福岡万葉散歩

街の様子や木々や草花を眺め乍ら、先人の俳句や和歌を織り込んで、今の季節を楽しみたい。たまには万葉散歩も楽しみたい。

2014.12.15(月)-2 名残の野路菊

2014-12-19 | 

寒さの増した初冬の今日であるが、野菊の一種、野路菊(のじぎく)がまだ咲いている。「野菊(のぎく)」とは、秋の野山や路傍に咲く野生の菊の総称という。野路菊は近畿以西の海辺に生えるという。伊藤佐千夫の小説「野菊の墓」では、主人公の政夫が恋心を寄せる少女、民子を野菊の花にたとえている。野菊は可憐さの象徴なのだ。

野菊   野路菊(のじぎく)

 かがみ折る野菊つゆけし都府楼址     杉田久女

 秋天の下に野菊の花弁欠く        高浜虚子

 憂さ晴れてそぞろに行けば野菊かな    河東碧悟桐

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿