事通信社
日銀は31日、長期金利の目標を柔軟化させることを決定した。
ただ、物価見通しを軒並み下方修正し、2%の物価目標も2020年度までには達成が困難との見解を示した。目標の早期実現へ有効打とならないことを自ら認めた格好で、日銀の政策運営は手詰まり感が強まっている。
黒田東彦総裁は就任直後の13年4月に異次元緩和を導入。2%の物価上昇は「2年程度で実現できる」と強調した。その後、マイナス金利、長期金利操作など異例の緩和策を次々に繰り出したが物価の伸びは勢いを欠いたまま。
黒田総裁は31日の記者会見で、2%の物価上昇の達成には「想定よりも時間がかかる」と遅れを認めた。大規模緩和はさらなる長期化が避けられず、国債取引の不成立頻発といった低金利の副作用軽減策を余儀なくされたのが実情だ。
緩和を長く続けることはできても、効果が強まるかは別の話。政策金利の先行きを示す指針「フォワードガイダンス」を導入し、現在の緩和策を粘り強く続ける姿勢をアピールするが、人々の根強いデフレ心理を解きほぐすことができるかは不透明だ。
金融緩和の限界を指摘する声も少なくない中、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「日銀の大規模緩和はまさにエンドレスの様相になっている」と指摘している。
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日銀の金融政策はいよいよ袋小路に入ってしまったようだが、むしろ自ら小路に進んでいったと言うのが正しいだろう。
第二次安倍政権が成立し、日銀総裁が白川から黒田に交代した頃、金融緩和政策について説明した記事があった。
金融緩和、実体経済への影響は? 金利低下と資産価格上昇効果
2013.4.6 08:15 Sankei wis
日銀が4日に決定した新たな金融緩和策により、経済活性化につながる期待が高まっている。どのように経済に波及するのか。Q&A形式でまとめた。
Q 新たな緩和策の効果は
A 新緩和策では、日銀が、世の中に流すお金の量であるマネタリーベース(資金供給量)を年間60兆~70兆円増やし、供給残高を平成24年末時点の138兆円から26年末に270兆円へ倍増させる。黒田東彦総裁は、この際に日銀が買い入れる資産の種類(質)を工夫することで、3つのルートで経済活性化の効果が見込めると説明した。
Q 具体的には
A 1つは金利低下と資産価格上昇の効果だ。日銀が国債や、元本割れリスクのある上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)を買って、国債市場の金利低下と、株価や不動産など資産価格の上昇を促す。すると、住宅ローン金利や企業の借入金利が下がるほか、資産の値上がり利益で、消費や設備投資の意欲が刺激されるというわけだ。
Q これまでも国債やETFなどは買っていた
A 今回は買い方が全く違う。従来の金融緩和は、国債の購入対象を償還期限3年以内に限定し、買い入れの期限と枠を区切っていた。新緩和策は、10年や20年など償還期限がより長いものを含めたすべての国債が購入対象で、物価上昇率が安定的に2%になるまで実質的に無期限で買い続ける。ETFとREITも購入額を増やす。
Q なぜ買い方を変えたのか
A そこが第2、第3の緩和効果のルートを狙った仕掛けだ。幅広い国債を購入して金利全体が低下すると、金融機関や投資家がより高い利回りの見込める貸出先や株式などの資産に資金を移す動きが起こり、経済全体のお金の巡りが良くなる効果が期待できる。
さらに、物価が2%に上昇するまで大規模緩和を続けると約束し、「今後は物価が上がる」という消費者や企業の期待が高まれば、早いうちに買い物や投資をしなければ損をする意識も生まれる。
Q 副作用は
A 大規模な国債購入が国の借金を穴埋めしていると市場にみられれば、長期金利が急騰する可能性がある。投機マネーを呼び込み資産バブルを発生させるリスクもあるほか、日銀が大量の資産を抱え込と、物価上昇後に緩和を解除する「出口」対応が難しくなる懸念もある。
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この政策の問題点とは、「金融緩和すれば消費意欲が刺激されるだろう。」「投機が高まるだろう。」という「期待」が前提となっていたことだ。
新自由主義者特有の「市場原理主義」により民間が需要を作ることに期待して政府は供給を与えるのみという政策である。
その結果はご存知の通りで、供給された貨幣は銀行や企業の内部留保に溜まるばかりで設備投資や給料は伸びず、成長には繋がらなかった。
お金があっても購入できる商品がなければ使う機会がないことと同じで、成長を目指すならば需要を創出する必要があるのだ。
しかも、給料が伸びない一方で消費税増税によってあるものも毟り取られた結果、余計に消費は落ち込み、より経済が低迷するという悪循環に陥っているのである。
逆に言えば対処は簡単である。
まずは、消費税を減税すれば、それだけで増税前の水準に経済は回復する。
更に、公共事業や福祉部門、軍事に予算を投入し大規模な財政出動を行うことによって企業の業績が良くなり、給料も伸びることになるのだ。
安倍政権と日銀は本気で経済成長と国民の生活を考えているのであれば、直ちに消費税減税と財政出動を行うべきだ。
さもなくば、日本と国民の破滅を目論む国賊である。
まあ、実際のところ国賊だと断言して良かろう。
8/1(水) 7:21配信 時事通信社
日銀は31日、長期金利の目標を柔軟化させることを決定した。
ただ、物価見通しを軒並み下方修正し、2%の物価目標も2020年度までには達成が困難との見解を示した。目標の早期実現へ有効打とならないことを自ら認めた格好で、日銀の政策運営は手詰まり感が強まっている。
黒田東彦総裁は就任直後の13年4月に異次元緩和を導入。2%の物価上昇は「2年程度で実現できる」と強調した。その後、マイナス金利、長期金利操作など異例の緩和策を次々に繰り出したが物価の伸びは勢いを欠いたまま。
黒田総裁は31日の記者会見で、2%の物価上昇の達成には「想定よりも時間がかかる」と遅れを認めた。大規模緩和はさらなる長期化が避けられず、国債取引の不成立頻発といった低金利の副作用軽減策を余儀なくされたのが実情だ。
緩和を長く続けることはできても、効果が強まるかは別の話。政策金利の先行きを示す指針「フォワードガイダンス」を導入し、現在の緩和策を粘り強く続ける姿勢をアピールするが、人々の根強いデフレ心理を解きほぐすことができるかは不透明だ。
金融緩和の限界を指摘する声も少なくない中、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「日銀の大規模緩和はまさにエンドレスの様相になっている」と指摘している。
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日銀の金融政策はいよいよ袋小路に入ってしまったようだが、むしろ自ら小路に進んでいったと言うのが正しいだろう。
第二次安倍政権が成立し、日銀総裁が白川から黒田に交代した頃、金融緩和政策について説明した記事があった。
金融緩和、実体経済への影響は? 金利低下と資産価格上昇効果
2013.4.6 08:15 Sankei wis
日銀が4日に決定した新たな金融緩和策により、経済活性化につながる期待が高まっている。どのように経済に波及するのか。Q&A形式でまとめた。
Q 新たな緩和策の効果は
A 新緩和策では、日銀が、世の中に流すお金の量であるマネタリーベース(資金供給量)を年間60兆~70兆円増やし、供給残高を平成24年末時点の138兆円から26年末に270兆円へ倍増させる。黒田東彦総裁は、この際に日銀が買い入れる資産の種類(質)を工夫することで、3つのルートで経済活性化の効果が見込めると説明した。
Q 具体的には
A 1つは金利低下と資産価格上昇の効果だ。日銀が国債や、元本割れリスクのある上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)を買って、国債市場の金利低下と、株価や不動産など資産価格の上昇を促す。すると、住宅ローン金利や企業の借入金利が下がるほか、資産の値上がり利益で、消費や設備投資の意欲が刺激されるというわけだ。
Q これまでも国債やETFなどは買っていた
A 今回は買い方が全く違う。従来の金融緩和は、国債の購入対象を償還期限3年以内に限定し、買い入れの期限と枠を区切っていた。新緩和策は、10年や20年など償還期限がより長いものを含めたすべての国債が購入対象で、物価上昇率が安定的に2%になるまで実質的に無期限で買い続ける。ETFとREITも購入額を増やす。
Q なぜ買い方を変えたのか
A そこが第2、第3の緩和効果のルートを狙った仕掛けだ。幅広い国債を購入して金利全体が低下すると、金融機関や投資家がより高い利回りの見込める貸出先や株式などの資産に資金を移す動きが起こり、経済全体のお金の巡りが良くなる効果が期待できる。
さらに、物価が2%に上昇するまで大規模緩和を続けると約束し、「今後は物価が上がる」という消費者や企業の期待が高まれば、早いうちに買い物や投資をしなければ損をする意識も生まれる。
Q 副作用は
A 大規模な国債購入が国の借金を穴埋めしていると市場にみられれば、長期金利が急騰する可能性がある。投機マネーを呼び込み資産バブルを発生させるリスクもあるほか、日銀が大量の資産を抱え込と、物価上昇後に緩和を解除する「出口」対応が難しくなる懸念もある。
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この政策の問題点とは、「金融緩和すれば消費意欲が刺激されるだろう。」「投機が高まるだろう。」という「期待」が前提となっていたことだ。
新自由主義者特有の「市場原理主義」により民間が需要を作ることに期待して政府は供給を与えるのみという政策である。
その結果はご存知の通りで、供給された貨幣は銀行や企業の内部留保に溜まるばかりで設備投資や給料は伸びず、成長には繋がらなかった。
お金があっても購入できる商品がなければ使う機会がないことと同じで、成長を目指すならば需要を創出する必要があるのだ。
しかも、給料が伸びない一方で消費税増税によってあるものも毟り取られた結果、余計に消費は落ち込み、より経済が低迷するという悪循環に陥っているのである。
逆に言えば対処は簡単である。
まずは、消費税を減税すれば、それだけで増税前の水準に経済は回復する。
更に、公共事業や福祉部門、軍事に予算を投入し大規模な財政出動を行うことによって企業の業績が良くなり、給料も伸びることになるのだ。
安倍政権と日銀は本気で経済成長と国民の生活を考えているのであれば、直ちに消費税減税と財政出動を行うべきだ。
さもなくば、日本と国民の破滅を目論む国賊である。
まあ、実際のところ国賊だと断言して良かろう。
結局これも、自らが財政出動するのではなく、民間だけに任せるという意味で新自由主義と繋がる経済政策です。
減税と財政政策を進め、政府が適切に国内の経済状況にテコ入れを加えて行かなくてはならないと思います