卯の花(うのはな)が咲いている。文部省唱歌「夏は来ぬ」(佐々木信綱作詞)においても「卯の花のにおう垣根に、時鳥早もきなきて」と歌われている。
卯の花(うのはな) 花空木(はなうつぎ) 更紗空木(さらさうつぎ)
卯の花の夕べの道の谷へ落つ 臼田亜浪
卯の花(うのはな) 花空木(はなうつぎ) 更紗空木(さらさうつぎ)
卯の花に風のはげしくなるもよし 細見綾子
卯の花(うのはな) 花空木(はなうつぎ) 梅花空木(ばいかうつぎ)
佐伯山(さへきやま)卯の花持てる愛(かな)しきが
手をし取りてば花は散るとも 万葉集巻七ー1259 作者不明
卯の花(うのはな) 花空木(はなうつぎ) 梅花空木(ばいかうつぎ)
おそるべき君等の乳房夏来(きた)る 西東三鬼(さいとうさんき)
卯の花を詠んだ句ではないが、大岡信の「折々のうた 三六五日」の五月十八日の項より引用した。昭和二十一年、戦争が終わってから最初の夏の作という。