福岡万葉散歩

街の様子や木々や草花を眺め乍ら、先人の俳句や和歌を織り込んで、今の季節を楽しみたい。たまには万葉散歩も楽しみたい。

2015.5.17(日) 卯の花が咲く

2015-05-22 | 

卯の花(うのはな)が咲いている。文部省唱歌「夏は来ぬ」(佐々木信綱作詞)においても「卯の花のにおう垣根に、時鳥早もきなきて」と歌われている。

卯の花(うのはな)  花空木(はなうつぎ)    更紗空木(さらさうつぎ)

  卯の花の夕べの道の谷へ落つ     臼田亜浪

卯の花(うのはな)  花空木(はなうつぎ)    更紗空木(さらさうつぎ)

  卯の花に風のはげしくなるもよし     細見綾子

卯の花(うのはな)  花空木(はなうつぎ)     梅花空木(ばいかうつぎ)

  佐伯山(さへきやま)卯の花持てる愛(かな)しきが

     手をし取りてば花は散るとも   万葉集巻七ー1259  作者不明

 

卯の花(うのはな)  花空木(はなうつぎ)     梅花空木(ばいかうつぎ)

  おそるべき君等の乳房夏来(きた)る    西東三鬼(さいとうさんき)

卯の花を詠んだ句ではないが、大岡信の「折々のうた 三六五日」の五月十八日の項より引用した。昭和二十一年、戦争が終わってから最初の夏の作という。